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【国会開会の儀式】オランダ国王による黄金馬車パレードに参加してみた!

【国会開会の儀式】オランダ国王による黄金馬車パレードに参加してみた!

毎年9月の第3火曜日は、オランダ政治都市であるハーグで重要な日となっています。

なぜならば、オランダ国会の開会宣言がオランダ国王(または女王)によって行われる日だからです。

この日はオランダ語で「王子の日(Prinsjesdag)」と呼ばれており、オランダ政府機構が位置する集合体ビネンホフの中心に位置する「騎士の館(Ridderzaal)」に集まった政府関係者の前で、オランダ国王が国会の開会式宣言を行います。

この伝統的儀式の内部には一般のオランダ市民が立ち入ることはできませんが、オランダ市民が毎年この日を楽しみにしている理由があります。

それは、国会の開会式宣言が行われる前にオランダ国王が乗車した黄金馬車によるパレードがハーグ中心地で行われるからです。

 

今回の記事では、このオランダ国王による国会の開会宣言が行われる「王子の日」に、オランダ王家によるパレードがどのように行われていたのかを当日撮影した写真とともに皆さんにご紹介します!

 

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国会の開会宣言日「王子の日」の起源を探る

なぜ「王子の日」と呼ばれているのか?

写真冒頭でも述べたように、オランダ国王による国会の開会宣言が行われる毎年9月の第3火曜日は「王子の日」と呼ばれています。

しかしながら、国会の開会宣言が行われる日なのにもかかわらず「王子の日」という名称に違和感を感じませんか?

まるで、王子の誕生日を祝福する祭日のような名称ですよね。けれども、現在のオランダ国王の誕生日を祝う「国王の日」は別の日に用意されています(「国王の日」:4月27日)。

 

実は、「王子の日」は18世紀ごろにオランダでも最も人気だった祭日のひとつであり、もともとはオラニエ公ウィレム5世王子の誕生日(3月8日)を祝福する祭日の名称でした。

18世紀後半にフランス軍に支配された現在のオランダでは、この「王子の日」がオランダ王家への忠誠を誓う活動に使われ始めました。そして、この歴史的背景を尊重して、オランダ国会の開会宣言が行われる日を「王子の日」と定めるようになったとされています。

 

なぜ毎年9月の第3火曜日が「王子の日」?

次に、なぜ国会の開会宣言が行われる「王子の日」は毎年9月の第3火曜日となっているのでしょうか?

 

現在のように、オランダ国王(または女王)によって国会の開会宣言が儀式として行われるようになったのは19世紀前半にまで遡ります。

初めて国会の開会宣言が行われた日は11月の第1月曜日でした。その後は10月の第3月曜日に変更されていきます。つまり、国会の開会宣言が始まった当時は現在の日付と異なっていたことになります。

では、どのようにして現在のように9月の第3火曜日に定まるようになったのでしょうか?

 

まずは、月。

当初は11月で、後に10月と変更されていますが、現在は9月です。

変更の契機は、現在のオランダ王国憲法の基となっている1848年憲法が起草された時に、年間の国家予算を国会で討論する時間が足りなくなってしまいました。そのため、国会の開会宣言を1ヵ月前倒しする=10月→9月に変更することにより、その問題が解決されたことで9月に国会の開会宣言が行われるようになりました。

 

次に、曜日。

当初は月曜日でしたが、現在は火曜日です。

変更の契機は非常に単純で、日曜日に移動したくないからです。ハーグから遠く離れた場所に居住していた国会議員たちは月曜日の国会の開会宣言に参列するためには、休日である日曜日に出発しなければなりませんでした。こうした事情を考慮して月曜日→火曜日に変更となりました。

こうした背景から、現在のように毎年9月の第3火曜日が国会の開会宣言日「王子の日」と定められるようになりました。そして、この伝統は1887年から続いているものになります。

 

パレードが始まる前から高まる熱狂

パレードが始まる前から高まる熱狂

人気スポットの並木道に設置された有料席でパレードを待ち構えるオランダ市民 ※執筆者が撮影(2017年時)

さて、話はオランダ王家による黄金馬車パレードに戻ります。

このオランダ王家による黄金馬車パレードは、オランダ王家全般の業務が行われる「ノールドアインデ宮殿(Noordeinde Palace)」 から、国会開会宣言が行われる「騎士の館(Ridderzaal)」までの道のりを約15分間という短い時間で行われます。

パレードが始まる時間は午後1時ごろでしたが、パレード前の街の雰囲気を見てみようと思い、私は開始2時間前の11時ごろにハーグ中心部へ向かいました。

すると、パレード開始前から街中にはすでに熱狂が高まっていました。

 

パレード出発地点の「ノールドアインデ宮殿」

パレード出発地点の「ノールドアインデ宮殿」

パレード出発地点の「ノールドアインデ宮殿」 ※執筆者が撮影(2017年時)

パレード出発地点の「ノールドアインデ宮殿」に行ってみると、パレード開始2時間前だというのにもかかわらず、すでにたくさんの人が場所取りのために待っていました。

また、待っている人たちの多くはオランダ国家を代表するオレンジ色の帽子や飾り物、オランダ国旗を身に着けていました。「オランダ国内がオレンジ色に染まる」と言われているオランダ国王の誕生日「国王の日」ほどではないものの、こうしたオレンジ色の着飾りから「お祭り」気分のようなものを市民から感じますね。

 

パレードに参列する「小さな」市民

ゴール地点「騎士の館」に近い中心部にはより多くの人々が集まる

ゴール地点「騎士の館」に近い中心部にはより多くの人々が集まる ※執筆者が撮影(2017年時)

だまし絵で有名なエッシャー美術館前の並木道の先にある道路はパレードのため朝から完全に交通が遮断されていましたが、こちらはゴール地点に近いということもあり、たくさんの人が駆け付けていました。

この付近には多くの子供たちが親などの保護者とともに沿道でワイワイしながら待っていました。

子供たちが自作した「王子の日」を祝福するフラッグ

子供たちが自作した「王子の日」を祝福するフラッグ ※執筆者が撮影(2017年時)

沿道で待っていた子供たちの中には、家または学校で自作したと思われる「王子の日」を祝福するフラッグを持ってきて、鉄柵にくくりつけているグループも数多く見られました。

国会の開会を宣言する「王子の日」は儀式的に政治色の強い行事であるはずですが、お年寄りだけでなく小さな子供たちまでもがオランダ王家のパレードを楽しみに待っている光景は新鮮に移ります。

 

ビネンホフに接する有名なホフ池にかかるオランダ国旗

ビネンホフに接する有名なホフ池にかかるオランダ国旗

ビネンホフに接する有名なホフ池にかかるオランダ国旗 ※執筆者が撮影(2017年時)

オランダ政府機構が集中するビネンホフに接して、観光写真撮影のスポットとしても大人気なホフ池には、通常であればオランダ国内の行政区12州の旗とハーグ市の旗の計13種類の旗が掲げられています。

しかしながら、「王子の日」にはこれら13種類の旗がすべてオランダ国旗へと様変わりして、今までとは異なる美しい光景を見ることができました。ハーグ市全体でも「王子の日」を盛り上げようとする意気込みを感じますね。

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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