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セルビアにスタバが到来する!今さら事業展開する理由はなに?

セルビアにスタバが到来する!今さら出店する理由はなに?

今月6月上旬に、セルビアで大きなニュースが流れました。

「スターバックスがセルビアに到来する」

 

東ヨーロッパに位置するセルビアには、これまでスターバックスが一店舗もありませんでした。様々な人々に親しまれるカフェとして根付いている日本社会からは、想像もできない光景かと思います。

では、なぜ今までスターバックスはセルビアに事業展開してこなかったんでしょうか?また、なぜ今さら展開するのでしょうか?

 

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これまでにスターバックスがセルビアになかった理由

これまでにスターバックスがセルビアになかった理由

イメージ画像:スターバックス

「スターバックス一号店が、コーヒーを楽しむ伝統が長く続く(セルビアの首都)ベオグラードに今年中にオープンします」

セルビア国内にスターバックス事業を展開するのは、ポーランドやハンガリー、チェコなどの中欧諸国でレストラン事業オペレーターとしてビジネス展開している大手AmRest Holdings SEになります。

このレストラン事業オペレーターは、2007年にセルビアにKFC(ケンタッキーフライドチキン)一号店をオープンさせた会社でもあることから、以前からセルビアでも事業展開している会社になります。

 

これまでにスターバックスがセルビアに事業展開してこなかった理由には、以下のような理由が考えられます。

  1. カフェ文化が根付くセルビア社会には美味しいカフェが他に多々あり、スターバックスが進出する余地がなかった
  2. トルココーヒー(セルビア語:Domaća kafa)を好む国民が多いため、スターバックスのコーヒーは国民に受け入れられないから
  3. セルビア国内の平均給与(月給約300€)から見て、スターバックスで提供されるコーヒーの値段が高すぎ、国民から敬遠される可能性があるから

 

国民の大半(約93%)が一日に最低でも一杯、国民の4人に3人が一日に複数回コーヒーを飲む文化が根付いているセルビアには、カフェでコーヒーを飲みながら家族や友人、恋人と談笑する文化があります(こちら参照)。

そのため、スターバックスに似たCoffeedreamや質の高いコーヒーを提供するKoffeinKafeterijaなど数えきれないくらいほどの美味しいカフェが首都ベオグラードにはあります。

 

また、トルココーヒーを好む国民(年齢が高くなるにつれて、愛好者率は高い)が多いため、スターバックスのコーヒーがこうした国民をどれだけ魅了できるのか未知数でもあります。

それだけでなく、決して安いとは言えない値段設定のスターバックスは、ほとんどのセルビア国民にとっては高額なコーヒーとも言えます。そのため、毎日のように通えるような庶民的カフェになることが難しいことは確かです。

 

総括すると、スターバックスがセルビア市場で収益を挙げる・事業を成功することが難しいと考えていたからだと思います。同様に、独自のカフェ文化や美味のコーヒー文化が根付くイタリアに事業展開していない理由も類似した理由があるからでしょう。

では、スターバックスが難しい環境が待ち構えているにもかかわらず、今さらセルビアに展開する理由はなんでしょうか?

 

スターバックスがセルビアに今さら展開する背景

スターバックスがセルビアに出店する背景

出展:n1info.com

セルビアにスターバックス一号店がオープンするというニュースがあってから数週間後には、「スターバックスが全世界で150店舗を閉鎖する」というニュースが流れてきました。

このニュースによれば、2018年第1四半期においてスターバックス本部が予想していたよりも売上高成長率を残せなく、業績を残すことができていなかった150店舗を一気に閉鎖する大幅な変化をすることにしたとのことです。

また、来年2019年以降はスターバックスが大きく展開している国々や地域では新たな店舗を出展していくことを減らしていくことも発表されました。

 

最近では、Forbes Japanが更新した記事『苦戦するスタバ、直面する課題と「失ったもの」』にて、「長期に及んだスタバの急成長は終わったということだ」と分析していました。

つまり、これまで急成長と目覚ましい成功を手にしてきたスターバックスは、「クールなカフェ」だったイメージから「大衆的に成り下がり、クールではないカフェ」になってしまい、苦戦を強いられることとなっているということです。

 

この経営苦難を知ってから、セルビアに一号店オープンを見てみると、スターバックスがセルビアに今さら展開する背景が分かります。

それは、スターバックスにとって未開の地であるセルビアでは、スターバックスが「クールなカフェ」というブランドイメージを保ちつつ、事業を成功そして拡大していくことができる可能性があるからだと思います。

 

セルビアに事業展開するメリット

セルビアに出店するメリット

イメージ画像:スターバックス

セルビアにスターバックスが事業展開することは、セルビアだけでなく近隣諸国の地域全体でも重要な発表になります。

なぜならば、セルビアがかつて一国となっていた旧ユーゴスラヴィア諸国(スロヴェニアやクロアチア、ボスニアなど)全体で、スターバックスがありません。その理由は、セルビアに展開してこなかった理由とほぼ同じかと思います。

そのため、セルビアの首都ベオグラードに出店し、それなりの人気と業績を見込めるならば、スロヴェニアやクロアチアにも展開していくことは大いに考えられます。そして、バルカン各地にもどんどん事業を拡大していくことができる可能性もあります。

 

セルビアにスタバがない

セルビアにスタバがない 出典:https://www.yamamototetsu.com/nomado-1/

また、近年にはベオグラードを訪れる外国人観光客も年々増加しており、市内を観光する外国人を新規ターゲットとして取り込めることもできます。

なぜならば、セルビアではコーヒーをテイクアウトする文化がほとんどないために、テイクアウトできるスターバックスのようなカフェは貴重となります。

以前にバックパッカーでヨーロッパを旅する日本人ブロガーの方が、「セルビアにはスタバがない」と嘆いていたことをよく覚えています。やはり、外国人観光客や旅行中でも仕事したい人にとってはスターバックスがあるかないかは、重要だったりするのかなと感じる一幕でした。

 

総括

イメージ画像:スターバックス

セルビアにスターバックスが到来するニュースを受けて、インターネット上の口コミを見てみると大半が否定的なものです。

「あんな不味いコーヒーに、あれだけのお金を払いたくない」

「あの値段設定では、セルビア人は誰もいかないよ」

「ベオグラードにはCoffeedreamがあるから、スタバはいらない」

 

このようにスターバックスに対して否定的な人はたくさんいる一方で、オープンしたらしたでそれなりの数の人が毎日訪れるのではないかと私は推測しています。

特に、Instagramを日頃使っているセルビア人女子たちにとっては、流行が少し遅いものの、インスタ映えするカフェとして大流行するでしょう。値段が少し高くても、セルビア人にとって「クールなカフェ」であるスターバックスに友達と行きたいでしょう。あの有名なテイクアウト用のカップを持ちながら、街中を歩きたいでしょう。

このように見てみると、スターバックスのセルビア事業展開は成功を収めるのではないかと感じています。

 

ベオグラードを訪れる日本人観光客の皆さん、セルビアにもスターバックスがもうすぐでできますよ!

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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