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オランダ最古の街マーストリヒトは、もはや「オランダ」の街じゃない?

先日、ベルギーとの国境沿いにあるオランダ最南端のマーストリヒト(オランダ語:Maastricht)を観光してきました。

私が居住するハーグから電車で片道約2時間半強という時間をかけて日帰りの弾丸ツアーでしたが、マースリヒトの美しい街並みと落ち着いた雰囲気に非常に魅了されました。

オランダ人の知人からも、マーストリヒトはオランダで最も美しい街だとオススメされていたので、是非とも行きたいなと思っていたものの、電車往復で約5時間かけて行くのも一苦労です。

しかしながら、その一苦労も吹き飛ばすかのような美しい光景を観るために行く価値は大いにありました。

 

このマーストリヒトの美しい街並みに魅了される以外に、マーストリヒトの街を眺めていると気付く点がありました。

それは、マーストリヒトが典型的なオランダ都市の街並みと大きく異なる点です。もはや、マーストリヒトは「オランダ」の街じゃないとまで思ってしまうほどでした。

今回は、マーストリヒトが「オランダ」の街じゃないと思ってしまった理由を紹介したいと思います。

まず始めに、簡単にマーストリヒトの概要と観光地としての魅力を紹介してみます。

 

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オランダ最古の街マーストリヒトの概要

オランダ最古の街マーストリヒトの概要

マーストリヒトはオランダで最も古い街と言われており*、マーストリヒトの街としての起源は紀元前50年にまで遡り、古代ローマ人がオランダで初めて居住した地区であると言われています。

マーストリヒトという街の名称も、街の中央を流れる「マース川(オランダ語:Maas)が通過する地点」(Trajectum ad Mosam)というラテン語からの由来とされていることからも、古代ローマ時代の影響を感じさせます。

※マーストリヒトがオランダで最も古い街かどうかは現在も議論されており、オランダでローマ帝国の都市権を最初に授与されたオランダ東部ナイメーヘン(オランダ語:Nijmegen)がオランダで最も古い街だと主張する研究者もいます。

マーストリヒトの中心を流れるマース川

マーストリヒトの中心を流れるマース川

 

実は、私はオランダに移住する前まで、マーストリヒトはベルギーの街だと思っていました。

なぜならば、ヨーロッパ連合の創設を定めたマーストリヒト条約は現代史において誰しもが聞いたことのある条約であり、ヨーロッパ連合の本部はベルギー首都ブリュッセルに設置されていることから、「マーストリヒト=ヨーロッパ連合の基礎=ベルギーの街」という連想を勝手にしていたからです。

 

また、マーストリヒトがベルギーやドイツから非常に近い立地であるだけでなく、授業の半分が英語で行われているマーストリヒト大学に通う学生(約2万人弱)のうち、約半数がオランダ国外出身ということも影響して、非常に国際色豊かな街であると感じました。

マーストリヒト市内のカフェ

マーストリヒト市内のカフェ

街中のカフェに立ち寄ってみると、ドイツ出身やイタリア出身の学生が勉強している光景を見かけました。

 

観光地としてのマーストリヒト

世界一美しいと言われる教会の跡地を利用した本屋

世界一美しいと言われる教会の跡地を利用した本屋

マーストリヒトには、世界一美しいと言われる本屋が存在しており、この本屋を訪れるためにマーストリヒトに来る観光客もいるみたいです。実際に、私も訪れてみましたが、店内の雰囲気だけでなく販売している書籍のコレクションも非常に興味深かったです。

今まで一度も見かけたことないような奇妙な書籍も置いてあったりと、書籍のコレクションを見ているだけでも非常に楽しめました。

 

今回の記事では、マーストリヒトの観光名所を詳しく紹介することが目的ではないため、Twitterのフォロワーさんでもある方が、マーストリヒトの観光名所をキレイにまとめています。以下の記事を参考にしてみて下さい。

 

以下から、マーストリヒトが「オランダ」の街じゃないと思う要素を説明していきます。

 

マーストリヒトの「オランダ」じゃない要素

マーストリヒト駅から歩いてすぐにある交差点

マーストリヒト駅から歩いてすぐにある交差点

上記の写真は、マーストリヒト駅から歩いてすぐの交差点です。この光景を見てすぐに、少し違和感を感じました

そして、マース川にかかる長い橋を渡った先のマーストリヒトの中心地を歩いていると、その違和感は徐々に強くなっていきました

 

読者の方にその違和感を感じてもらえるように、マーストリヒトと他のオランダ諸都市の街並みを撮影した写真を交互に張っていきます。

《マーストリヒト》

マーストリヒトの街並み

《アムステルダム》

アムステルダムの街並み

《マーストリヒト》

マーストリヒトの街並み

《ハーグ》

ハーグの街並み

《マーストリヒト》

マーストリヒトの街並み

《ユトレヒト》

ユトレヒトの街並み

 

お気づきになりましたか?

個人的な印象として、オランダ諸都市の住宅や建物のほとんどは焦げ茶色(サンプル)やベージュを基調としている場合が多い一方で、マーストリヒトのそれは白を基調としている場合が頻繁に見かけられました。

私は建築様式に明るくはないので、建築様式における違いを感じ取ることはできませんでした。しかしながら、建築様式に明るい妻曰く「マーストリヒトの建築様式は、まるでドイツを彷彿とさせる」と話しています。

 

 

地中海沿岸諸国を彷彿とさせるマーストリヒト

地中海沿岸諸国を彷彿とさせるマーストリヒト

また、白を基調とした建物からなるマーストリヒトの街並みは、どこか地中海沿岸諸国の文化を思い起こさせます

 

クロアチアの観光地スプリット

クロアチアの観光地スプリット

当日は非常に天気が良く、真夏日のような暑さだったことからカフェのテラス席で日光浴している人々の光景は、地中海沿岸のクロアチア観光地スプリットの記憶を呼び起こさせました。

 

 

マーストリヒトのカフェのテラス席

あるカフェのテラス席は、道路に挟まれた小さな広場に設置されていました。この光景に見覚えありませんか?そう、フランスの首都パリのカフェが街中に設置しているカフェに似ていませんか?

私はこれまでにパリを訪れたことがないため、映画からの印象から述べています。もしかしたら、実際のパリのカフェはこんなのではなかったら、ごめんなさい。

 

マーストリヒトのカフェで注文したコーヒーセット

マーストリヒトのカフェで注文したコーヒーセット

あるカフェでコーヒーセットを注文したところ、コーヒーの出され方もフランス式だったため、マーストリヒトのカフェにはフランス文化の影響を受けているところも多々ありそうです。

 

まとめ

オランダ各都市の観光客数の割合(2015年)※執筆者の加筆あり 出典:Trendrapport toerisme, recreatie en vrije tijd 2016, CBS.

オランダ各都市の観光客数の割合(2015年)※執筆者の加筆あり 出典:Trendrapport toerisme, recreatie en vrije tijd 2016, CBS.

実は、マーストリヒトはオランダ国内で4番目に観光客が多い都市(2015年時に約60万人弱)でもあります。しかしながら、全体の観光客数のうち外国人観光客数は約20万人と非常に少ない一方で、オランダ人観光客数が約40万人となっています。

そのため、全体の観光客数に占めるオランダ人観光客数の割合が最も高い大都市はマーストリヒト(約67%)であることが分かります。このことから、マーストリヒトは現地のオランダ人に大人気の観光都市であると言えますね。

 

この人気の理由は、もしかしたらマーストリヒトが「オランダ」の街じゃないことも影響しているのではないかと感じています。つまり、日ごろの「オランダ」の街並みとは異なるマーストリヒトで、「非日常的」な雰囲気を感じ取ることができるのではないでしょうか?

もちろん、あくまでも推測でしかありませんが、今後オランダ人の友人が増えてきたら、マーストリヒトにオランダ人が魅了される理由を聞いてみたいと思います。

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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