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日本国内に保有する金融資産をオランダで納税申告していますか?

日本国内に保有する金融資産をオランダで納税申告していますか?

タイトルを見て、ギクッとしたオランダ在住の方は絶対にこの記事を読んで下さい。

 

先日、ドイツ在住の認定ファイナンシャル・アドバイザー山片氏が、海外在住で日本国内に収入源があったり預貯金口座を保有する日本人にとって興味深い記事をシェアしてくれました。

 

シェアしてくれた内容を簡単にまとめると、以下のようになります。

「100以上の国・地域で導入される海外居住者(非居住者)の口座情報の報告基準(CRSCommon Reporting Standard[共通報告基準])の取り決めに従って、当該国に居住していない外国人の銀行口座残高などの情報データがこの「共通報告基準」を適用している国々の税務当局で共有される

 

この共通報告基準によって、具体的にどのようなことが起きると思いますか?

それは、これまでに納税申告してこなかった国外に保有する隠し財産や収入がバレて、居住している国の法律に則って罰則を受ける可能性が大いに高まったことになります。

このことは、オランダに居住する日本人在住者も含まれていますので、要注目の話です。

 

詳細な内容を以下で見てみましょう。

 

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CRS(共通報告基準)の概要

CRS(共通報告基準)の概要このCRSCommon Reporting Standard(共通報告基準)は、2014年2月13日に国際機構のOECD(経済協力開発機構)が、政府間で銀行口座情報を自動的に交換するための新たな国際基準の創設を模索するために草案されたものです。

当時の共通報告基準の草案によれば、「金融機関は口座名義人の納税地を特定するための情報を入手し、これを現地の税務当局に報告しなければならない」とされています(こちら参照)。

この交通報告基準の考えは、米国の税法であるFATCAForeign Account Tax Compliance Act=外国口座税務コンプライアンス法) :「米国の納税義務のある人間が、米国国外の金融機関の口座を利用して米国の税金を逃れることを防止する役割」と類似したものになっています(こちら参照)。

こちらのFATCAは米国と他諸国との取り決めですが、共通報告基準は適用している100以上の国・地域と世界的な範囲へと拡大されている取り決めとなっています。

 

このCRS=共通報告基準の詳細な説明は、冒頭のリンク記事で詳しく説明されていますが、重要な点を以下に抜粋します。

2017年から100以上の国・地域で導入される海外居住者(非居住者)の口座情報の報告基準である。

  • 口座保有者の氏名
  • 住所
  • 納税者番号
  • 口座残高
  • 利子・配当等
 

の年間受取総額等の情報がそれに当たり、当該国の金融機関はその国に居住していない外国人のそれらの情報を一定の様式に沿って管理し、定期的にその国の税務当局に報告する

報告された情報は各国の税務当局の間で自動的に交換されることになる。

※下線部は執筆者の強調部分

※「2017年からCRS(共通報告基準)施行 あなたの海外口座が各国の税務当局の間で自動的に交換される」/玉利 将彦著(アクセス日:2017/12/06)

冒頭で述べたように、保有してる銀行口座の残高や利子・配当の収入などの情報がCRSを適用している国々の税務当局の間で自動的に交換されます。

 

では、例えばオランダと日本はこのCRSを適用している国なのでしょうか?

もし適用していなければ、隠し財産や隠し収入を持っていてもバレない可能性はありますよね。

CRS(共通報告基準)の適用を始める国は2017年と2018年に分かれており、それぞれ以下の通りとなっている。

2017年度のCRS適用国(2016年分以降の情報を報告)

アングィラ、アルゼンチン、バルバドス、バミューダ諸島、ベルギー、英領ヴァージン諸島、ブルガリア、ケイマン諸島、コロンビア、クロアチア、キュラソー島、キプロス、チェコ、デンマーク、ドミニカ、エストニア、フェロー諸島、フィンランド、フランス、ドイツ、ジブラルタル、ギリシャ、グリーンランド、ガーンジー、ハンガリー、アイスランド、インド、アイルランド、マン島、イタリア、ジャージー島、韓国、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、メキシコ、モンセラト島、オランダ、ニウエ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サンマリノ、セイシェル、スロバキア共和国、スロヴェニア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、トリニダード・トバゴ、タークス・カイコス諸島、英国の55の国・地域

2018年度のCRS適用国(2017年分以降の情報を報告)

アルバニア、アンドラ、アンチグアバーブーダ、アルーバ、オーストラリア、オーストリア、バハマ、バーレーン、ベリーズ、ブラジル、ブルネイ・ダルサラーム、カナダ、チリ、中国、クック諸島、コスタリカ、ガーナ、グレナダ、香港、インドネシア、イスラエル、日本、クウェート、レバノン、マーシャル諸島、マカオ、マレーシア、モーリシャス、モナコ、ナウル、ニュージーランド、パナマ、カタール、ロシア、セントキッツ・ネイビス連邦、サモア、セントルシア、セントヴィンセント・グレナディーン、サウジアラビア、シンガポール、シント・マールテン、スイス、トルコ、アラブ首長国連邦、ウルグアイ、バヌアツの46の国・地域

赤字は執筆者の強調部分

※「2017年からCRS(共通報告基準)施行 あなたの海外口座が各国の税務当局の間で自動的に交換される」/玉利 将彦著(アクセス日:2017/12/06)

 

上記の抜粋で強調されている赤字の国を見てお分かりかと思いますが、オランダは2017年度から、日本は2018年度からCRSが適用される国となっています。つまり、この記事を読んでいるオランダ在住の日本人の方で、日本国内に預金口座などの金融資産を保持している場合や日本国内に収入がある場合は、以下のことを注意してください。

「日本税務局は2017年分以降の日本国内に保有するあなた名義の銀行口座残高や収入などといった情報データをCRS適用諸国内で共有し、CRS適用国であるオランダ税務局は2018年度よりあなたの情報を自動的に受け取ることになります。」

 

2018年度以降の状況を例え話を交えて解説してみましょう。

Aさんは昨年に日本からオランダへ移住しました。Aさんはオランダに移住したものの、日本国内に金融資産として三井住友銀行に1,000万円の預貯金を保有したままでした。

オランダには、オランダ国内外に一定の預貯金を超える金融資産を保持する者に対して課税される仕組み(預貯金課税)があり、Aさんは納税申告時に日本国内に保有する預貯金を申告する義務がありました。

しかしながら、Aさんは「オランダ税務局が遠く離れた日本国内の金融資産を調べるほどの権限もないだろうし、申告しなくてもバレるわけがないだろう」と思い、納税申告時に日本国内の1,000万円の預貯金を申告しませんでした。

しかしながら、「共通報告基準」を適用している日本とオランダは両国の税務当局を通じて、Aさんの日本国内の金融資産に関する情報データを共有していました。

そして、オランダ税務局はAさんが本来保有している金融資産を納税申告しない、つまり虚偽の申告を行って故意に脱税しようとしていた事実を掴んだことから、Aさんには多額の罰金を徴収する決定を下しました。

ある日、Aさんが住む住所にオランダ税務局からの例の青色の封筒が届き、封筒を開けてみると、とんでもない金額が記載された手紙が入ってました。

 

この話が現実にあなたのもとで起きる可能性が大いにあると思いませんか?

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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