KOTARO JOURNAL

人生で初めて出会ったオランダ語”Ezel”-海外ドラマ『Friends』より

ガンター フレンズ Friends

以前に書いた記事で述べたように、私はこれまでの人生で、オランダと特別関係のない人生を歩んできて、特別オランダに興味・関心を持ってオランダに移住してきたわけではありません

そのため、移住する前にオランダ語を勉強したこともないし、オランダに移住してきてから丁度2ヶ月が経ちましたが、日常生活で頻繁に使われるオランダ語くらいしか話せません。
※ただし、オランダの場合はほとんど北欧諸国同様に、国民のほとんどが英語を流暢に話せるので、オランダ語の知識なくとも日常生活に支障はほとんどありません。

 

世界中のオランダ語話者は2,300万人(オランダ国内の人口数は約1,700万人)と言われています。そして、オランダ語が通用する地域はオランダ国内以外で、オランダ王国構成諸国(アルバ島やキュラソー島等)やかつての植民地支配下であったスリナム共和国、ベルギー北部が挙げられます。

※スリナム共和国の詳細に関しては、以下の記事を参照してください。


このように世界的なオランダ語話者数や疎通可能地域を見てみると、日本人だけでなく、世界中の多くの人にとってオランダ語は馴染みのない言語であると言えます。

私を含め世界中の多くの人にとって馴染みのないオランダ語ですが、私にとって初めてのオランダ語との出会いは、米国ドラマで一番人気がある「Friends フレンズ」を鑑賞していた中学生の頃でした。

 

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Friends

FRIENDS フレンズ

出典:http://www.tv.com/

 

日本でも海外ドラマが好きな人では大ファンの方は多いと思います。そして、一度は観たことがある、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

この海外ドラマは、米国で1994年から2004年にかけて計シーズン10も放映されていたコメディドラマです。最終シーズンとなるシーズン10の最終話を迎える頃には、米国内での視聴者数は5,250万人にものぼったと言われる等、まさしくモンスタードラマですね。

 

そして米国国内だけでなく世界中で大ヒットし、放映終了後10年以上が経過した現在でも、多くの国々でテレビ放映されています。私が移住したオランダでも夕方過ぎから毎日2話放映されています。

私は中学生の頃から姉の影響で海外ドラマに没頭し、今まで鑑賞したきた中でもこのFriendsが一番好きな海外ドラマです。10シーズンすべてのコレクターズBOXを購入し、各エピソードの物語を憶えているだけでなく各場面の登場人物のセリフを言えるくらい観てきました。

 

そして、このFriendsの登場人物の中には、オランダ語を話す脇役が登場します。この脇役が発したオランダ語の単語が私にとって人生で初めて出会ったオランダ語になります。

 

オランダ語を話す喫茶店店員 ガンター Gunther

ガンター Friends フレンズ

出典:http://theberry.com/

 

ブロンド短髪でお馴染みのガンターは、6人の主要人物が集まっておしゃべりする喫茶店の店員です。通常のドラマだったら、全く焦点が当てられない登場人物ですが、Friendsでは一番頻繁に登場する脇役であるだけでなく、主要人物との兼ね合いが非常に面白く、ドラマ内でなくてはならない登場人物でもあります。

 

実は、このガンターが主要人物のロスとオランダ語で会話をするシーンがあります。シーズン8のエピソード7『The One with the Stain(邦題:ロスは”エーゼル”?)』になります。

このエピソードでは、ロスが新たなアパートを探していた時に、遭遇したアパートの家族がオランダ系アメリカ人でした。彼らと仲良くなってアパートを手に入れるためにオランダ語を勉強し始めたロスは、喫茶店でガンターにオランダ語で話しかけます

そのシーンがこちら↓

 

ロスがガンターにオランダ語で話しかけると、何とビックリ!ガンターがオランダ語で返答してきます。

2人のオランダ語での会話の内容は、以下の通りになります。

ロス: Bedankt voor de koffie, Gunther.
    Thanks for the coffee, Gunther

ガンター:Jij spreekt Nederlands? Dat is te gek. Heb je familie daar?
              You speak Dutch? That’s cool. Do you have relatives there?

ロス: Yeah, we are done.
     (ガンターがオランダ語で返答してくるとは思わなかったため)

ガンター:(ロスに向けて)Ezel!!
                Donkey!!(日本語:バカ野郎)

ロス:(辞書で調べて”Ezel”の意味が分かった後)
    Hey Gunther, You are an Ezel!!

ガンター:Jij hebt seks met ezels!! 
    You have sex with donkeys!!

ロス:(ガンターが何言ったか分からなかったため)
    Dammit!!

このシーンは面白可笑しく、そしてオランダ語を流暢に話すガンターに笑ってしまいました。そして、それ以来このオランダ語”Ezel”は頭から離れません

 

ちなみに、このシーン以外でガンターがオランダ語を話す機会はありません。また、ガンターが「オランダ人」ではなく「オランダ語が流暢」な人物という設定になっています。

このシーンを見た当初の私は、ガンター役の俳優James Michael Tylerはオランダ人であるとずっと思い込んでいたのですが、実際は「オランダ人でもない」「オランダ語を話せない」俳優でした!(笑)

あるインタビューで、「オランダ語は話せるの?」という質問に彼は以下のように答えています。

I do not, actually. I speak a bit of German so it made it a little easier to do the lines in Dutch – the pronunciation is similar and the cadence is similar, although they’re completely different languages. I do remember every line that I spoke on the episode in Dutch! And that’s often requested – that I repeat those lines, if I meet someone who’s familiar with it. I’ve taken a couple of trips to the Netherlands and that episode’s quite popular there!

出典:Digital Spy

日本語(筆者訳)

実は、私はオランダ語は話せないんだ。ドイツ語を少しばかり話せるから、あのオランダ語のセリフは少し楽に出来たよ。オランダ語とドイツ語は全く異なる言語だけれども、発音は似ているし、話すリズムも似ているからね。あのエピソードでのオランダ語のセリフは一言一句今でも覚えているよ!あのエピソードに詳しい人に会うと、あの時のオランダ語のセリフを言ってくれと頻繁に頼まれるよ。これまでに何度かオランダに旅行に行ったことがあるんだけれども、あのエピソードはオランダ国内ですごい人気みたいだ!

 

彼の言う通り、言語学の分類上オランダ語はドイツ語と同じゲルマン語族であり、類似した単語・発音が両言語には存在しています。

ちなみに、Youtubeでこのシーンを見たオランダ人は、ガンターのオランダ語を「ドイツ語のアクセントがあるオランダ語」とコメントしています。

 

ということで、私にとって人生で初めて出会ったオランダ語は”Ezel“(バカ野郎)でした!

皆さんにとって、人生で初めて出会ったオランダ語は何ですか?思い返してみて下さい!

追記(2016年11月30日):ガンターがロスに対して“Jij hebt seks met ezels!!” (“You have sex with donkeys!!”)と発言するシーンは、視聴者の年齢も考慮されてオランダ国内のテレビ放送ではカットされていました。

 

参考サイト
23 million people speak Dutch, Dutch Daily News.
The One with the Stain, IMDb.

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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