KOTARO JOURNAL

デン・ハーグの歴史を学べるデン・ハーグ歴史博物館

以前に書いた記事にて、オランダ政治中心都市であるデン・ハーグで政治機構を見学できるツアーに参加してオランダの政治文化に触れることをオススメしました。

 

今回の記事では、オランダ政治中心都市デン・ハーグの成り立ちから現在に至るまでの歴史が簡単に学べるデン・ハーグ歴史博物館の紹介をしたいと思います。

紹介していく前に留意点として、同博物館を訪れる前にデン・ハーグ中心地を歩いて街並みをある程度見ておくと、同博物館で展示されているデン・ハーグの昔の街並みを描いた絵画と照らし合わせることが出来ると思います。

 

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デン・ハーグ歴史博物館の内容

1階の中世の街並みが描かれた絵画を紹介する展示場

1階の中世の街並みが描かれた絵画を紹介する展示場

デン・ハーグ歴史博物館の構造は3階建てとなっており、1階と3階は常設展示場・2階は企画展示場という構成となっています。

1階の常設展示場は、デン・ハーグが街として機能し始める中世からドイツ・ナチ軍によって侵略される第二次世界大戦までの歴史を紹介しています。

3階の常設展示場は、第二次世界大戦により荒廃したデン・ハーグの街並みが復興されていく時代背景と現在の国際色豊かな街へと変化した現在を紹介しています。

 

「オランダ黄金時代の顔」展示会広告

「オランダ黄金時代の顔」展示会広告 出典:haagshistorischmuseum.nl

2階の企画展示場は、2017年4月9日(日)まで「オランダ黄金時代の顔」としてデン・ハーグ出身の画家によるオランダ王家や政治家、市の安全を守る治安防衛団に所属した人々の肖像画が展示されていました。

今後の企画は、2017年4月29日~9月3日まで「貧者と富者/富者と貧者」、2017年9月21日~2018年1月28日まで「デン・ハーグ裁判所で給仕したアフリカ系召使い」が予定されています。

 

3階構造の博物館と述べましたが、実際の敷地面積は大きくはないために2階の企画展示場も観覧することも含めて1時間強くらいで観て廻ることができると思います。そのため、隣のマウリッツハイス美術館のように広い博物館ではないため、簡単に観て廻れることができます。

 

以下では、簡単に展示内容を紹介しようと思いますが、個人的に興味深い展示内容だと思った1階展示内容のみを写真とともにお話しします。

それ以外の展示内容は、訪れた際のお楽しみに取っといて下さい!

 

デン・ハーグの「過去」と「現在」

1575年時のデン・ハーグの地図

1575年時のデン・ハーグの地図

前章でお話ししたように、1階展示場の会場(No.1No.2)ではデン・ハーグの昔の街並みが描かれた絵画が展示されています。

ということで、「過去」の絵画と「現在」の写真(筆者撮影)を以下で見比べてみましょう。

 

マウリッツハイス美術館やビネンホフの隣にあるホフ湖(Hofvijver)の眺望

【過去の様子】

マウリッツハイス美術館やビネンホフの隣にあるホフ池(Hofvijver)の眺望

16世紀中頃の様子 左側に見える建物群は現在のマウリッツハイス美術館やビネンホフがある場所

 

【現在の様子】

マウリッツハイス美術館やビネンホフの隣にあるホフ池(Hofvijver)の眺望

現在の眺望 左側にマウリッツハイス美術館やビネンホフの建物があります

 

16世紀の中頃に描かれた様子と同じ地点から撮影することは出来ませんでしたが、当時の様子と風景と建物はあまり変わらないように見えます。

博物館の説明によれば、当時のホフ湖周辺は富裕者や政治エリート達にお気に入りのスポットだったようで、絵画で描かれている民衆も身なりが良い人たちです。現在は観光客を始め、多くの現地人がベンチに座りながらのんびりしている光景が見られます。

マウリッツハイス美術館やビネンホフの隣にあるホフ池(Hofvijver)の眺望

18世紀中頃の様子

 

マウリッツハイス美術館やビネンホフの隣にあるホフ湖(Hofvijver)の眺望

【過去の様子】

ビネンホフの中心「騎士の館」

17世紀中頃の様子

【現在の様子】

ビネンホフの中心「騎士の館」

現在の様子

「騎士の館」は政治機構が集まるビネンホフの中心に位置し、オランダ国王(または女王)による国会の開会式宣言が行われたり、王室による公式行事が開催される会場となる場所になります(詳細は、こちらで解説しています)。

しかしながら、17世紀中頃の当時は行政による賭博場であったり、本が売買される会場として使われていたりしていたようです。

「過去」と「現在」を見比べてみると、多少の違いは見受けられるものの全体的な建物の構造はほぼ同じです。つまり、この「騎士の館」は昔からの形が保存された歴史的に価値のある建物ということになります。

 

デン・ハーグの街の歴史的変遷が分かるプロジェクター短編動画

前章同様に1階展示場の会場(No.1)には、デン・ハーグの街の歴史的変遷が分かるプロジェクター短編動画が設置されています。

この短編動画は、デン・ハーグが街として発展していく様子と人口の増加が分かりやすくまとめられていて、非常に分かりやすかったです。

 

①紀元前4000年時は、デン・ハーグの街は完全に海に覆われていました。

紀元前4000年前のデン・ハーグ

紀元前4000年前のデン・ハーグ

 

②西暦1300年時には、小規模な「街」が出現し始めました。当時の人口は約1,200人。

西暦1300年時のデン・ハーグ

西暦1300年時のデン・ハーグ

 

③スペインに対抗した80年戦争中である西暦1620年時には、約15,000人の人口を誇る街となる。

西暦1620年時のデン・ハーグ

西暦1620年時のデン・ハーグ

 

④西暦1933年時には、街中心部は現在の形に整備され、人口も現在とさほど変わらない47万人を誇る大都市へと成長。

西暦1933年時のデン・ハーグ

西暦1933年時のデン・ハーグ

 

⑤現代のデン・ハーグの様子。第二次世界大戦後の復興期に街全体が東西南北関係なく大きく拡大していることが分かる。

西暦2013年時のデン・ハーグ

西暦2013年時のデン・ハーグ

 

こうした戦後復興期のデン・ハーグが大都市へと拡大したことと、現在のように国際色豊かな街になったことは関連しています。

戦後のデン・ハーグを紹介している3階の展示会場には、以下のように記載されていました。

大量の移民が東インド(現在のインドネシア)からデン・ハーグへやって来た。様々な工場や会社、オランダ政府は新しい居住者の富をデン・ハーグへと引き寄せることに成功した。多くの工場は十分な労働者を見つけることに苦労し、労働力を見つけるために海外へ目を広げたのである。トルコやモロッコからの移民も単純労働や重労働を行う労働力として導入された。それ以外にも、イタリアやスペイン、ポルトガル、ギリシャ、チュニジア、旧ユーゴスラヴィア諸国からの移民も労働力として補われた。オランダ国民はこうした「移民労働者」は数年間オランダで過ごした後に、母国へと戻ると思っていた。しかしながら、多くの者はデン・ハーグを生涯の家と決めて、自身の家族も母国から呼び寄せた。ヒンドゥー教徒や中国人、近年では世界各国からの難民の到来で、デン・ハーグはさらに国際色豊かな街へと成長したのである。

※太文字は筆者の強調部分

つまり、現在のデン・ハーグが国際色豊かな街へと急成長を遂げたのは、戦後以降のこの約70年間という短い間に起きたことになります。

 

まとめ

デン・ハーグ南部から描写された1631年時のデン・ハーグ

デン・ハーグ南部から描写された1631年時のデン・ハーグの街並み

 

デン・ハーグ歴史博物館の魅力と見所を簡単に紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

同博物館はデン・ハーグ中心地に位置しており、マウリッツハイス美術館やビネンホフのすぐ隣にあるので、観光で訪れた際にふらっと寄ってみて、デン・ハーグの歴史を簡単に振り返ることができます。

また、ミュージアムカード保持者は入場無料ですので、オランダ在住日本人で同カード保持者は一度は訪れてみる価値はあります。

※ミュージアムカードの詳細は、以下の記事で紹介しています。

 

是非訪れてみて、デン・ハーグの歴史を学んでみてください!新たなデン・ハーグの魅力に気付くかもしれませんよ!

 

デン・ハーグ歴史博物館の詳細
公式サイト:https://www.haagshistorischmuseum.nl/about-the-museum(英語表記あり)
住所:Korte Vijverberg 7, 2513 AB, the Hague, the Netherlands.
※有名なマウリッツハイス美術館からすぐ近くに位置します。

営業日・時間:火~金曜日(10~17時)、土・日曜日(12~17時)、月曜日は休館
入場料金:大人:10ユーロ、子供(6~17歳):2.75ユーロ、ミュージアムカード保持者:無料

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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