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デルフトで偽警察官に遭遇!詐欺被害に遭わないように要注意!

デルフトで偽警察官に遭遇!詐欺に遭わないように要注意!

日本から友人がオランダを観光で訪れていることもあり、オランダの古い街並みが見ることができる観光地デルフトへ行ってきました。

デルフトは有名なオランダ人画家フェルメールの生まれ故郷であり、彼の著名な作品「デルフトの眺望」(ハーグにあるマウリッツハイス美術館に展示)が描かれた街としても有名です。また、デルフトブルー(デルフト焼)と呼ばれる世界的に有名な陶器の生産地であることから、日本人観光客がよく訪れる街でもあります。

 

実は、この友人とデルフトの街中を観光している時に、人生で初めて偽警察官による詐欺未遂事件に遭遇しました!

偽警察官による詐欺事件とは、警察官になりすました人物が急に近づいてきて、偽警察官のIDカードやバッジを見せるなどして相手を動揺させ、パスポートや身分証明となるクレジットカードを提示させて個人情報を強引に抜き出したり、何かしら罪をでっち上げて罰金を徴収したりしようとする主に観光客を狙った事件です。

こうした偽警察官による詐欺事件は、観光客の多いイタリア各都市やパリ、ロンドンなどで多発しているという話は耳にしたことがありますが、年間に訪れる観光客がそれほど多くない街デルフトで起きるとは、まったく想像もしませんでした。首都のアムステルダムならまだしも。

 

最終的には、この偽警察官による詐欺事件で被害を受けることはありませんでしたが、今後オランダの各観光都市を訪れる日本人観光客で被害に遭う方もいるかもしれません。

今回の記事では、注意喚起の意図も含めて、偽警察官に遭遇した一部始終をまとめてみます。

 

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すべては「写真を撮ってくれないか?」から始まる

デルフトの象徴であり、観光名所でもある新教会

デルフトの象徴であり、観光名所でもある新教会 ※執筆者が撮影

デルフトの街中を友人と観光していた当日は、オランダの冬では珍しく快晴で、良い天気に恵まれたことから、私はデルフト市内の観光を案内しながら写真撮影を行っていまいた。

これまでに何度かデルフト市内を散策したことはあったものの、毎度のように曇り空や雨が降ったりと天気が悪いこともあり、満足のいく写真を撮れていませんでした。そのため、私はここぞとばかりにデルフト市内の写真をたくさん撮影していました。

 

デルフトの象徴ともなっている新教会(Nieuwe Kerk)や17世紀ごろに建造された美しいルネサンス様式の市庁舎、そして多数のカフェやお土産屋さんが連なっている中心広場で友人と写真を撮影し、デルフトブルー屋の店頭前で友人にデルフトブルーとは何なのかを説明していると、一人の男が近づいていきました。

この男は手にデジタルカメラを持ち、「写真を撮ってくれないか」と話しかけてきました。

私は「いいよ」と伝え、どこで写真を撮って欲しいのか尋ねると「フェルメールセンター」のすぐ隣で撮ってほしいと言ってきました。

新教会のすぐ近くにある「フェルメール・センター」の右隣付近の建物(住所:Voldersgracht 25/26)は、フェルメールが誕生した家があった場所と言われています。現在はアンティーク屋さんとなっているために、当時の面影などは残っていませんが、フェルメールの足跡を辿る目的の人が写真撮影するために訪れていたりします。

 

そこへ向かっている最中に、イタリア出身だと話す男がどこ出身なのか尋ねてきたため、日本出身だと答えると「NAKATAAA!!」と叫んできました。大抵のイタリア人男性に日本出身だと伝えると、イタリアサッカーリーグでかつて活躍していた中田英寿や中村俊輔などの名前が上がりますよね。

一緒に歩いて話していると、フェルメールが誕生した家があったなぜか過ぎていき、てっきり彼がここで写真を撮りたいのだろうと思っていた私は「ここじゃないの?」と尋ねると、「もう少し先のところで写真を撮りたいんだ」と言ってきました。

こうした予期せぬ彼の意図から、「何か怪しいな」という思いが頭の中に浮かび始めました。

 

そして、通りの右側を流れる運河の反対側にある家またはお店の裏側を背景にして、このイタリア人と名乗る男の希望通りに写真を撮ってカメラを返却しました。

すると、ポケットから急に財布を取り出して「そういえば、この付近に両替所あるか知ってるか?」と意味するようなことを尋ねてきました。厳密には、”Do you know the department of money here?”などと聞いてきたので、まったく意味が分かりませんでした。

財布を取り出したこの男は、なぜかお金を取り出そうとし始めたときに、通りに突っ立ていた2人の男がゆっくりと近づいてきました。

その瞬間に、「何か怪しいな」という思いが「これはヤバイものに巻き込まれたな」という確信へと変わりました。

 

警察官だと主張する2人の男

デルフトの市庁舎

デルフトの市庁舎 ※執筆者が撮影

近づいてきた2人の男は、ポケットから取り出した黒い手帳を開いて、警察官のIDカードらしきものを見せながら「オランダ警察だ」と英語で言ってきました。

 

そして、二言目には「パスポートを見せろ」と言ってきました。

この時点で、「これがいわゆる偽警察官というやつだ!」と思った私は、友人にパスポートは絶対に見せてはいけないことを伝えて、「何が起きているんですか?」「なんでパスポートを見せなきゃいけないんですか?」と尋ねました。

それでも、「パスポートを見せろ」としか言ってこない偽警察官2人に対して、写真撮影を頼んできた男は動揺した様子を見せつつ「私は何もやっていない!」と言いながらパスポートらしきものを偽警察官に手渡しました。

 

この警察官と名乗る2人の男は、オランダ警察が着用する制服ではなく一般的な私服を着用し、話す英語の訛りやたどたどしさからオランダ人ではないことが明らかであることから、私は偽警察官であることが分かりきっていました。

「とりあえず近くの警察署に行こう」と提案しても、依然として「パスポートを見せろ」と言い続けてくる偽警察官。

事態がまったく進展しないし、途中で付き合うのも面倒くさいと思った私は、友人に「行こう」と伝えて、偽警察官に何も言わずに無視して、その場を歩きながら離れました。

 

最初は追いかけてくるのかなと思っていましたが、後ろを振り向くと2人の偽警察官と仲間であろうイタリア人と名乗る男は諦めて、別の方向へ一緒に歩いていく後ろ姿がありました。

 

オランダ警察も偽警察官による詐欺事件を注意喚起している

オランダ警察の公式サイト。「アムステルダムの偽警察官に要注意」

オランダ警察の公式サイト。「アムステルダムの偽警察官に要注意」(詳細はこちら

上述した偽警察官の詐欺未遂事件では、偽警察官に遭遇したものの何も被害に遭いませんでしたが、こうした偽警察官による詐欺事件がオランダで起きているのか検索してみました。

すると、オランダ警察の公式サイトでは英文で「アムステルダムの偽警察官に要注意」というページが用意されていました。

記載されている注意喚起は、以下の通りになります。

 

時々、アムステルダムを訪れる観光客に近付いて、警察官だと名乗る詐欺師がいます。こうした偽警察官の詐欺師たちは、偽札の捜査をするふりをして、現金やクレジットカードを盗んだりします。

偽警察官による詐欺事件の常套手段は?

詐欺師たちは、多くの場合は3人のグループで詐欺事件を行います。まず一人目の詐欺師がターゲットにした観光客に近づき、道案内などの悪意のないようなことを尋ねてきます。すると、2人の人物が突如として現れて、警察官だと名乗り、カバンの中を捜査しようとしてきます。大抵の場合は、偽札の捜査のふりをします。そして、これら2人の偽警察官が捜査している間に、カバンの中から現金やクレジットカードを盗む行為を行います。

どうやって偽警察官だと認識できるのか?

詐欺師たちは私服を着用している場合が多いものの、中には制服を着用している者もいます。また、ときどき詐欺師たちは警察官の偽物IDカードを見せてきます。しかしながら、オランダ警察が観光客に偽札の捜査で声をかけたりすることは基本的にありません。もし、どのような状況が起きているのか分からなかったり、不審に感じた場合は、オランダ警察のフリーダイヤル「112」に電話をかけてください。

※執筆者が翻訳
出典:politie.nl

 

私が遭遇した偽警察官の詐欺師は、パスポートの提示だけで財布やカバンなどは言及してきませんでしたが、パスポートを見せた後に上記でオランダ警察が注意喚起したように財布を出せと言われていたかもしれません。

このオランダ警察の公式ページでは、アムステルダムについてのみ言及していますが、アムステルダムはオランダで年間を通じて圧倒的に多くの外国人観光客が訪れる場所であるため、詐欺師の事件が他都市よりも多く発展しているからだと思います。

しかしながら、デルフトという観光客がそれほど多くない街でもこうした詐欺師集団がいるんだなと改めて思わさせられました。

 

詐欺師のターゲットは、英語力・危機意識が低いアジア人?

「オランダで偽警官から詐欺被害、中国人観光客で多発」のニュース

「オランダで偽警察官から詐欺被害、中国人観光客で多発」のニュース 出典:focus-asia.com(リンク切れ)

日本語で「オランダ 偽警察官」と検索してみると、2013年6月8日のニュースがヒットしました。

このニュースによれば、オランダを訪れる中国人観光客で偽警察官による詐欺事件に遭遇するケースがあり、被害に遭う中国人観光客が多いことを在オランダ中国大使館は憂慮していたようです。

 

また、トラベロコのサイトでも日本人男性が私と同じようなケースで、偽警察官による詐欺未遂事件に遭遇した体験談を共有していました。

アムステルダム国立美術館前に来たとき、とある南米系の方に写真を撮ってくださいと頼まれました。写真を撮ろうとすると、ここではないから別の場所へということで、すぐ脇にある庭園に移動しました。写真を撮ろうとすると、次に地図を広げて、アムステルダム中央駅に行くにはどうやって行くのかと聞いてきます。そうするうちに怪しい人が割って入ってきて、警官だ、パスポートと財布を出せと言ってきました。これは典型的なニセ警官の詐欺なので、私は怒鳴ってその場を離れました。最初の一人とニセ警官は一緒になって歩いて去っていきました。このような場合は相手にせず、無視してその場を立ち去ってください。パスポートを見せたり、財布を見せたりするうちに金やパスポートを盗られますのでご注意!

出典:トラベロコ(アクセス日:2018年2月17日)

 

オランダではこうした偽警察官による詐欺事件に遭遇する日本人観光客はあまり多くないのかもしれませんが、こうした警察官を名乗る詐欺師たちによって被害に遭う日本人観光客はヨーロッパの至るところで起きています。

一般的に、アジア系の観光客は他地域のそれに比べて、英会話力&危機意識が低いと詐欺師集団から思われています。そのため、アジア系の観光客を狙う詐欺師集団は多いはずです。

英会話力がすぐに向上することはありませんが、常に危機意識を持つことや事前にどのような犯罪は多発しているのかなどの情報を収集するだけでも被害に遭う可能性を大きく下げることができるはずです。

 

偽警察官に遭遇した時の対処方法

「国際法の父」と呼ばれるフーゴー・グロティウスの銅像。彼もまたデルフト出身。

「国際法の父」と呼ばれるフーゴー・グロティウスの銅像。彼もまたデルフト出身。 ※執筆者が撮影

旅行中にこうした予期せぬ出来事が起きても、まず動揺することなく落ちつくことが重要です。

そもそも、旅行中に警察官から急に話しかけられることなど起きることはまずないでしょうし、理由を明示しないでパスポートなどを見せるように言ってくることは絶対にありません。

「パスポート(または財布)を見せろ」「捜査するためにバッグを見せろ」と言われても、なにがなんでも断固として拒否しましょう。

渡したら、お終いです。

 

本当に警察官なのか偽警察官なのか分からない場合には、携帯電話で地元警察に電話して確認しましょう!(オランダでは「112」)

または、警察署に行くことを要求しましょう。こうした対応で動揺したり、警察署に行くことを拒否したら、ほぼ間違いなく偽警察官です。

こうした場合は、近くの人に助けを求めたり、人が見当たらない場合はすぐにその場を離れて人通りの多い場所に逃げましょう!

 

オランダ各都市だけでなく、ヨーロッパの旅行中にはスリやひったくりだけでなく、こうした偽警察官の詐欺師による事件にも注意しましょう!

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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