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ユーゴノスタルジーを味わえるカフェ「SFRJ」に行ってみた!

ユーゴノスタルジーを味わえるカフェ「SFRJ」に行ってみた!

先日セルビアの首都ベオグラードを訪れた際に、「ユーゴノスタルジーを味わえる」と、地元で有名なカフェSFRJ(ス・フ・ル・ユ)に行ってきました!

ユーゴノスタルジーとは、第二次世界大戦終結後から1991年までに存続していた旧ユーゴスラヴィア社会主義共和国連邦(以下、旧ユーゴ)への哀愁またはノスタルジーのことを指します。

旧ユーゴが崩壊してから現在に至るまでのセルビアはとりわけ政治・経済情勢が不安定であるため、1980年まで存命だったティトー終身大統領のもと黄金期を作った旧ユーゴ時代に思いを馳せるセルビア人は数多くいます

 

私は旧ユーゴが崩壊する時期に全く関係のない日本で生まれ育ったために、ユーゴノスタルジーなんて感じるわけがないと思われるでしょう。

しかしながら、大学時代に旧ユーゴ史を研究していたことや現在もセルビアを始めとする旧ユーゴ地域に強い関心を持っていることから、旧ユーゴ時代のセルビアを生きて、どんなものだったのかを実際に体感してみたかったと本当に思っています。

日本でもユーゴノスタルジーに対する需要があるためか、以下のようなマニアックな本まで出版されています。

 

このカフェSFRJを実際に訪れて思いましたが、このカフェは当時の良き古き旧ユーゴ時代を彷彿とさせてくれる内装に、ユーゴノスタルジーを持つ人に温もりを与えてくれるような素晴らしい雰囲気のあるカフェでした。

今回の記事では、ユーゴノスタルジーを感じさせてくれるカフェSFRJを紹介したいと思います!

 

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SFRJってどういう意味?

カフェSFRJの店構え

カフェSFRJの店構え

そもそもカフェ名となっているSFRJにピンと来ない方も多いのではないでしょうか?

SFRJとは、ユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国のことを現地語で指す際の略称となります。つまり、Socijalistička Federativna Republika Jugoslavijaの頭文字を取った略称です。

日本語でも、ユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国と正式名称で述べることは長いために、一般的にユーゴスラヴィアと省略したり、ユーゴと端的に使ったりする場合もあります。それと一緒で、現地語でも長いからSFRJと略称したりする場合があります。

 

カフェSFRJの店内

カフェSFRJの店内

店内に入ってみると、そこには旧ユーゴ時代に関連する国旗や写真、置物がところせましと飾られていました。まるで、社会主義時代にタイムスリップしたかのような錯覚を憶えてしまいます!

店内の雰囲気は、昔ながらのカフェ(現地では、こうした昔ながらのカフェをカファーナ*と呼ぶ)でここ2~3年以内にオープンしたカフェのようには全く見せません。おそらく、カフェのオーナーが旧ユーゴ時代をコンセプトに開業するために長年使われてきたテーブルやイスを集めたのでしょう。

※実際のカファーナ(Kafana)の定義は、日本の居酒屋のようにコーヒーやお茶を飲めるだけでなく、レストランのように料理を提供したり、お酒も飲める場所を指します。反対に、コーヒーやお茶だけを飲む場所はカフィチ(Kafić)と呼びます。

 

 

店内でユーゴノスタルジーを体感

店内のカウンターバー

店内のカウンターバー

私が訪れたのは昼過ぎの13時ごろで、店内には10名弱のお客さんたちがいました。そして、店内で勤務するウェイターは一人でした。

ウェイターは店内のお客さんの横に座ってタバコを吸いながら、談笑していました。こうした光景は、セルビアの小規模な昔ながらのカフェではよくあることで、特別仕事がないなどの暇なときは自由にしています。

また、西ヨーロッパ諸国ではありえないことですが、セルビアでは基本的にカフェやレストラン内での喫煙は禁止されていません。嫌煙家にとってはセルビアのカフェやレストランでゆっくりしたり、食事をとったりすることに嫌悪感を感じるかもしれません。

 

注文したトルコ・コーヒー

注文したトルコ・コーヒー

セルビアは14世紀末に当時のオスマン・トルコ帝国に敗れてから、19世紀後半に同帝国から完全に独立を果たすまでの約500年間に渡って支配されてきた歴史的背景があります。

この長年に渡る支配はセルビアの国民文化にも強い影響を与えて、セルビアにはトルコ・コーヒー文化が存在します。最近の若者はトルコ・コーヒーではなく、エスプレッソ系統を好む傾向にありますが、家庭内では頻繁にトルコ・コーヒーを飲みます。

しかしながら、セルビアではこのコーヒーを「トルコ・コーヒー(Turska kafa)」とは呼びません。正しくは、「自家製コーヒー(Domaća kafa)」と呼びます。例えば、ボスニア地域では「ボスニア・コーヒー(Bosanska kahva)」、または単純に「コーヒー」と呼びます。

私は「自家製コーヒー」を特別好きではないものの、セルビアに帰ると大抵は飲んでいます。このカフェSFRJでも、せっかくなので「自家製コーヒー」を一杯頂きました。値段は70ディナール(約70円)。

 

店内の壁一面に張られたティトー元帥の様々な写真

店内の壁一面に張られたティトー元帥の様々な写真

店内の壁には、第二次世界大戦中にパルチザン軍のリーダーとして率いて、ナチス・ドイツ軍に勇敢に戦い、旧ユーゴを建立し、1980年に亡くなるまで終身大統領として旧ユーゴを率いたティトー元帥(本名:ヨシプ・ブロズ)の様々な写真が飾られています。

旧ユーゴは1991年にスロヴェニアとクロアチア両国議会が独立を宣言して、旧ユーゴ中央政権側がそれらの独立を許さないために各地で紛争化(通称、ユーゴスラヴィア紛争)。

最終的に、旧ユーゴが解体となっていくプロセスを歩んでいくことなったものの、旧ユーゴ建立から長年に渡って民族問題などを引き起こしてこなかったのは、ティトー元帥のカリスマ性があったからとも言われています。

 

ティトー元帥のカリスマ性を象徴する出来事として、1980年にティトー元帥が死亡した際に行われた国葬には、数多くの旧ユーゴ市民が参列して皆が彼の死を嘆き悲しんでいました。また、この国葬には世界128ヵ国の代表者が参列しました。日本国代表として当時の大平首相も参列していました。

 

その他にも、旧ユーゴにまつわるもの、例えばティトー元帥の銅像や旧ユーゴ時代の地図、それぞれのテーブルには旧ユーゴに属していた各共和国の地図が彫り込まれているなどの工夫があります。

ティトー元帥の銅像

ティトー元帥の銅像

旧ユーゴ時代の地図

旧ユーゴ時代の地図

テーブルに彫り込まれたボスニア共和国の地図

テーブルに彫り込まれたボスニア共和国の地図

 

夜はオシャレなクラブに変貌!

カフェSFRJの夜の様子

カフェSFRJの夜の様子

私は昼間に訪れたので実際に体感していませんが、カフェSFRJは夜になると若者が集まるクラブへと変貌します。

店内では旧ユーゴ時代に大ヒットしていた曲が流れていたり、演奏家による生演奏を聴きながら明け方3時まで踊り狂うこともできる大人気の場所となっています。

旧ユーゴ時代の大ヒット曲というのは、以下のプレイリストで聴くことができます。

 

 

カフェSFRJの夜の様子カフェSFRJの夜の様子

カフェSFRJの夜の様子

昼頃にゆっくりと自家製コーヒーを飲みながら、ユーゴノスタルジーに浸るもよし!

夜に旧ユーゴ時代の大ヒット曲を聞きながら踊り狂って、ユーゴノスタルジーに浸るもよし!

これからベオグラードを訪れる予定の方は、旧ユーゴ時代がどんなものだったのかを味わうことのできる・ユーゴノスタルジーを感じられるカフェSFRJに足を運んでみてはいかがですか?

 

カフェSFRJの詳細
公式サイトhttps://www.facebook.com/kafanasfrj/?fref=ts
住所Kraljevića Marka 5, Belgrade, Serbia(中心地から徒歩10分)
営業時間:毎日AM8:00~AM3:00まで営業

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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