KOTARO JOURNAL

【15年ぶりに開館】セルビア国立博物館でセルビアの歴史と文化、芸術に触れよう!

2018年6月18日、セルビアの歴史が再び動き始めました。

この日は、2003年から15年間にも渡って閉館されていたセルビア国立博物館が、長年に渡る改修工事を終えて、再び開館した歴史的な日でした。

私が2011/2012年にベオグラード大学に留学していた当時、なぜ国立博物館が長いこと閉館しているのか友人に聞くと、「まぁお金がないんでしょう」という回答を耳にしていたことが懐かしく感じます。

 

さて、2018年10月にベオグラードに一時帰国する機会があり、ようやくセルビア国立博物館を鑑賞することができました!

長年の改修工事のおかげか、館内は非常にキレイで、展示内容もうまくまとまっていて、とても楽しめる博物館です!

今回の記事では、15年の暗黒時代から”開放”されたセルビア国立博物館の魅力を写真とともにお伝えしたいと思います!

 

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セルビア国立博物館

2017年初頭時、まだ改修工事が行われているときのセルビア博物館

2017年初頭時、まだ改修工事が行われているときのセルビア国立博物館

セルビア国立博物館はベオグラードの中心地、共和国広場の目の前に建っている建物になります。国立博物館の道路向かい側にはセルビア国立劇場もあります。

共和国広場から見て目の前の扉は出口であり、入口はセルビア国立博物館の建物右側にある扉になります。少し気付きにくいかもしれませんので、ご注意ください。

 

セルビア博物館内の1階ロビーの様子

セルビア博物館内の1階ロビーの様子

2018年10月時には入館料大人が250ディナールですが、毎週日曜日は入館料が無料となっています。

そのため、長期間ベオグラードに滞在するならば、日曜日に行けば無料で入れます!

セルビア国立博物館は3階構造になっています。

  • 1階:先史時代のセルビア、硬貨やメダルの展示
  • 2階:中世時代のセルビア(主にセルビア正教会史)、18-19世紀のセルビア芸術
  • 3階:20世紀のユーゴスラヴィア芸術、14-20世紀のヨーロッパ芸術、企画展示場

 

1階部分(先史時代のセルビア、硬貨やメダルの展示)

先史時代のセルビア

先史時代のブースでは、人類誕生話から始まる優しさ

先史時代のブースでは、人類誕生話から始まる優しさ

セルビア国立博物館は、まず先史時代の展示から始まります。

そもそも、ベオグラードには先史時代を専門とする博物館などがないため(知っている限り)、人類の誕生から説明する優しい配慮を見受けられました。

 

セルビアのレペンスキー・ヴィル遺跡で発見された彫刻

セルビアのレペンスキー・ヴィル遺跡で発見された彫刻

この先史時代を扱う展示場では、かつてセルビア地域に存在していた文明、そしてその遺跡から発掘されたものがたくさん展示されてあります。

また、各発掘物や当時の文明などに関して詳細な説明(博物館全体で英語表記あり)がしっかりとなされています。

他にも2・3階と様々な展示場があるものの、セルビア国立博物館が最も力を入れている展示場はこの先史時代の展示だということがとても分かります。

 

紀元前8世紀後半から7世紀初頭に作られたとされる鍛冶屋の銅像

紀元前8世紀後半から7世紀初頭に作られたとされる鍛冶屋の銅像

私が訪れた曜日は日曜日だったため、小さな子供連れの家族が多く訪れており、子供達が楽しそうに発掘物を指さして「ママ、これは何?」「パパ、これは何を意味するの?」など色々と聞ききまくっている光景を目にしました。

確かに、セルビア人の子供たちにとってこれまでに見たことのないような先史時代の坪や彫刻、銅像といった発掘物を見るのは、とても面白いはずです。

私も先史時代のセルビア地域に直接目にしたりすることがなかったので、本当に面白い鑑賞時間を過ごせました。

 

金貨やメダルの展示

12世紀中頃のセルビア王国で使われていた硬貨

12世紀中頃のセルビア王国で使われていた硬貨

同じ1階部分には、かつてセルビアで使われていた硬貨やメダルの展示場もあります。

例えば、上記の硬貨はセルビア黄金時代と呼ばれるセルビア中世王国時代に使われていた硬貨になります。

直径2cmほどの硬貨ながら、とても繊細なデザインが施されています。

 

オスマン・トルコ帝国支配下のセルビア地域で使われていた硬貨

オスマン・トルコ帝国支配下のセルビア地域で使われていた硬貨

現在のセルビアはかつてオスマン・トルコ帝国に500年も支配されていた歴史があり、展示されている硬貨の中にはオスマン・トルコ帝国支配下で使われていた硬貨も展示されています。

セルビアでオスマン・トルコ帝国時代の硬貨を目にできるとは思ってもいなかったので、良いサプライズとなりました。

 

WW2まで存続したユーゴスラヴィア王国で使われていた紙幣(1931年発行)

WW2まで存続したユーゴスラヴィア王国で使われていた紙幣(1931年発行)

ユーゴスラヴィア王国時代に使われていたこの1000ディナール紙幣の美しいデザインに目を奪われました。

アール・デコのデザインに強い影響を受けていることが良く分かり、当時のユーゴスラヴィアにもアール・デコのムーブメントは伝わっていたのだなと感心しました。

 

2階部分(中世時代のセルビア、18-19世紀のセルビア芸術)

中世時代のセルビア

石碑に刻まれた古代教会スラヴ語の文字(11世紀初頭)

石碑に刻まれた古代教会スラヴ語の文字(11世紀初頭)

入口付近の階段から2階に上がって、まずは中世時代のセルビア展示場です。

中世時代と言っても、主にはセルビア正教会に関連する展示品が主となっています。

例えば、どの場所にセルビア正教会がかつて存在していたのか、セルビア正教会の僧侶はどのような生活をしていたのかなどなど。

 

セルビア正教会にまつわる展示物

セルビア正教会にまつわる展示物

おそらくセルビア正教会だけでなく、キリスト教全般に強い関心を持つ人は楽しめると思いますが、あまり関心のない人や知識のない人はあまり楽しめる展示場ではないかもしれません。

 

セルビア正教会にまつわる古書

セルビア正教会にまつわる古書

1階の先史時代とは違って、2階部分からは少し説明が雑になってきました。

というのも、各展示品に対する説明がしっかりとなされていないため、せっかくの歴史的に貴重な展示物も何なのかさっぱり分からない(2018年10月時点)。

後々に説明書きがもう少し増えればなぁと思います。そうすれば、外国人観光客もより楽しめる展示場となるはずです。

 

18-19世紀のセルビア芸術

展示場は広々とスペースがあるため、鑑賞しやすい

展示場は広々とスペースがあるため、鑑賞しやすい

ここから3階の展示場まではすべて芸術、特に絵画の展示場へと移り変わります。

 

セルビア人女性画家カタリーナ・イヴァノヴィッチの作品

セルビア人女性画家カタリーナ・イヴァノヴィッチの作品

私はそもそも芸術にそれほど関心を持たない人間だったため、オーストリア・ハンガリー帝国の影響を受けて芸術が開花した18-19世紀のセルビア芸術はほとんど知りませんでした。

しかし、この展示場を眺めてみると、この時代のセルビア画家は素晴らしい作品を残したことがよく伝わります。

上記の絵画には、えらく感動しました。

 

セルビア人画家パヴレ・パヤ・イヴァノヴィッチの作品

セルビア人画家パヴレ・パヤ・ヨヴァノヴィッチの作品

こちらの作品は、結婚式へ向かう花嫁の支度風景を描いています。こうしたオリエントな着飾りはセルビア文化では見受けられるものではないため、アルバニア家系の一風景になると思います。

写真では分かりづらいものの、この作品を近づいてみてみると、小さな飾り物に至るまで繊細に描かれており、当時の豊かなアルバニア文化を知ることができます。

 

セルビア人画家ウロシュ・プレディッチの作品

セルビア人画家ウロシュ・プレディッチの作品

母親の墓に横たわる孤児を描いたこの作品は、悲しさ・貧しさ・絶望が強く伝わってきます。

特に少年の表情を近くで見てみてください。遠くから見ては分からない少年の思いが、表情に表れています。

 

3階部分(20世紀のユーゴスラヴィア芸術、14-20世紀のヨーロッパ芸術)

20世紀のユーゴスラヴィア芸術

残念ながら、ここの展示場は飛ばします。

個人的に20世紀の作品はあまり好きになれないため、それほど細かく鑑賞はしていなかったためです。

 

14-20世紀のヨーロッパ芸術

パブロ・ピカソの作品

パブロ・ピカソの作品

最後となる展示場では、驚くことに世界的に著名な画家の作品が展示されています。

例えば、「ゲルニカ」で有名なパブロ・ピカソの作品。

それ以外にも、印象派画家のモネやルノアールの作品も展示されています。

クロード・モネの作品

クロード・モネの作品

ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品

ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品

これほど世界的に著名な画家の作品を貯蔵しながらも、15年間にも渡って閉館していたことは恥ずかしいことだと言わざるを得ません。

 

終わりに

上記の動画では、30年近くセルビアに在住する友人がセルビア国立博物館の歴史などを詳細に説明してくれています。

それだけでなく、動画なので館内の様子がどのようなものになっているのかも楽しめます。

 

ベオグラードに訪れた際には、ぜひセルビア国立博物館に足を運んで、セルビアの豊かな歴史や文化、芸術を知ってもらえれば嬉しいです!

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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