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オランダの盗難自転車事情と自転車を盗難から守る対策方法

オランダ 自転車

オランダの総人口約1,700万人(参照:オランダ統計局)よりも国内にある自転車台数の方が多いと言われるオランダでは、多くの人が通勤・通学に自転車を利用しているだけでなく、観光客の多くもレンタル自転車で観光している光景が良く見られます。

オランダ国土交通省が2009年に作成した資料「Cycling in the Netherlands」によれば、国民一人当たりが保有する自転車台数は1.11になります(予測自転車台数:約1,900万台弱)。
※自転車台数が人口数よりも多い要因は、個人が所有する自転車が1台ではなく複数台(サイクリング用や2~3人で乗車できる家族用自転車等)の場合が多々あるためです。

 

このように自転車文化が生活に根付き、また自転車専用レーンが整備された自転車大国として有名なオランダですが、残念ながら自転車が盗難被害に遭うことが非常に多いと言われています。そのため、多くのオランダ人は自転車の盗難被害もオランダ自転車文化の一部であり、盗難被害にあったら「仕方がない」という心象を抱いているそうです。

しかしながら、せっかく購入した自転車、とりわけ新品の自転車を盗まれたくないですよね?先日、オランダ在住外国人向け総合情報サイト”IamExpat“にて、How not to get your bike stolen in the Netherlands“(『オランダで自転車を盗まれないようにする方法』)という記事が拝読し、個人的に非常に参考になると同時にオランダ在住日本人の皆さんにも有益な情報だと思い、こちらの記事をまとめたいと思います。
IamExpat管理会社には許可を頂いています。

その前に、オランダにおける自転車盗難事情についてお話ししようと思います。

 

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オランダにおける自転車の盗難被害の実態

オランダ統計局の報告書によれば、2015年にオランダ警察に被害届が提出された自転車盗難被害件数は、636,308件(約64万件)に上ります(欧州で一番多い)。しかしながら、この数字はオランダ警察に被害届が提出された件数のため、実際に起きた盗難件数ではありません

オランダ統計局によれば、実際に自転車盗難にあった被害者のうち約30%のみが警察に被害届を提出していると述べています。そのため、実際の自転車盗難被害件数は、212万台に上る可能性があります。この数字から算出するならば、1日当たり約5,800台、オランダ国民の約8人に1人が盗難に遭っていることを意味しています。

 

参考までに、2015年の日本の盗難被害件数を見てみます。警察庁の統計データによれば、2015年に警察庁が認知した(被害の届出等によりその発生を確認した)自転車被害件数は、26万になります(参照元『平成26年, 平成27年の犯罪情勢』)。日本でもオランダ同様に自転車盗難被害に遭っても、被害届を提出していない人も多いと思うため、実際の盗難件数はそれ以上になると思われます。

自転車大国オランダとは言えど、国内の自転車保有台数は圧倒的に日本の方が多いです。日本国内の自転車保有台数は約7,200万台(2013年)であり、オランダ国内の自転車保有台数は日本の4分の1にも達していません。それにかかわらず、(警察に被害届が提出された)自転車の盗難被害件数は日本の約2.4倍になります。

また、近年オランダでは電動自転車が非常に人気であると同時に、一台の単価が高額なため(新車平均価格が約1,000€)、盗難被害に遭いやすい傾向にあります。オランダ自転車保険会社ENRAによれば、2015年に約25,000台の電動自転車が盗難に遭っていると推測しています。そして、これらの盗難された電動自転車はオランダ国内ではなく、海外で売買されているケースが多いようです。

 

上述した自転車盗難件数や日蘭比較から、どれほど頻繁にオランダで自転車が盗難に遭っているか、お分かりになってもらえたと思います。そして、以前にオランダに住まわれていた方や現在お住いの日本人在住者の中にも、自転車盗難被害に遭われた方が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

 

オランダ警察の自転車盗難対策

年々上昇する自転車盗難事件を受けて、オランダ警察は盗難者取り締まりに向けて、2013年より画期的な手法を導入しました。それが、GPS発信機が取り付けられた「おとり自転車」です。

オランダ警察は、300台の「おとり自転車」を頻繁に盗難事件が起きる場所に設置しました。そして、設置された場所から「おとり自転車」が動くと、取り付けられたGPS発信機が作動する形になります。

この手法は非常に効果的で、「おとり自転車」が導入された2013年は逮捕者数が290人だったのに対し、2014年は490人、2015年954と年々逮捕者数が増加しています。しかしながら、こうした逮捕者数は自転車盗難被害数に比べると雀の涙ほどで、より多くの「おとり自転車」を導入する必要性があると関係者は述べています。

また、前章で述べたように電動自転車が盗難被害に遭いやすい傾向にあるため、オランダ警察は昨年末より、「おとり電動自転車」を昨年末より導入し始めています。

 

自転車を盗難から守る対策方法

以下に、自転車を盗難から守る対策方法を簡潔にまとめていきます。詳細に関しては、私が参照した記事How not to get your bike stolen in the Netherlandsでご確認ください。
※以下に記載する画像はすべて、筆者が撮影した参考画像になります。

 

自転車購入時の注意点

  • 新品の自転車を購入する場合

Fietsenregister.nlにて、購入場所もしくは自身にて自転車登録すること。登録費用は無料。登録ページはこちら

  • 中古の自転車を購入する場合

中古の自転車が盗難車である場合もあるため、こちらのページにて自転車に付けられているシリアルナンバーを入力すれば、中古の自転車が盗難車かどうか確認することが出来ます。もし盗難車を購入していた場合、この自転車が警察によって押収されてしまうので要注意です。

  • 高い鍵を購入する

安い鍵(10€)であると器具を使えば簡単に取り外すことが出来てしまう。そのため、高い鍵(30~40€)の頑丈なチェーンロックやU字型ロックを購入すること。また、異なるタイプの2つの鍵を取り付けることが推奨されている。盗難する輩の多くが、特定のタイプの鍵を取り外すことに秀でている場合があるため。

  • GPS発信機を自転車に隠して取り付けておく

GPS発信機を取り付けておけば、自転車が盗難被害に遭ってもレーダーで場所を特定し、警察を通じて取り戻すことが容易になります。

 

自転車駐車する場所の注意点

  • 「駐車禁止」の標識がある近くには駐車しないこと

「駐車禁止」の標識がある近くに駐車すると、市が撤去する可能性が非常に高く、罰金を支払う必要が生じてしまうため要注意です。

  • 警備員がいる駐輪場や人通りが多い場所に駐輪すること

大都市の場合、駅に付随した駐輪場には警備員が立っている場合が多いです。また、人通りが多い場所、例えば多くの店が連なる大通り沿い等の駐輪スペースを利用しましょう。

デンハーグ中心部大通り沿いの駐輪スペース

デンハーグ中心部大通り沿いの駐輪スペース

無料で警備された駐輪スペースの標識

無料で警備された駐輪スペースの標識

 

 

鍵のかけ方

  • 自転車専用ラックを利用する

街中の自転車用ラックにチェーンロックを回して、自転車を施錠しましょう。

自転車専用ラック

自転車専用ラック

自転車専用ラックを利用して施錠された自転車

自転車専用ラックを利用して施錠された自転車

 

  • 自転車専用ラックが無い場合

そうした場合は、近くに地面と接した頑丈な物体がないか確認してみよう。そうすれば、近くに木やポール、フェンスなどが見当たるかもしれません。その場合は、自転車専用ラック同様に、チェーンロックを物体に回して、自転車を施錠しましょう。

ポールにチェーンロックを回して、施錠する自転車

ポールにチェーンロックを回して、施錠する自転車

木にチェーンロックを回して、施錠する自転車

木にチェーンロックを回して、施錠する自転車

 

オランダに来た当初、上図のような光景を「みっともない」と思っていましたが、私自身も今では防犯上常に何かしらの頑丈な物体にチェーンロックを回して施錠するようになりました。

  • 施錠場所は前輪ではなく後輪または本体フレーム部分

現在乗っているマウンテンバイクを購入してから、自分でもメンテナンスを出来るように色々と解説動画を見ていて知ったのですが、自転車の構造上容易に前輪を取り外しが出来てしまいます。そのため、自転車専用ラックにチェーンロックを回して前輪に施錠しても、前輪を外してしまえば簡単に盗めてしまいます。こうした理由のため、施錠場所は前輪ではなく後輪または本体フレーム部分にしましょう。

  • 施錠場所は高い場所に

施錠場所を低くして、チェーンロックなどが地面と接してしまう場合、石や強固な器具などで叩くと破壊されてしまう可能性が高くなります。そのため、地面には接しないように高い場所に施錠するようにしましょう。

 

盗難被害に遭った自転車の多くが、実は自宅付近の近所である場合が多いです(自転車盗難被害全体のうち45%)。そのため、家の前の道端であったり、近所の近くに駐輪している方は用心してください。

私が居住している集合住宅には、1階部分に各部屋用の物置部屋があり、その一室に私は自転車を駐輪しています。私以外にも多くの住人も物置部屋に駐輪したり、もしくは部屋の前まで持っていく人もいます。

 

これから新たに自転車ライフを満喫しようと予定している方だけでなく、既に自転車ライフを送っている方にも参考になればと思います。

 

参考記事
Thomas Lundberg, How not to get your bike stolen in the Netherlands, IamExpat.
Kiri Scully, Top 10 neighbourhoods for bike theft in the Netherlands, IamExpat.
Netherlands: a land of plenty for bike thievesDutchNews.
Police to use decoys to track down stolen electric bikes, DutchNews.
Police decoy bikes prove a runaway success, DutchNews.
Veiligheidsmonitor 2015,  Central Bureau of Statistics.

 


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執筆者のプロフィール

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フリージャーナリスト&英語・セルビア語通訳者
ブログ運営者のプロフィール

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト

オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。

お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。

大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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