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【バンカー・デー】オランダに残存するナチス独軍の防衛地下壕すべてが開放される日に参加してみた!

【バンカー・デイ】オランダに存在するナチス独軍の防衛地下壕すべてが開放される日

2017年6月10日に、オランダで「バンカー・デー Bunkerdag」と呼ばれるイベントが開催されました!

 

第二次世界大戦中にアドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツ軍は、イギリス本土からの連合国軍の侵攻から守るために、占領したヨーロッパ西部(フランスやデンマーク、ノルウェー等)の海岸に防衛線=通称「大西洋の壁」(英語:Atlantic Wall)を設置しました。この「大西洋の壁沿い」に、防衛拠点として数多くの防衛地下壕(バンカー)を建設しました。

オランダ国内の海岸沿いにかけて、現在も多くの防衛地下壕が残っていますが、通常であれば一般公開されていません。

 

「バンカー・デー」のチケット

「バンカー・デー」のチケット

しかしながら、この「バンカー・デー」にはこれら残存した防衛地下壕すべて一般公開されると同時に、「バンカー・デー」チケット(大人6ユーロ)を購入すると当日中に限って、すべての防衛地下壕にも入場できるという特別な日です。

この企画は2014年からハーグで始まったものであり、この「バンカー・デー」に協賛して一般公開する防衛地下壕が年々増加していっています。今年2017年にはオランダ海岸沿いの計39ヶ所の防衛地下壕が一般公開されました。

歴史が大好きな私は、この日の存在を知って急いでチケットを購入してからというもの、その日が訪れるまでワクワクが止まりませんでした!(笑)

 

今回は、この「バンカー・デー」にハーグ市内で一般公開された防衛地下壕5ヶ所を巡ってきた感想を写真とともに紹介していきたいと思います!

 

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訪れた防衛地下壕のリスト

ハーグ市内で開放された防衛地下壕マップ

ハーグ市内で開放された防衛地下壕マップ 出典:https://bunkerdag.nl

私が当日訪れたハーグ市内で開放された防衛地下壕は計5ヶ所になります。上記の地図と照らし合わせて、訪れた防衛地下壕を順番に番号を付けてみると以下のようになります。

トンネル構造の防衛地下壕
レーダー基地:コード名「モリッツ」
指令基地だった防衛地下壕-Führer der Schnellboote
病院として機能していたとされる防衛地下壕
キッチン防衛地下壕

 

それ以外に、開放されていた防衛地下壕⑥番と⑦番は、博物館として通常時も開放されいるために今回は訪れていません。

⑥スフェニンゲン大西洋の壁博物館(公式サイトはこちら
Bescherming Bevolking博物館(公式サイトはこちら

 

※スフェニンゲン大西洋の壁博物館は、観覧してきた感想とレポートを以前に書きました。興味ある方はご参照ください。

Bescherming Bevolking博物館は今度訪れた際に別の記事で感想とレポートをまとめたいと思いますので、しばらくお待ちください。

 

では、今回の「バンカー・デイ」で訪れた5ヶ所の防衛地下壕を以下で紹介していきます。紹介する順番は、訪れた順番になっています。

※防衛地下壕内には十分な照明が設置されていないために、以下で紹介する写真にピントが合っていなかったりする場合があります。ご了承ください。

 

トンネル構造の防衛地下壕

トンネル構造の地下防衛豪

正式名称:Tunnel system Widerstandsnest 67 HL

この防衛地下壕は、海岸リゾート地カイクダイン”Kijkduin“の中心からすぐそばにあります。正確に言えば、アトランティックホテルの裏側にあります。

このトンネル構造の防衛地下壕は、戦闘機を索敵する役割を担っていたとされています。現在は約100mの地下トンネルに4つの防衛地下壕が連なっていますが、当時はそれよりもはるかに巨大な地下構造を保持していました。しかしながら、現在のカイクダイン中心部にある地下ショッピングセンターやアパート建設の際にその強大な地下構造は残念ながら取り壊されています。

 

トンネル構造の防衛地下壕の入口

トンネル構造の防衛地下壕の入口

当時のナチス独軍が休憩所として使っていたと思われる部屋

当時のナチス独軍が休憩所として使っていたと思われる部屋

上部の写真右側から、この部屋は当時のナチス独軍兵士たちが休憩所として使っていたと思われます。部屋内に2ヶ所四角形にくぼんだ所が見られますが、当時の写真と見比べてみると窓の役割を担っていたようです。もちろん、地下施設のために窓から外の景色を眺めることは出来ません。

戦時中の大半を地下トンネルで過ごす兵士たちにとって、外の景色が見えない窓でも「外の世界」との繋がりを感じさせる重要な内装だったのかもしれませんね。

 

ナチス・ドイツ時代の鷲の国章

ナチス・ドイツ時代の鷲の国章

この防衛地下壕内の一室には、ドイツ・ナチス時代の鷲の国章がデザインされた壁が残っています。この国章の下部分には付属しているはずのナチス党のシンボルである鉤十字(ハーケンクロイツ)が消されています。おそらく、戦後にオランダ側が消したのだろうと思われます。

 

海岸沿いを偵察する場所

海岸沿いを偵察する場所

地下トンネルの入り口から約100mほど進むと、当時のナチス独軍兵士たちが海岸沿いに異変がないかどうか偵察する場所がありました。上部の写真に写るおじさんのように、当時の兵士たちも海岸沿いに目を光らせながら連合国軍の急襲に備えていたのだろうと思われます。

 

現在の海岸リゾート地カイクダインの浜辺の様子

現在の海岸リゾート地カイクダインの浜辺の様子

現在のカイクダインの浜辺を眺めていると、当時ここに巨大なトンネル構造の防衛地下壕があったなんて想像できませんよね。これまでに何度もカイクダインを訪れてきましたが、この地下に巨大な防衛地下壕が存在していたなんて思いもしなかったです。

 

レーダー基地:コード名「モリッツ」

レーダー基地:コード名「モリッツ」

正式名称:Radar station Moritz

1942年の春にドイツ空軍を援護するために”Mammut”レーダー基地(ナチス独軍が戦時中に建設した戦闘機索敵レーダー基地)が建設され始めました。そして、その年の夏までには機能開始されたとされており、「大西洋の壁」内で初めて建設された索敵レーダー基地となります。

 

戦時中に存在した索敵レーダースクリーンのイメージ図

戦時中に存在した索敵レーダースクリーンのイメージ図

この索敵レーダー基地は「モリッツ」と呼ばれるコード名が与えられ、遠距離から接近する戦闘機を索敵する機能を果たしていました。上部の写真に写るレーダー機は、当時存在していた高さ30m10mからなる巨大なレーダースクリーンを支えていた一部だと思われます。この巨大なレーダースクリーンによって、200~300km先の戦闘機を索敵することが可能だったとされています。

 

防衛地下壕内は天井が非常に低く、部屋内も非常に狭かったために索敵した情報を他の司令部に伝達する役目だけを担っていたと思われます。

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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