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セルビアの首都ベオグラードは「ニュー・ベルリン」?

セルビアの首都ベオグラードは「ニュー・ベルリン」?

皆さんは、「ニュー・ベルリン」(または「第2のベルリン」)というフレーズを聞いたことがありますか?

ベルリンと言えば、ドイツの首都であることは周知の事実ですが、西ヨーロッパの主要都市の中でも生活費(家賃も含めて)が非常に安く済み、朝まで営業するナイトクラブやバーが多数あることから若者が楽しめる都市であり、多くのアーティストが世界各地から集まって芸術活動を行っている都市としても有名です。

簡単に言うと、ベルリンは物価が安く、夜も楽しく遊べて、新進気鋭の人々が集まる「カッコイイ」街だということです。

実際に、日本人移住者の中でもベルリンが移住先として非常に人気が高まっているようで、ドイツ国家として個人事業主向けにフリーランスビザやアーティストビザを寛容に発給する仕組みが整っていることも影響しているのかと思います。

 

話は「ニュー・ベルリン」というフレーズに戻って、どういう意味なのか?

盛んにこのフレーズを取り上げている英語媒体メディア記事を読む限り、ドイツ首都のベルリンは家賃の値上げや観光業の急激な上昇などが影響して、もはや魅力的な「カッコイイ」街ではなくなってきてしまい、ベルリンに次ぐ「後継者」、つまり「ニュー・ベルリン」を探していく上で作られたフレーズのようです。

そして、光栄ある(?)「ニュー・ベルリン」としてよく選ばれているヨーロッパ諸都市には、ドイツ東部のライプツィヒ、ポーランド南部の古都クラクフ、ポーランドの首都ワルシャワ、リトアニアの首都ヴィリニュス、エストニアの首都タリンなどになります。

そうした中に、もう一つ今回の記事で注目したいのがセルビアの首都ベオグラード。セルビアの首都ベオグラードも「ニュー・ベルリン」として外国メディアに取り上げられて注目を浴びています。

例:Is Belgrade the New Berlin?, Vouge; Belgrade Bacchanalia: Sex, Drugs and Despair in the World’s Best New Berlin, Balkanist; Belgrade is not the new Berlin: what’s stopping Serbia’s capital from rising to the top?, The Calvert Journal; 36 Hours in Belgrade, The New York Times.

 

では、なぜベオグラードが「ニュー・ベルリン」と呼ばれているのでしょうか?

 

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ベオグラード=「ニュー・ベルリン」?

セルビアの首都ベオグラード

セルビアの首都ベオグラードは、かつての社会主義国家ユーゴスラヴィアの首都でした。1991年にユーゴスラヴィア社会主義共和国が崩壊して20年以上も経っているものの、社会主義国家の雰囲気を街の建物や雰囲気から現在も感じ取ることができます。

 

また、1999年の米軍を中心としたNATO空爆地跡が街中に残っていたり、国民の中にも1990年代の一連の旧ユーゴ紛争に対する民族感情が残っていたりするため、紛争の傷跡が見え隠れしています。

NATO空爆跡地として残る建物 

NATO空爆跡地として残る建物(2017年5月に筆者撮影)

両脇にプーチン露大統領とトランプ米国大統領を挟んで、「コソヴォはセルビアの領土」と書かれたストリートアート

両脇にプーチン露大統領とトランプ米国大統領を挟んで、「コソヴォはセルビアの領土」と書かれたストリートアート(2017年5月に筆者撮影)

 

ベオグラードはセルビアの首都と言えど、旧ユーゴ紛争による経済的ダメージが現在にまで残っており、西欧社会に比べると給料や家賃、物価は圧倒的に安いです。そのため、ベオグラードを訪れる観光客も安い旅費で美味しい酒や料理を楽しむことが出来るスポットとして以前より人気です。

また、ベオグラードはヨーロッパ屈指のナイトライフ・シティであり、街の中には数多くのナイトクラブがあり、朝まで酒に酔いながらダンスミュージックに狂う街としても有名です。

そうした物価の安さや充実したナイトライフは若者に特別魅力的であり、ドイツ政府観光局の責任者曰く、“ドイツ人観光客の目にはベオグラードが「ニュー・ベルリン」として映っている”というお墨付きまでなされていたりしています(こちら参照)。

 

別の視点から見る「ニュー・ベルリン」としてのベオグラード

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

私はこれまでベルリンを訪れたことがないために、残念ながらベルリンの街の雰囲気を比べることはできません。しかしながら、「ベルリン」という言葉を聞いて連想するのが「ストリートアート、グラフィティ、落書き」です。

1990年にベルリンの壁が崩壊して以降、ベルリンの壁にストリートアーティスト達が多彩なグラフィティを描き、現在にも残っていることは非常に有名な話です。また、ベルリンの至るところに様々なグラフィティが描かれていることから、「ストリートアートの宝庫」と呼ばれています。

この「ストリートアート」に注目してみると、ベオグラードも街の至るところに様々な芸術作品としてのグラフィティからフーリガンやネオナチによる落書きが見受けられます。

フーリガンの落書き

フーリガンの落書き

 

現地のセルビア人からして見れば「恥ずべき街の一部」と捉える傾向がありますが、私から見ればそれもベオグラードの街としての魅力的な一部のように見えます。

私は、このベオグラード市内の至るところで見受けられる「ストリートアート」も、ベオグラードが「ニュー・ベルリン」と呼ばれるに値する側面になるのではないかと考えています。

そこで、ベオグラードで見受けられる「ストリートアート」の一部を皆さんにお見せしましょう!

 

ベオグラードのストリートアート集

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

ベオグラードのストリートアート

 

最後の極めつきとして、フーリガンたちに「多彩なグラフィティ」で描かれた電車が未だに現役で走っています!(笑)

ベオグラードのストリートアート

 

ベオグラードのカフェバー”Berliner“の存在

ベオグラードのカフェバー"Berliner"の存在

ベオグラード中心地からサヴァ川沿いのブランコ橋付近、またはベオグラード・ウォーターフロント事業と呼ばれる都市再開発事業が行われている地区には、昔の家々が荒廃した状態で残されているものの、ヒップスターが好むお洒落なカフェやバーなどが営業していたりします。

この地区にカフェバー”Berliner“(「ベルリン人」)があり、夜になると多くの若者が集まって友人同士でお酒を飲みながら楽しむスポットとして人気を博しています。

カフェバー"Berliner"の店内のカウンタバー

カフェバー”Berliner”の店内のカウンタバー

 

このカフェバー”Berliner“では、ドイツビールだけでなく世界各国からの珍しい地元ビールやクラフトビールを豊富に置いてあります。典型的なヒップスターには堪らない場所ですね。

カフェバー"Berliner"の店内の様子

カフェバー”Berliner”の店内の様子。店内は非常に広く、多くの人がわいわいできる。

 

個人的には、このカフェバー”Berliner“の存在とこのカフェバーがある地区こそが、ベオグラードが「ニュー・ベルリン」と呼ばれるに最も相応しい若者が集まる場所であり、ナイトクラブへ行く前に友人達とわいわいできる「カッコイイ」場所なのではないかと思っています。

カフェバー”Berliner“の地図

 

まとめ

ベオグラードのストリートアート

私は現在オランダの政治都市ハーグに居住していることから、ベルリンまで比較的簡単に行くことが出来ます。そのため、ベオグラードを愛し何度も訪れてきた者として、ベルリンを訪れた時には、ベオグラードは果たして本当に「ニュー・ベルリン」なのかを肌身で感じたいと思っています。

もしベルリン在住やベルリンを訪れたことがある人は、是非「ニュー・ベルリン」と呼ばれるベオグラードを訪れてみて、肌身で感じてみて下さい!

最後に、ベオグラードの観光地としての新たな一面を日本人の多くの方に知ってもらいたいので、ソーシャルメディア等でシェアして貰えると嬉しい限りです!

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。

大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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