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意外にも驚かれるセルビア4つの真実

意外にも驚かれるセルビア4つの真実

かつてセルビアのベオグラード大学に留学し、セルビア語話者であり、セルビア人の妻を持つ私は、初めて会う人に自己紹介する時などに「セルビア」について触れると、様々な質問を受けます。

 

こうした様々な質問の中には、「セルビアが東ヨーロッパに位置する国だから」、「セルビア人がスラヴ民族の一派だから」などという知識から引き起こされているであろう勘違いのようなものが数多くあります。

そもそも、東ヨーロッパのバルカン半島に位置するセルビアについて、セルビアの歴史や情報を正しく知っている人を見かけるほうが珍しいです。なぜならば、歴史的に日本との結びつきが深くなく、また日本人が観光地として訪れる人気な国でもまったくないためです。

 

今回の記事では、これまでに頻繁に受けたセルビアに関する質問に対する回答で、多くの日本人に「意外にも驚かれたセルビアの真実」をまとめたいと思います。

 

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「セルビアと言えば、旧ソ連圏だった国だよね?」

セルビアの話になると、多くの人から質問される内容が「セルビアと言えば、旧ソ連圏だった国だよね?」です。

残念ながら、セルビアは旧ソ連圏ではありませんでした。

 

第二次世界大戦後のセルビアは、ユーゴスラヴィア社会主義人民共和国(以下、旧ユーゴ)を構成していた一国でした。そのため、ソビエト連邦(以下、ソ連)と同じ社会主義国だったものの、まったく異なる国でした。

また、1980年まで旧ユーゴを率いてたティトー(チトー)終身大統領は、当時のソ連大統領スターリンと建国直後に対立したことにより、旧ソ連を中心に形成されていた東側諸国(または、ワルシャワ条約機構)には加盟していませんでした。

反対に、ティトー終身大統領率いる旧ユーゴは、独自の社会主義路線を作り上げながら、西側/東側どちらにも属しない非同盟運動を先導していきました。そのため、当時の東西冷戦下の中でも旧ユーゴは中立的な立場を貫いていきました。

こうした歴史的背景から、セルビアは社会主義国だったものの、多くの人が思い浮かべるような旧ソ連圏でもないし、東側諸国でもなかった国でした。

 

また、以下のような質問もたまに受けます。

「セルビアは昔、なんだっけか、チェコ・スロヴァキアと同じ国だったよな?」

東ヨーロッパ諸国はあまり日本人に馴染みのない国も多く、名前も多少なりか似ているため間違う方も多いと思いますが、セルビアが構成していたユーゴスラヴィアの国々は、西からスロヴェニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モンテネグロ、マケドニア、コソヴォになります。

 

「セルビアで話される言語は…ロシア語だよね?」

セルビアがかつて旧ソ連圏だった国だと勘違いされていることから派生して、「セルビアで話される言語はロシア語だよね?」という質問もよく受けます。

この質問に対する答えは、「セルビアで話される言語はセルビア語」です。

 

セルビアは東ヨーロッパに位置し、ロシア人と同じスラヴ民族の一派であることから、セルビアではロシア語が話されていると勘違いしている人も多いかと思います。しかしながら、セルビアにはスラヴ諸語の一つであるセルビア語というものが存在します。

セルビア語の起源は、同じスラヴ諸語に属するロシア語と同じであるため、両言語には類似していることも多々あります。しかし、歩んできた歴史は異なるため、セルビア語は独自の発展をしてきたゆえの相違点もたくさんあります。

※セルビア語の詳細な概要やロシア語との類似・相違点については、以下の記事を参考にしてみてください。

 

そのため、セルビア語を初めて聞く人の多くから、「思ったより、ロシア語に似てないね」という感想をもらいます。実際に、セルビア語を聞いてもらうと、類似している単語などはあるものの、発音や話し方はけっこう違ったりします。

 

「セルビア人の奥さんは、キレイな白人だろうから羨ましい!」

多くの日本人は「セルビア人は白人で美しい」と思っているのではないでしょうか?しかしながら、セルビア人が日本人が想像するような白人とは、限りません。

これまでに何度か話しているように、セルビアは東ヨーロッパに位置する国で、セルビア人はロシア人やウクライナ人、ベラルーシ人などのスラヴ諸民族グループに属しています。

多くの日本人の中で、「スラヴ人」や「ロシア人・ウクライナ人・ベラルーシ人」=「白人」というイメージが先行しているためか、同じスラヴ諸民族であるセルビア人もまた同様に、白人だと思い込んでいるのではなかろうかと思います。

 

もちろん、セルビア人は人種で言うと白色人種(コーカソイド)に分類されます。

しかしながら、セルビア人は地理的・歴史的な影響で、トルコ人やアルバニア人、ロマ人、ハンガリー人など様々な異なる民族との混血が進み、褐色肌の国民が数多くいることも事実です。

セルビアは昔から西と東を結ぶ重要な交通の要だったバルカン地域に位置するため、様々な民族が行き来する/時には定住する場所だったこと、そして中世以降から約400年に渡ってオスマン・トルコ帝国が支配していた歴史があったことから、異なる民族との混血が起きていたとされています。

特に、セルビア南部に行けば行くほど褐色肌の国民は増加する傾向にあります。例えば、義理の叔父は褐色肌です。

 

もう一つ注目すべき点は、セルビア人は肌が白いことを健康的・魅力的だと捉えずに、積極的に日焼けをして褐色以上の肌にしようと努力する傾向にあります。

そのため、セルビアに実際に行ってみると、日本人が想像するような肌の白いスラヴ人を見かけることは稀だったりします。

反対に、こうした褐色肌のセルビア人女性は、西ヨーロッパ諸国男性に魅力的に映り、夏のバカンスには安いアルコールとセルビア人女性を目的に、首都ベオグラードへ遊びに来る人がたくさんいます。

 

「セルビア人の奥さんは、やっぱりブロンド(金髪)なんでしょう?」

私のセルビア人妻の地毛は、ブロンド(金髪)ではなく赤茶です。本人はその赤茶を嫌って、ダークブラウンにカラーリングしています。そして、妻だけでなく多くのセルビア人の地毛は、多くの日本人が期待しているようなブロンド髪ではありません。

上述した「セルビア人が日本人が想像するような白人とは限らない」で話したように、セルビア人は様々な異なる民族と混血が進んできました。そのため、現代のセルビア人の中には、純粋なセルビア人は存在しないと言う人も数多くいます。

では、純粋なセルビア人とはどういう外見なのでしょうか?

 

純粋なセルビア人とは、7世紀ごろ現在のウクライナ地域に出現したスラヴ人たちの外見のものになります。この当時のスラヴ人たちはその後、ヨーロッパ各地へ移住していく過程で東・西・南スラヴ民族へと分化していったとされています。

※東スラヴ民族:ロシア人やウクライナ人など。西スラヴ民族:ポーランド人やチェコ人。南スラヴ民族:セルビア人やブルガリア人。

この分化される前のスラヴ人たちは、外見的特徴としてブロンド(金髪)で青い目を持っていたとされています。そして、分化した当時/混血が進む前のセルビア人(南スラヴ民族)たちもまた、ブロンド/青い目の外見的特徴を持っていたとされています。

 

しかしながら、地理的・歴史的な影響で、トルコ人やアルバニア人、ロマ人、ハンガリー人など様々な異なる民族との混血が進んだセルビア人は、こうした外見的特徴が薄まっていったとされています。

例として、セルビアでは黒茶や赤茶といったブラウン系の髪色を持つ国民がほとんどです。しかし、セルビアの芸能ニュースやセルビア国内を散策していると、ブロンド髪のセルビア人女性をよく見かけるかと思います。

こうしたブロンド髪のセルビア人女性は生まれ持った髪色(地毛)ではなく、カラーリングした髪色であると間違いなく断言できます。もちろん、こうした女性たちは地毛であると主張します。(笑)

 

以上、意外にも驚かれるセルビア4つの真実でした!

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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