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「バルカン食文化の美しさをオランダ全土に広めたい」ーバルカン食料品スーパー「プリヤーテリ」(アムステルダム)

「バルカン食文化の美しさをオランダ全土に広めたい」ーバルカン食料品店プリヤーテリ in アムステルダム

オランダ首都アムステルダムの西側地区(アムステルダム中央駅から徒歩30分弱)には、「Prijatelji」(日本語:プリヤーテリ)という馴染みのない言葉がウィンドウに赤文字で大きく書かれたお店があります。

この店名「プリヤーテリ」を見て、「何のお店なんだろう?」と疑問に思いますよね?

この馴染みのない店名「プリヤーテリ」とは、セルビア語やクロアチア語などの南スラヴ語族で「友達」を意味します。この言葉の言語を知ると、何のお店なのか少し想像できるのではないでしょうか?

そう、この「プリヤーテリ」は、1991年まで存続していた旧ユーゴスラヴィア諸国(バルカン)産の食料品を輸入販売する珍しいお店なのです。

 

このバルカン食料品スーパー「プリヤーテリ」の存在を私が知ったのは、ハーグ在住の友人(セルビア系オランダ人)にオススメされたからです。この友人の話によれば、旧ユーゴスラヴィア出身の人々が祖国の味を求めて、オランダ全土から「プリヤーテリ」を訪れるという話でした。

旧ユーゴスラヴィア諸国の一つであるセルビアが第二の故郷である私は、”祖国の味”を見つけることができるバルカン食料品スーパー「プリヤーテリ」に先日行ってきました!嬉しいことに、私が訪れる当日には「プリヤーテリ」オーナーが店内を案内してくれることになりましたので、案内と同時に独占インタビューも行いました!

そこで今回は、バルカン食料品スーパー「プリヤーテリ」オーナーに伺った「プリヤーテリ」の魅力を記事として書いて、バルカンに馴染みのない日本人の皆さんに「バルカン食文化の美しさ」を少しでも知ってもらえたらなと思います。

 

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「バルカン食文化の美しさをオランダ全土に広めたい」

バルカン食料品店「プリヤーテリ」のオーナー:ヤ―プ

バルカン食料品店「プリヤーテリ」のオーナー:ヤ―プ

ヤープ
みなさん初めまして、バルカン食料品店「プリヤーテリ」にようこそ!バルカンに馴染みのない人にも、バルカン食文化の魅力を伝えられるように色々と紹介していくよ!

 

まずは、バルカン食料品店「プリヤーテリ」を開業しようと思った背景はなんですか?

ヤ―プ
このバルカン食料品スーパー「プリヤーテリ」を開業したのは、3年前の2014年に遡るんだ。「プリヤーテリ」を開業する上で、旧ユーゴスラヴィア出身の人物との出会いが大きな影響を与えている。その人物は、ボスニア出身でモンテネグロ人のジェリコ*だ。ジェリコは「プリヤーテリ」の共同オーナーであり、僕と一緒に力を合わせてオープンさせたんだ。彼の存在なくして、「プリヤーテリ」開業そして経営はありえないんだ。

※取材当時、ジェリコは夏期休暇で故郷へ帰っていたために直接会うことがありませんでした。

ジェリコは近くの喫茶店「フレンズ」を経営していて、僕がこの喫茶店を訪れた時に出会ったんだ。僕とジェリコは客と店員という関係だったけれども、数回会っただけで仲良くなって互いに打ち解けるようになった。

ある日のこと、「フレンズ」で私がいつものようにエスプレッソを飲んでいると、ジェリコは「クレイジーな話があるんだ」と言ってきた。ジェリコは続けて「バルカン食料品を販売するオンラインショッピングを開業させようと思うんだけど、どう思う?」と言ってきたんだ。最初聞いた時はジェリコが言う通り、クレイジーな話だと思ったよ!(笑)

けれども、当時の僕はバルカン伝統料理やワインなどのバルカン食文化に惹かれていて、バルカン食文化の美しさをアムステルダムの街、そしてオランダ全土に広めたいと思っていたんだ。だから、このクレイジーな話は絶好のチャンスだと思ったから、2人で挑戦することに決めたんだ。

その後、僕たちはオンラインショップ開業に必要な初期費用や予想損益を計算したところ、上手く経営して軌道に乗せることが非常に難しいと分かった。その一方で、オンラインショップとしてではなく、店舗を持った形で開業すれば採算が取れるだろうと思ったから、現在のように店舗型のバルカン食料品スーパーで開業したんだ。

 

ヤープ、あなたはオランダ生まれのオランダ人でバルカンとは直接繋がりがありませんよね?そもそもバルカン文化や食文化に魅了されていったのはなぜですか?

ヤ―プ
そう、僕はオランダ生まれのオランダ人で、共同オーナーでバルカン出身のジェリコのようにバルカンとは直接的な繋がりはないよ。そうした僕がバルカン文化やバルカン食文化に魅了されていった理由は、2つ挙げられる。

まず一つ目の理由は、オランダでは見かけられないバルカン特有の暖かいホスピタリティとの出会いだ。

さっきも話したように、ジェリコとは彼が経営する喫茶店「フレンズ」で出会ったんだけれども、僕が2~3回訪れてエスプレッソを注文しただけで、ジェリコは注文したいもの(エスプレッソ)や僕の名前、顔まですべて覚えてくれていた。そして、客と店員という関係にもかかわらず、たった数回だけ話しただけで気軽に話せるような仲になったんだ。ジェリコが持っていたバルカン特有の暖かいホスピタリティに魅了されて、バルカン文化に興味を持ち始めたんだ。

二つ目は、ジェリコが2011年にオープンさせた地中海料理レストラン「Foodism」で初めて味わったバルカン食文化の美しさだ。

実は、レストラン「Foodism」開業に向けて僕もジェリコの手助けをしたんだ。「Foodism」では地中海料理がメインとなっているけれども、バルカン料理も提供されている。そして、「Foodism」でチェバプチチ(細長い肉だんご)などのバルカン料理を、初めて味わった時に感じた衝撃的な美味しさが忘れられなかった。このことがきっかけで、バルカン食文化に夢中になったんだ。そして、多くのオランダ人にとって未知なバルカン食文化の美味しさをレストランだけでなく、別の方法でもオランダ全体に広められないだろうかと考えるようになったんだ。その考えは、ジェリコが以前から持っていた考えなんだ。

その後、僕たちはバルカン食料品スーパー「プリヤーテリ」の開業準備を進めている時に、まだ知らなかったバルカン産の食料品やワインなどをたくさん試した。そして、僕はバルカン食文化の美しさにさらに魅了されていったよ。

 

バルカン地域を実際に訪れたことはありますか?

ヤープ
実は、まだ一度もバルカンを訪れたことがないんだ。仕事が忙しすぎて、ずっと夏期休暇を延期してしまっているからね。でも、バルカン地域を実際に訪れたいと思っている。その理由は、バルカン文化や食文化に魅了されているだけではないんだ。

実は、僕の両親はハネムーンで当時存続していた旧ユーゴスラヴィアを訪れていたんだ。だから、僕は「両親は旧ユーゴスラヴィアで僕を妊娠し、その後に僕はオランダで誕生した」と想像しているんだ!このように考えないと、僕がこれほどバルカンに夢中になっている理由が説明できないよ!(笑)

 

店内のオススメ商品を紹介!

「プリヤーテリ」店内の陳列棚に隙間なく並べられた商品の数々

「プリヤーテリ」店内の陳列棚に隙間なく並べられた商品の数々

店内を見回してみるとたくさんの商品が陳列されているけれども、どういった食料品を販売していますか?

ヤープ
現在、店内には600~700品目の商品を在庫していると思う。通常であれば、1100品目くらいの商品を在庫しているんだけれども、輸入時期の関連で今の時期は在庫が少なくなってしまうんだ。ただ、夏過ぎから冬にかけてはたくさんの商品を入荷することができるから、一番売り上げが良いクリスマスの時期には最大の在庫を保持できるはずだよ。

商品の原産国はスロヴェニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニア計6ヶ国の旧ユーゴスラヴィア諸国たちだ。特に、店内に置いてある商品の主な種類は、バルカン諸国民の間でよく親しまれているものが中心だよ。例えば、アイヴァルやジャム、冷凍された肉料理、ビールやワイン、伝統酒ラキヤなどのお酒、お菓子などだね。

商品を入荷したら、Facebookの公式ページにて情報を随時更新しているから、そこで確認してほしい。

 

バルカン食文化に馴染みのない人に是非試してもらいたいものは何ですか?

ヤープ
それは全部!と言いたいところだけど、絶対に外せないものを挙げてみるよ!

 

アイヴァル

アイヴァル

まずはアイヴァル。アイヴァルは赤パプリカをスパイスや塩と一緒に煮込んで作ったペースト状の保存食で、バルカン諸国の国民食となっているんだ。最近ではオランダ人の間でも、知名度が挙がってきている人気沸騰中のものだよ。基本的には肉料理のトッピングとして使われているけれども、サンドウィッチやパンに塗って食べることにも非常に適している。オランダ人はよくサンドウィッチを食べるから、オランダで大流行すると信じているよ!

 

チェバプチチ

チェバプチチ

次はチェバプチチ。チェバプチチはアイヴァル同様にバルカン諸国の国民食として多くの人に親しまれている。「プリヤーテリ」でも、様々な地域の冷凍チェバプチチを販売していて、どれも美味しい!これは、バルカン料理の中でも絶対に外せない伝統料理だよ。オランダ人の間でも、夏のバーべーキューで振舞う肉料理として買う人が増えてきたよ。

 

「ナダリーナ」チョコレート。画像はチョコレートできたレコード盤!(笑)

「ナダリーナ」チョコレート。画像はチョコレートできたレコード盤!(笑)本当に再生ができます。

あとは、クロアチアの避暑地スプリットに本店のあるチョコレート「ナダリーナ」。クロアチアで一番有名なチョコレートで、日本人の間でも非常に大人気なんだ。現地のお店には、日本語で書かれた看板も飾られている。おそらく、日本人の間で最も有名な旧ユーゴスラヴィア産のお菓子なんじゃないかな?プリヤーテリでも大人気商品のため、入荷するとすぐに売り切れてしまうんだ。だから、残念ながら今は品切れ状態。これも入荷次第すぐにFacebook上で情報を提供するよ!

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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