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ベオグラード大学が開講する「外国人向けセルビア語講座」を受講した留学体験談

ベオグラード大学が開講する「外国人向けセルビア語講座」を受講した留学体験談

私は大学3年生だった2011年の夏ごろから翌年2012年の夏ごろまでに、東ヨーロッパに位置するセルビア共和国(以下、セルビア)のベオグラード大学に約1年間、正規交換留学生として滞在していました。

この交換留学の主な目的は、セルビア語の習得と自身が関心を持っていた歴史学研究の対象地域(旧ユーゴスラヴィア地域)をテーマにした卒業論文の資料収集に当たることでした。

なぜ私がセルビアに関心を持ち始めたのか、その理由に関してはこちらの記事「私がセルビア(旧ユーゴ地域)に夢中になり始めた理由」にて語っているので、その背景を知りたい方は参照してみて下さい。

また、セルビア語とはどういった言語なのか知らない方は、こちらの記事「セルビア語ってどんな言語なの?難しい言語って本当?」を参照してみて下さい。

 

私が学生だった2011年ごろを思い返してみると、夏休みを利用しての短期留学から1年間の長期留学までと、多種多様な方法を使った海外留学が学部生時代から一般的になってきたような気がします。

近年になってこの流れはさらに加速し、多くの学部生が海外の大学へ長期留学するケースが当たり前の時代になってきました。こうした流れの影響もあるのか、日本の大学からベオグラード大学へ留学する学生も増えてきたように感じます。

私が留学していた当時までは、毎年1人の日本人留学生がいるくらいだったようですが、今では複数人にのぼるという噂もチラホラ。

これまでは旧ユーゴスラヴィア史に関心があってセルビアに留学する人が多かったと思いますが、最近はそれ以外の分野に関心を持って、「辺境の地」セルビアに留学する人が増えてきたことを表しているのでしょう。

 

そこで、今回の記事では私が2011/2012年にセルビアのベオグラード大学へ留学した際に、ベオグラード大学言語学部が開講している「外国人向けセルビア語講座」を受講した当時の記憶から、このセルビア語講座がどのような内容で授業が進行していたのかを詳しくまとめたいと思います。

今後ベオグラード大学への留学を計画している学生諸君だけでなく、英語圏ではない留学先の一つとしてベオグラード大学を検討したいと思っている学生、セルビアで新たに生活を開始して、セルビア語を勉強したいと思っている一般の人に参考になれば嬉しい限りです。

 

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ベオグラード大学言語学部のセルビア語講座

ベオグラード大学言語学部棟の建物

ベオグラード大学言語学部棟の建物

ベオグラード大学はセルビアの首都ベオグラードに位置しており、1808年に創立されたセルビアで最も歴史のある国立大学です。30学部が設置されているベオグラード大学には、様々な言語を学ぶことができる言語学部があり、ドイツ語はじめスペイン語やイタリア語、そして日本語学科が学生の間で人気のある学部でした。

この言語学部には、セルビアに留学生として来ているセルビア国外出身の学生や研究者、そして仕事やセルビア人との結婚を通じてセルビア国内に居住することとなった外国人を対象とした、「外国人向けのセルビア語講座」が通年で開講されています。

日本の大学からベオグラード大学に正規(交換留学や研究員としての留学)で在籍する場合は、ほとんどの学生がこの「外国人向けのセルビア語講座」に出席して、自身の言語能力に合ったレベルのクラスを受講しています。

 

この「外国人向けのセルビア語講座」は、初級・中級・上級コースと3つのグループに分けられており、これまでにセルビア語を勉強したことがない生徒はみな初級コースのクラスから受講を始めます。

授業はすべて「セルビア語」で「セルビア語」を学ぶ方法が取られており、セルビア語で分からないことがあっても指導教官たちはセルビア語で説明しようとします。そのため、授業の最初から最後までセルビア語オンリーになります。

セルビア語を勉強してきていない人にとっては過酷に見えますが、この方法は明らかに自身の語学力を向上させる上で大きな影響を与えます。

 

私はベオグラード大学に交換留学生として在籍していたため、この「外国人向けのセルビア語講座」のクラスに参加することは無料となっていましたが、ベオグラード大学に在籍していない一般の人でも、半期500€(通年1,000€)の授業料を支払えば参加することができます

この授業料はセルビア語講座を開講している私立校よりも圧倒的に安い金額になっています。

そのため、クラスには正規留学生だけでなくセルビア人と結婚して移住してきた人や大使館職員として派遣されてきた人たちもいます。在セルビア日本大使館で外務省から派遣されてくる日本人職員も、まずはこの「外国人向けセルビア語講座」を受講していたりします。

 

言語学部主催のセルビア語サマースクール

言語学部主催のセルビア語サマースクール

私がベオグラード大学を留学する前は、日本でセルビア語の学習はまったくやっていませんでした。事前準備としては、セルビア語と同じスラヴ諸語であるロシア語を一年間だけ大学の講義で勉強したくらいです。

ロシア語でお馴染みのキリル文字(ДЦПなど)に慣れたことは大きな意味があったなとは思います。

ベオグラード大学の授業が開講するのは10月からであり、授業が正式に始まる前に少しだけ早くベオグラード入りして、セルビア生活に少し慣れておきたいなと思っていました。

 

すると、ベオグラード大学言語学部が毎年夏休みの期間を利用して、セルビア語が学べる3週間のサマースクールを開講していることを知りました。

言語学部のホームページ(こちら)の情報によれば、現在は7月上旬から下旬にかけて3週間のサマースクールが行われているようですが、私が参加した2011年当時は8月に開講されていました。

3週間のサマースクール(土・日は休校)は全部で15日間のプログラムが初心者向けに組まれており参加料金は300となります。支払い方法は、指定の銀行口座に振込となっていますが、セルビア現地に着いてからセルビア国内の銀行から料金を送金することも可能となっています。

 

このサマースクールは、午前中に1時間半~2時間ほどのセルビア語の授業が行われ、午後には野外授業としてニコラ・テスラ博物館を訪れたりしました。授業内容は、超初心者向けでこれまでに一度もセルビア語を触れたことがないという人向けとなっています。

理由は、参加者の中にはセルビア語を勉強しに来ている人だけでなく、ベオグラードに観光で訪れている観光客で、一味違う観光にしたいという思いから午前中を使ってセルビア語の授業に参加している人もいたからです。

このサマースクールに参加して良かったことは、セルビア語の基本的な文法知識を勉強できた点です。

また、外国語教育機構が出版する初心者向けセルビア語教材(題名「Reč po reči-Srpski jezik za strance」)を1,500ディナール(1,500円ほど)で購入して、授業が終わった後に自己学習して先に進めていました。

 

反対に、この3週間のサマースクールの内容で授業料300の価値があるかというと・・・正直言って割に合わないなという印象です。

もしセルビア語を学習できうrサマースクールに参加するのであれば、セルビア北部にある第二の都市ノヴィサドのノヴィサド大学でほぼ同時期に開講している3週間のセルビア語サマースクール(詳細はこちら)に参加することをオススメします。

こちらは授業料+教材費+宿泊費+食費で810となっていますが、優れた環境でみっちりと詰まった授業を受けることができます。

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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