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オランダ人が持つ反日感情とは?ー92歳のおじいちゃんとの会話から知る日蘭史ー

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おじいちゃんの反日感情に対する考え

 おじいちゃんの反日感情への考え

おじいちゃんの妻が日本人を大嫌いな理由を聞きながら、太平洋戦争中に旧日本軍が侵攻したインドネシアで起きたことをまったく知らなかった私は、おじいちゃんに以下のように言いました。

私「太平洋戦争中に旧日本軍がインドネシアへ侵攻した事実を歴史の一部として知っていたけれども、正直に言って実際にインドネシアで何が起きていたのか、オランダ軍や現地のインドネシア人がどんな仕打ちを受けていたのかは、まったく知らない。これは、一人の日本人として恥ずべきことだよね。

 

それに対して、おじいちゃんは以下のように返答してくれました。

爺「私は、太平洋戦争中に旧日本軍がインドネシアのオランダ人や妻のような現地人にしたことで君を責めたりしないし、日本人に対しても反感は持っていないよ。」

爺「私は、1960年代に戦後初めてドイツを訪れた。戦後から約20年ほどが経過していたけれども、ドイツを実際に訪れることは非常に怖かったし、ドイツ人を憎んでいたよ。なぜならば、私の母国オランダは第二次世界大戦中にナチス・ドイツ軍によって支配されていた歴史があるからね。」

爺「でもドイツを実際に訪れて、街で多くのドイツ人として接しているうちに、ドイツへの恐怖心やドイツ人への憎しみは消えていった。」

爺「第二次世界大戦中にオランダだけでなくヨーロッパ各国でナチス・ドイツ軍が行ったことは、将来に渡って許されるべきものではない。でも、ドイツ旅行している時に気が付いたことがあるんだ。それは、戦争に参加していない人や戦後に生まれた世代に対して、第二次世界大戦中に先祖が犯した罪の責任を負わせるべきではないとね。」

爺「だから、デンマーク旅行へ向かう飛行機の隣に座っていた日本人男性に憎悪を募らせ怒っていた妻に対して、同様のことを伝えたんだ。この日本人男性は戦後に生まれた世代であり、彼らに先祖の責任を負わせるべきではないとね。でも、妻は理解してくれなかったけどね。」

爺「だから、君には太平洋戦争中に旧日本軍が行ったことの責任を負わせるつもりもないし、その歴史で君を憎んだりはしていないよ。

 

このように話してくれたおじいちゃんとは、その後も色々と話しました。そして、今では彼の自宅バルコニーで一緒にパイプたばこを吸いながら、夏の日差しを楽しんでいます。

 

8月15日=オランダ領東インド戦没者追悼記念日

8月15日=オランダ領東インド戦没者追悼記念日

オランダ政治都市ハーグの中心地から少し離れた公園には、太平洋戦争中に旧日本軍に統治された旧オランダ領東インドにて、亡くなったオランダ人の一般市民と兵士を慰霊する記念碑が建てられています。

このオランダ領東インド戦没者記念碑の詳細は、以下の記事をお読みください。

 

日本では毎年8月15日は終戦記念日として重要な日となっていますが、その同日に上記の戦没者記念碑前で追悼式典が毎年開催されています。2015年時は終戦70周年だったこともあり、オランダ国王アレキサンダーも出席していました。

2015年度オランダ領東インド戦没者追悼記念式典の様子

 

現在私はハーグに居住していることもあり、8月15日に開催されるこの追悼記念式典に参加してみようと思います。この式典に参加している人々の多くは、オランダ領東インドで犠牲になった家族や友人たちであると思われます。こうした方々と実際に話をして学ぶ歴史には大きな意味があるものだと思います。

2017年8月15日に開かれた東インド戦没者慰霊式典に参加した時の様子とエピソードは、以下の記事をご覧ください。

 

まとめ

今回のように隣人のおじいちゃんから間接的であるものの、オランダ人(インドネシア系移民も含む)が持つ反日感情に触れる機会がありまして、一つの体験談から分かる事例として記事を書いてみました。

オランダ国内の反日感情についておじいちゃんに聞いてみると、「戦後や現代に生まれたオランダ人の中に反日感情を持つ人はほとんどいない」けれども、「太平洋戦争中に犠牲となったオランダ人やインドネシア系オランダ人家族や戦時中を経験してきた高齢者層の中には、現在も反日感情を持つ人は一定数存在する」と思うと話してくれました。

 

しかしながら、「こうした反日感情はオランダと日本、インドネシアと日本の間で起きた歴史の一部が原因であり、人種や肌の色から来る差別ではないよ」と答えてくれました。

実際に、オランダ政治都市ハーグで生活をしていて、「日本人だから」という理由で差別的な言動に遭うことはこれまでにありませんでした。そのため、一定の高齢者層と接する機会がなければ、オランダで反日感情を感じることはないと思われます。

 

今回の記事を通じて、私のような太平洋戦争を経験していない戦後世代が、戦時中のインドネシアで起きていたことや日蘭関係史を「新たに知る」一つのきっかけとなれば嬉しい限りです。

 


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フリージャーナリスト&英語・セルビア語通訳者
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オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト

オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。

お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。

大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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