KOTARO JOURNAL

コソヴォについて知られていない7つの事実

コソヴォについて知られていない7つの事実

2018年2月17日は、南東ヨーロッパにあるコソヴォ共和国がセルビア共和国から独立を果たした日から10周年という節目の年でした。

 

この独立記念日には、コソヴォ共和国内だけでなくヨーロッパを中心とした世界各国からお祝いのメッセージが届いたり、コソヴォの首都プリシュティナでは10周年記念コンサートが開催されたりと、お祝いムードがあちらこちらで見受けられました。

このコソヴォ独立10周年に当たる記念日の数日前には、中南米・カリブに位置するバルバドスがコソヴォを正式な国家として承認し、独立から10年間で計116ヶ国から承認を受けています。日本もコソヴォの独立を承認しています。

その一方で、ロシアや中国、スペインなど国内に民族問題を抱えている国家の多くは、コソヴォの独立を依然として承認していません。こうした国家としての国際的な立場の問題だけでなく、国内政治の不安定な状況や貧しい経済体制など様々な課題があるものの、コソヴォがこれからどのような国家成長を見せていくのか注目に値します。

 

今回の記事では、このコソヴォ独立10年目という節目の年に、あまり知られていないコソヴォの事実を7つ紹介したいと思います!

 

スポンサーリンク

コソヴォの英雄ートニー・ブレアとビル・クリントン

コソヴォでは、トニー・ブレア元イギリス首相とビル・クリントン元アメリカ大統領の2人が、「英雄」と見なされています。

コソヴォの首都、プリシュティナには2人の名前が名付けられた大通りやビル・クリントンの3mの銅像が建てられています。さらに、コソヴォの子どもたちの中には「トニー(Toni)」や「ブレア(Bler)」、「トニーブレア(Tonibler)」と名付けられている者もいるようです。

この背景には、コソヴォ紛争中に当時の旧ユーゴスラヴィア連邦共和国に対して1999年に行われたNATO空爆に、当時イギリス首相だったトニー・ブレア氏が支援していたことに、尊敬と感謝の念が込められています。

 

コソヴォの異常なアメリカ中毒

1999年に発生したコソヴォ紛争に介入したNATO軍の空爆を指示したのはビル・クリント元アメリカ大統領であり、紛争前後にかけてアメリカはコソヴォを軍事的・経済的に支援してきました。

ビル・クリントンは言わば「コソヴォ建国の父」とも捉えることもでき、コソヴォの子どもたちの名前として「クリントン(男子名)」や「ヒラリー(女子名)」が人気があるようです。

また、在コソヴォのアメリカ大使館Facebook公式ページのフォロワー数は297,342人(2018年2月17日現在)であり、コソヴォ共和国の国民6人に1人がフォローしていることとなります。

 

より詳細な内容は、タイム紙が執筆した「Kosovo’s America Obsession」を参照してみてください。

 

コソヴォの現地通貨ーユーロ

コソヴォの現地通貨ーユーロ

ヨーロッパ連合(EU)の正式な加盟国ではないものの、コソヴォはセルビアから独立宣言を行う大分前に当たる2002年から欧州通貨ユーロを採用しています。

しかしながら、コソヴォ北部のコソフスカ・ミトロヴィツァなどセルビア人共同体が多数を占める地域では、セルビア共和国の公式通貨であるセルビアン・ディナールを使用しています。

 

ヨーロッパの中でEU加盟国ではないもののユーロ通貨を採用している国は、コソヴォ以外にも隣国モンテネグロがあります。

セルビアでは、現地通貨のセルビアン・ディナールがあるものの、賃貸アパートの家賃や不動産売買はすべてユーロ通貨で支払わる仕組みとなっています。

 

コソヴォの国家に歌詞はない

コソヴォ共和国の国歌「ヨーロッパ」には、歌詞がありません。

コソヴォ系アルバニア人で組織されているコソヴォ政府は、同共和国内に居住するセルビア人を怒らせる危険性があることを考慮して、国歌にアルバニア語の歌詞を作らないことを決めました。

 

ヨーロッパで「最も若い国」

コソヴォ共和国内の全人口のうち70%以上が35歳以下であるため、ヨーロッパで最も若者が占める割合が多い国とされています。

そのため、中央年齢(上の世代と下の世代の人口がちょうど同じになる年齢)が、たったの29.1歳となっています。

日本の中央年齢は45.9歳であり、世界で最も高い数値となっています。世界平均の中央年齢は、28.2歳となっています。

 

コソヴォ共和国の国旗

コソヴォ共和国の国旗

コソヴォ共和国の国旗は世界中の国旗の中でも珍しく、国家の領土地図を国家のデザインとして導入しています。コソヴォ共和国以外にキプロス共和国だけが導入している例となります。

コソヴォ共和国の国旗にある6つの星は、コソヴォ共和国内に居住する主要6民族を表しています。

その6民族は、アルバニア人、セルビア人、トルコ人、ゴーラ人、ロマ人、ボシュニャク人(ボスニア系ムスリム人)となります。

非公式でこの6つの星は、アルバニア人民族主義者のイデオロギー「大アルバニア主義」が指す6つの地域、アルバニア、コソヴォ、マケドニア西部、ギリシャ北部の地域、モンテネグロの一部とセルビア南部の地域を表していると言われてもいます。

 

「コソヴォ」という名前の由来

「コソヴォ」という名前の由来

「コソヴォ(Kosovo)」という名前は、もともとセルビア語に由来しており「クロウタドリの土地」を意味しています。

一方で、アルバニア人たちはコソヴォ地域を「ダルダニア」と呼んでいました。中には、現在もダルダニアという呼称を用いる人もいるかと思います。

ダルダニアという名前は、紀元前284年に建てられた古代ローマ帝国の州の名前であり、当時の領土は現在のコソヴォ地域を覆っていた。また、ダルダニアという名前はアルバニア語で果物の「ナシ」を意味することから、「ナシの土地」という意味を持っています。

 

参考資料
Eleonora Di Franco, Top Ten Curious Facts About Kosovo, My country? Europe.(アクセス日:2018年2月17日)
Kosovo’s America Obsession, Time.(アクセス日:2018年2月17日)

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


記事が気に入ったら
Kotaro Journalを "いいね!"
Facebookで更新情報をお届け。

Kotaro Journal

関連記事一覧

  1. 低賃金で働くセルビア出身のDMM英会話講師たちが提起する問題
  2. 意外にも驚かれるセルビア4つの真実
  3. 【スレブレニツァの虐殺】「平和の行進」で参加者が訴えたいメッセージとは?
  4. ドキュメンタリー映画「キスメット」ーセルビア人とアルバニア人の若い女性たちが共同製作ー
  5. ベオグラードで最も古い「新墓地[Novo groblje]」を訪れる

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

執筆者のプロフィール

Kotaro

フリージャーナリスト&英語・セルビア語通訳者
ブログ運営者のプロフィール

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト

オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。

お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。

大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

お仕事の相談はこちら

詳細なプロフィール

セルビア中毒便り

海外送金にオススメ!

手数料激安の海外送金

最新の記事

  1. スリナム共和国の国旗
  2. 世界最大のピート・モンドリアン展ーハーグ市立美術館に行ってみよう!
  3. ヘヴィメタル初心者に聴いてもらいたいオススメ曲10選
  4. 低賃金で働くセルビア出身のDMM英会話講師たちが提起する問題

海外旅行のホテル検索はこちら!

執筆者が推薦したい社会派記事



ピックアップ記事

  1. ヨハン・クライフの自伝
  2. 海外移住前に日本国内で行った手続き一覧
  3. 約250台のクラシックカーを展示しているローマン博物館のエントランス
  4. オランダ 自転車

FOLLOW ME!!

ハーグ観光のお手伝い

ハーグ在住日本人がハーグ観光をお手伝い

PAGE TOP