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ベルギービールの最高峰ロシュフォール3種類を飲み比べてみた【レビューあり】

ベルギービールの最高峰ロシュフォール3種類を飲み比べてみた【レビューあり】

今回の記事では、ベルギービールの最高峰と称されるロシュフォール”Rochefort“3種類の飲み比べを行い、それぞれ3種類のロシュフォール6番、8番、10番のレビューをしたいと思います。

 

ビールの辛口評論サイト”Ratebeer“(映画評論サイト”Rottentomatos“並みに辛口)が作成する「ベルギービールBEST50」によれば、ロシュフォール10番は現実的に市場で入手可能なベルギービールのなかで第1位*に輝く銘酒であり(こちら参照)、多くのビール愛好家から愛される存在です。

※上記のランキングでロシュフォール10番は実際には2位ですが、1位”Westvleteren 12 (XII) “は市場に出回っておらず、製造する修道院が不定期に販売する際に現地で直接購入しなければならないために現実的に購入することは非常に難しいとされています。

 

 また、私のTwitterのフォロワーさんからロシュフォールに関する興味深いエピソードを教えて頂きました。

このエピソードから、ベルギー国民の生活とベルギービール文化が深く結びついていること、そしてロシュフォールがある意味で”特別な存在”であることが分かりますね。

 

それ以外にも、ロシュフォールがベルギービールの中でも”特別な存在”である背景があります。

 

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トラピスト会の修道院が製造

トラピスト・ビール

トラピスト・ビール 出典:http://www.brusselslife.be/en

ロシュフォールは、約1,000種類の銘柄があると言われるベルギービールの中でも特別な存在です。

なぜならば、ロシュフォールを製造しているのはハイネケンなどの企業ではなく修道院の修道士たちであり、その中でもカトリック系のトラピスト会に加盟している修道院が製造しています。このトラピスト会修道院は世界に171あるとされ、そのうち11ヵ所のみでビールの製造がされています。ベルギー国内では、6ヵ所のトラピスト会修道院がビールを製造しており、ロシュフォールはそのうちの一つになります*。これらのビールを総称して、トラピスト・ビールど呼ばれています。

※日本国内でも人気のシメイ”Chimay“もトラピスト会修道院が製造するベルギービールの一つになります。

 

トラピストビールのロゴが入ったラベル

トラピストビールのロゴが入ったラベル

そして、これらトラピスト会修道院が製造するビールには、独自のロゴ”Authentic Trappist Productがラベルに付与することが認められており、いわゆる「高級ブランド」のような存在感を漂わせています。

修道院の敷地内で修道士がビールを製造している光景なんて考えられますか?私は初めて聞いた時は驚きました。しかしながら、このように修道院がビールを製造し始めた背景には、中世ヨーロッパの水事情が関係しています

中世ヨーロッパでは飲料水として水を確保することが非常に困難であり、その代替飲料としてビールの製造が開始され、現在のビール文化に発展してきたとされています。

ベルギー隣国のオランダでも、飲料水として飲むことができる水を確保することが非常に難しかったため、ビールを日常の飲料水として飲む習慣があったという話を聞いたことがあります。そうした歴史的背景は、現代のオランダ・ベルギー国民の生活がビール文化と深く結びついていることに影響しているのかもしれませんね。

 

ロシュフォール3種類の王冠

ロシュフォール3種類の王冠

また、ロシュフォールを製造するサン・レミ修道院は、ベルギー国内でビール製造を行うトラピスト会修道院の中でも最も古い伝統を持っています。なぜならば、トラピストビールとして製造が開始されたのは1595からであり、このビール製造の伝統が400(!)も続いていることになるからです。

そして、ビール製造を行うトラピスト会修道院は営利目的ではなく、修道院の活動資金や慈善団体への寄付を目的としています。そのため、ハイネケンなどの企業ほどビールを製造しておらず、特にロシュフォールの製造量はトラピスト会修道院の中でもはるかに少ないです。

 

なぜならば、ロシュフォールは週に約6万リットル(約19万本)しか製造されていません。特に、ロシュフォール6番に至っては年に一度のみの製造で、全体の製造量の1%しか市場に出回りません

そのため、ロシュフォール6番はベルギー国内でも入手することが困難だと言われているようです。オランダでも同様でロシュフォール6番を見かけることは珍しく*、今回の飲み比べが実現したのもアルバート・ハインの取り寄せサービスのおかげです。

※ハーグ中心地では、“Elandstraat“沿いにあるアルバート・ハイン大型店で陳列されている場合があります。

 

以上で述べてきたように、ロシュフォールは銘酒であるだけでなく、歴史的にも非常に価値のあるビールとして、入手することも困難であるビールとして「高級ブランド」ビールであることが明らかですね!

前置きはこれくらいにして、早速飲み比べを行ったレビューを以下で記載します!

ロシュフォール3種類をグラスに注いだ時の様子

ロシュフォール3種類をグラスに注いだ時の様子(左から6番→10番→8番)

※以下のレビューで記載する参考市場価格は、オランダ国内の大手スーパーチェーン「アルバート・ハイン」で2017年6月現在に販売されている価格になります。

  

ロシュフォール6番

ベルギービールの最高峰ロシュフォール6番

市場価格1.79ユーロ
アルコール度数7.5

《飲む前の香り》

 柔らかな甘い香りがほのかに漂う。また、心地よいホップの香りもする。

《味》

口当たりは非常に柔らかい。 口に含んだ瞬間に口全体に徐々に甘みが広がっていく心地よさを感じる。苦味がほとんど感じられず、飲み干した後まで喉で甘みを感じ続けられる。また多少の甘酸っぱさも感じられ、それが程よい甘さを演出している。

《飲んだ時の香り》

 味覚として感じられる甘さとは異なり、アロマの香りはそれほど強くない。しかしながら、口に含んでから飲み干した後まで口全体に一定の余韻が残っている

《総括》

個人的にビール特有の苦みがほとんど感じられないために、苦みが原因でビールが苦手な人に一番オススメしたいビール!甘みと苦みが重なって深い味わいを求めている人には、多少の物足りなさを感じるかもしれない。

しかしながら、そうした物足りなさも補うだけの甘さの味わい深さは多くの人を満足させるに違いない!

 

ロシュフォール8番

ベルギービールの最高峰ロシュフォール8番

市場価格1.89ユーロ
アルコール度数9.2

《飲む前の香り》

 ロシュフォール6番とは大きく異なって、柔らかなビール特有の苦い香りが漂う。同じブランドなのにここまで香りが違うのか!?と驚いてしまうほどだ!

《味》

 口に含むと、少しの甘みと強く深い苦みを感じる。いわゆる、「甘苦い」という表現が適切かもしれない。カフェインの味を感じ、コーヒードロップのような甘苦さを彷彿とさせる。また、飲み干した後に喉の奥に表現することが難しい独特の「苦み」が残って、余韻に浸ることができる。

《飲んだ時の香り》

 飲む前にグラスから漂った苦い香りほど強くはなく、アロマの香りが弱い印象を受ける。

《総括》

ロシュフォール6番とは正反対で、ブラックコーヒーなどの甘苦さを好む人は好きになる味だ。ただし、アロマの香りが弱いために飲み干した後に余韻に浸ることがあまりない。

その一方で、飲み干した後に喉の奥に残る独特の「苦み」は一種の余韻に浸れる要素だ。ビールを飲んだ後にこのような独特の感覚を感じたことがないため、クセになるかもしれない。是非この感覚を味わってもらいたい!

 

 

ロシュフォール10

ベルギービールの最高峰ロシュフォール10番

市場価格2.49ユーロ
アルコール度数11.3

《飲む前の香り》

 「甘さ」「苦さ」の香りよりも、アルコール度数11.3%を裏付けるような芳醇な香りを漂わせる。芳醇な赤ワインが漂わせる香りに似ている。この香りを嗅ぐだけで、味の美味を期待させてくる。

《味》

 グラスに口を近づけて飲もうとする際に、すでに芳醇な香りが口の中を満たしてくるような感覚を感じた。そして、口に含んだ瞬間に濃厚な「甘み」と「苦み」が一緒になって口全体に広がっていく。そして、驚くべきことに口に含んだ最初から飲み干した後まで濃厚な味わいが口全体に広がっていくだけでなく、次から次へと様々な味が口の中に登場してくる

どんな味なのかを言葉で上手く表現することができないが、オーケストラの演奏中に、各奏者のソロが耳に直接入ってくるような感覚に似ているかもしれない。

徐々に飲みながら感じたのは、ロシュフォール6番の「甘み」とロシュフォール8番の「苦み」の良いところが上手く融合した味わいだ。

《飲んだ時の香り》

 飲む前に漂わせた芳醇な香りよりも、飲んだ時の香りのほうが強烈だった。こんなに芳醇な香りが口・鼻に広がることはあり得ないのではないかと思わせるほどの芳醇さだ。

この芳醇の香りを顔全体に感じるためだけに飲む価値は大いにある。

《総括》

ロシュフォール10番は、今回飲み比べを行う前からよく飲むベルギービールであり、毎回飲むごとに「幸福さ」が体全体を支配してくる。ロシュフォール3種類とも330mlと通常の瓶ビールと同じ容量であるものの、アルコール度数の高さから半分も飲み干さないうちにほろ酔い気分になってくる。

前述した辛口評論サイト”Ratebeer“では100点満点中100点であり、多くのビール愛好家が最高のビールである評するだけのものがある。もし私が採点するならば、120点をつける。それほど美味い以上のビールだ!

 

 

まとめ

ベルギービール、トラピストビールのロシュフォール3種類

いかがでしたでしょうか?このベルギービール銘酒を飲みたくなってきましたが?

このロシュフォール3種類は日本の一般市場で見かけることがまずないと思いますが、アマゾンやベルギービール輸入販売業者で購入することができます。

 

上記のレビューでアルコール度数を記載したように、ロシュフォール3種類のアルコール度数は通常のビールよりも高いです。そのため、3種類を約2時間ほどゆっくりと飲んでいたとは言え、飲み干した時にはかなりベロベロに酔っ払っていました。

そのため普段からお酒を飲まない人だったり、アルコールに耐性の弱い人がロシュフォール10番を飲み干すと、相当酔っ払ってしまう可能性がありますので注意してくださいね!

 

今後もオランダに住んでいる地の利を生かして様々なオランダ産、ベルギー産ビールを飲んでレビュー記事を書いていきたいと思っています。

もし何かリクエストがあれば、「お問い合わせ」からご連絡ください。現実的に入手可能なビールであれば実際に購入してレビュー記事を書いてみたいと思っています。

 

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。

大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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