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【世界平和の象徴】デン・ハーグにある平和宮のガイドツアーは絶対に参加するべき!

デン・ハーグにある平和宮

オランダの首都はアムステルダムですが、デン・ハーグは国内政府機構の中心地としてだけでなく、様々な国際機関が立地していることでも有名です。多くの国際機関の中でも、国家間の争いを裁判によって解決する機関である国際司法裁判所(International Court of Justice、通称ICJ)がデン・ハーグにあることを多くの人がご存知かと思います。

そして、この国際司法裁判所は「平和宮(Peace Palace)」と呼ばれる巨大で荘厳な城の中に設置されています(上図参照)。この平和宮は世界平和の象徴的存在であるとともに、デン・ハーグの有名な観光名所でもあることから多くの観光客が毎日訪れていて、この平和宮を写真撮影している光景をよく見かけます。

この平和宮の前門部分には、観光客用に小さな博物館が設置してあり(入場無料)、平和宮が建設されるに至った経緯やこれまでに世界平和に寄与した歴史が紹介されています。多くの観光客は、この博物館で無料オーディオセットで解説を聴いて満足して立ち去っていますが、実はこの平和宮に実際に入って館内を廻るガイドツアーがあります。

私は事前にこのガイドツアーのチケットを事前に購入し、今日初めて平和宮の館内を廻ってきました。感想として、このガイドツアーを利用して平和宮の館内を廻ることを強くオススメします!オランダで最も価値のあるツアーだと思います。

今回はこの平和宮のガイドツアーの詳細と予約の仕方を皆さんに紹介したいと思います。その前に、簡単に平和宮の概要を説明してみます。

 

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平和宮って何?

この平和宮が建設されたのは1913年になります。つまり、100年以上の長い歴史がある建築物ということになりますね。この平和宮の建設費用は、アメリカの実業家アンドリュー・カーネギーによって出資されています。鉄鋼事業で巨大な富を得た彼は、その資産を自身に使うのではなく、慈善事業として世界各地の大学や図書館などの建設費用に多額の寄付をしています。平和宮はそのうちの1つとなります。

アンドリュー・カーネギー

アンドリュー・カーネギー

この平和宮が建設されるに至った経緯は、1899年に世界平和を構築するためにデン・ハーグで開かれた国際平和会議(ハーグ平和会議)で取り決められた、世界で初めての国際司法機関を設置するためでした。この機関は、国際紛争が起きた際に平和的方法で解決することを目的とした常設仲裁裁判所になります。そして、この常設仲裁裁判所の設置場所となる平和宮建設案に賛同した先述の実業家カーネギーが、多額の寄付金を寄贈したことにより建設が開始されました。

1913年に開かれた平和宮の当時の様子が分かる貴重な映像

 

現在、平和宮に設置されている機関および施設は5つになります。

  1. 常設仲裁裁判所
  2. 国際司法裁判所
  3. 図書館
  4. カーネギー財団
  5. 国際法アカデミー

3, 国際法専門書が数多く所蔵されている図書館は、カーネギーが慈善事業として最も関心があり建設したかった施設です。この図書館は、国際法に関して調査するために資料収集したいすべての人に開かれています(特設サイトはこちら)。

4, カーネギー財団は、平和宮を法的に所有する団体として当施設を管理しています。

5, 国際法アカデミーは、毎年夏に世界中の教授や研究者が集まってサマースクールを開講し、国際法の世界で将来活躍しようとする世界中の学生に教育指導を行っています(特設サイトはこちら)。

平和宮の簡単な説明はここまでにして、平和宮ガイドツアーの詳細をお話しします。

 

ガイドツアーの詳細

平和宮ガイドツアーは、年間を通して毎日行われているものではありません。1年間のうち司法機関が運営されておらず繁忙期でない週末の土日のみであり、日程が決まっていません。そのため、平和宮の公式サイトでガイドツアーが行われる予定日を確認する必要があります

ガイドツアーはガイドさんが約1時間をかけて解説を交えながら、主に3つの施設①常設仲裁裁判所→②国際司法裁判所→③日本の間という順番で巡る構成となっています。残念ながら、このガイドツアーには図書館や国際法アカデミーの会場などを見学することはできません。

実は平和宮の館内で写真を撮ろうと意気込んでいたのですが、残念ながら館内で写真撮影をすることは禁止されています。そのため、館内の詳細な様子は・・・ガイドツアーに参加した人だけの特権ということになります!

 

常設仲裁裁判所

常設仲裁裁判所の様子

常設仲裁裁判所の法廷内 出典:munlaws.com

常設仲裁裁判所は、前章にてお話ししたように世界で初めての国際司法機関です。上図の参考画像では分かりずらいかもしれませんが、非常にこじんまりとした法廷です。この部屋では実際に聴聞席に座ってガイドさんの解説を聞くことができます。

この司法機関が設立されてから100年以上の時が経っているものの、全く老朽を感じませんでした。反対に、隅々まで毎日管理が行き届いていて、非常に荘厳な法廷という印象を抱きます。

ガイドさん曰く、2017年3月現在に開かれている法廷は、アメリカの大手タバコ会社フィリップモーリス社とオーストラリア国間でのタバコ商品パッケージに関して法的な争いを裁いているそうです。

 

国際司法裁判所

国際司法裁判所の法廷内

国際司法裁判所の法廷内

国際司法裁判所は、第次世界大戦後に国際連合の成立とともに設立されたもので、個人間の問題ではなく国家間の紛争問題を取り扱う国際司法機関です。

日本も実際にこの国際司法裁判所に提訴されたことが2010年に一度あります。提訴国はオーストラリアであり、この時の紛争問題は南極海における捕鯨問題でした。最終的に日本は敗訴する形となりました。この問題で日本国内でも国際司法裁判所が話題になっていたと記憶しています。

ガイドツアーでは、裁判が行われる法廷1階部分ではなく2階の聴聞席のみしか立ち入ることが出来ませんでしたが、国際司法機関として頂点に位置する国際司法裁判所を間近で見てみると法廷の威厳さが伝わってきました。

 

日本の間

日本の間

日本の間 出典:forwardintolight.com

ガイドさんに「次は、Japanese Room(日本の間)に行くよ!」と言われて、初めて知った施設。この部屋では、常設仲裁裁判所に関する条約を批准している国々の代表者が会合を開いたりする場所となっているそうです。国々の代表者が座る座席には自国を象徴する紋章が縫われており、もちろん日本国の座席もあります。その紋章は・・・ガイドツアーに参加して探してみて下さい!

では、なぜ「日本の間」と呼ばれているのか。その理由は、日本政府からの贈り物として部屋の壁に4枚の西陣織の屏風が飾られているからです。この西陣織の屏風は、約5年間一日も休まずに約5万人弱の職人が昼夜を問わずに製作したものになります。

「日本の間」と呼ばれているものの、中国やトルコからの贈り物で装飾されている部屋でもあるために、必ずしも「日本の間」と呼ばなくてもいいのではないかと疑問に思ってしまいました。

 

館内の装飾品は世界各国からの贈り物

ガイドツアーでは上述した3つの施設以外にも、館内の至るところにある装飾品を解説してくれます。

そして、スタンドグラスや壺、絨毯、絵画、銅像から扉の材木に至るまで平和宮を彩る装飾品のすべては、1907年に行われた第2回ハーグ国際会議に参加した国々からの贈り物になります。先ほどの「日本の間」にある西陣織の屏風もその贈り物の一つとなります。

そのため、平和宮の建物だけでなく館内の装飾品までもが歴史的価値があり、世界平和を象徴するものになります。

 

ガイドツアーの予約方法

このガイドツアーは、平和宮のインフォメーションセンターでチケットを当日購入することはできません。事前に公式サイトからチケットを予約する必要があります。

 

平和宮公式サイトのガイドツアー予約ページ①

平和宮公式サイトのガイドツアー予約ページ① ページはこちら

①ガイドツアーで希望する言語として「オランダ語、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語」から選択できます。基本的にはオランダ語と英語でしかガイドツアーを行っていないようなので、オランダ語が分からない人は英語を選びましょう。

②次に参加人数を選択しますが、10歳以下の子供は入場無料になりますよ。大人一人当たりのチケット価格は、9.5ユーロになります。

上記を選択したら、「CHECK DATES」を入力してガイドツアー参加日を選択しましょう。

 

平和宮公式サイトのガイドツアー予約ページ②

平和宮公式サイトのガイドツアー予約ページ②

次のページに進むと、上図のようにガイドツアー開催日程と時間が表示されます(201728日現在)。もしガイドツアーが開催される予定がないと何も表示されません。

好きな日程と時間を選択して、次のページに進みましょう。画像を割愛しますが、個人情報を入力して支払い画面に進んでいきます。支払い方法は、マエストロ・マスターカード・VISAから選択できます。

支払いが完了すると、個人情報入力画面で入力したメールアドレスにEチケットが送られてきます。このEチケットは印刷する必要はなく、当日インフォメーションセンターの係員に画像を見せれば問題ありません。

 

ガイドツアー当日の留意点として、前述したように写真撮影は禁止されているためにカメラの持ち込みはできません。また、バッグや携帯電話の持ち込みも禁止されているため、地下1階の無料ロッカーに荷物をしまいましょう。また、開催予定時間に遅れると途中からツアーに参加できなくなるので、余裕を持って到着することをオススメします。

 

国際法や国際機関に興味がない人も、観光として世界平和の象徴である平和宮の館内を訪れることができるガイドツアーに参加して、オランダの歴史に触れてみること強くオススメします!

 

平和宮の詳細
公式サイト:https://www.vredespaleis.nl/
住所:Carnegieplein 2, 2517 KJ, the Hague, the Netherlands.

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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