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【12国際機関が一般公開】ハーグ・インターナショナル・オープンデーに参加してみた!

2017年9月24日(日)に、オランダ政治都市ハーグにて大規模なイベントが開催されました

このイベントは「ハーグ・インターナショナル・オープンデー」と呼ばれており、ハーグに位置する12ヶ所の国際機関が一般向けに終日開放するという面白い企画です。

開放されるそれぞれの国際機関は、平和や国際法、国際安全保障、人権問題に関するワークショップや講義を行ったりして、戦争のない世界を目指す啓蒙活動を行っていました。

 

今回のイベントで開放された国際機関の中には、通常であれば一般市民がまったく入ることを許されていない機関や館内施設があります。

また、実際に入って観覧したり、国際機関で働く職員と実際に会話をしたりすることができる貴重な機会であることから、オランダ全土から多くの人が参加したようです。

 

今回の記事では、この「ハーグ・インターナショナル・オープンデー」に参加してみた感想や当日の様子などを振り返ってみたいと思います。そして、この記事を通じて、興味を持った方が来年以降にこのイベントに参加するきっかけになれば嬉しく思います。

 

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なぜ9月に行われているのか?

なぜ9月に行われているのか?

出典:http://www.rogercallahan.com/

今年の「ハーグ・インターナショナル・オープンデー」は10周年目にあたり、今回と同様にこれまでも9月に開催されてきました。

では、なぜ9月に行われるのでしょうか?その理由には、平和を祈る国際記念日が関係しています。

 

大きな要因となっているのは、毎年9月21日は国際連合によって国際平和デー(英語:International Day of Peaceと定められているからです。

この国際平和デーは、非暴力と世界の停戦の日として、敵対行為の停止を世界の国々と人々に呼び掛けることを目的とされています。

毎年この日には、アメリカ合衆国ニューヨークに位置する国際連合本部ビルにある「平和の鐘」が国連事務総長によって鳴らされます。

※9月21日「国際平和デー」で鳴らされる「平和の鐘」の様子

 

実は、この「平和の鐘」は1954年に日本政府から国際連合に寄贈された鐘であり、国連における平和の象徴とされています。

上述したようにこの9月21日の「国際平和デー」にあやかって、ハーグでは毎年9月21日前後の休日に「ハーグ・インターナショナル・オープンデー」が開催されていることになります。

 

なぜハーグで開催されるのか?

なぜハーグで開催されるのか?

ハーグに位置する平和宮 ※執筆者が撮影(2017年時)

では、なぜオランダ首都アムステルダムではなく、第3の都市ハーグで平和を啓蒙するイベントが行われるのでしょうか?

その理由は、ハーグが歴史的に世界平和と深い結びつきがある都市だからです。

 

今から100年以上前の1899年と1907年に、ロシア皇帝ニコライ2世が提唱しして、世界平和を構築するためにハーグで国際平和会議が歴史上初めて開催されました

この会議では、国際紛争が起きた際にどのような方法で平和的に紛争を解決することができるのかが話し合われました。その結果、世界で最初の国際司法機関である常設仲裁裁判所がハーグに設置されることが決まりました。

 

そして、この常設仲裁裁判所を設置する建物として1913年に平和宮が建設されました。後に、この平和宮は世界平和の象徴とされ、多くの外国人観光客が訪れる観光スポットともなっています。

「世界で初めて世界平和の構築が議論された」歴史的背景から、戦後になって様々な国際機関がハーグに設置されるようになっていきました。

 

そのため、様々な国際機関がハーグに位置しているからという理由だけでなく、ハーグと「世界平和」には歴史的に深い関係があることから平和を啓蒙する活動を行う大きな意義があります。

 

開放された12ヶ所の国際機関

写真このイベントで一般市民向けに開放された国際機関は計12ヶ所で、以下の通りになります。

 

  1. 化学兵器禁止機関(OPCW)
  2. 旧ユーゴスラヴィア国際戦犯法廷(ICTY)
  3. 国際刑事法廷メカニズム(MICT)
  4. 国際刑事裁判所(ICC)
  5. ハーグ国際私法会議(HCCH)
  6. 国際司法裁判所(ICJ)
  7. 常設仲裁裁判所(PCA)
  8. 平和宮図書館
  9. ヨーロッパハウス
  10. OSCE少数民族高等弁務官(HCNM)
  11. ユニセフ(UNICEF)
  12. 行方不明者国際委員会(ICMP)

 

 このように「ハーグ・インターナショナル・オープンデー」当日に開放された国際機関のリストをずらーっと見てみると、ハーグにはたくさんの国際機関があり、国際法と平和を象徴する街であることを改めて認識しますね。

当日は、午後3時ごろから私用があったので巡ることができたのは、国際刑事裁判所(ICC)と旧ユーゴスラヴィア国際戦犯法廷(ICTY)2つの機関になります。

 

国際刑事裁判所(ICC)

国際刑事裁判所(ICC)

国際刑事裁判所(ICC) ※執筆者が撮影(2017年時)

国際刑事裁判所(通称、ICC)の名称を聞いたことがない人はおそらくいないでしょう。

よく国際「司法」裁判所と混合してしまう人も多いと思いますが、《国家間の法的問題を取り扱う》国際司法裁判所とは異なって、国際刑事裁判所は《個人の刑事責任(人道に反する罪や戦争犯罪など)を取り扱う》機関になります。

この国際刑事裁判所もハーグに設置されており、これまで一度も訪れたことなかったため良い機会となりました。ちなみに、国際刑事裁判所は平日の開館時間であれば一般市民も訪問したり、法廷を傍聴することが可能です。

 

国際刑事裁判所内部のテラス

国際刑事裁判所内部のテラス ※執筆者が撮影(2017年時)

メインエントランスのセキュリティチェックを通過すると、セキュリティとオフィスビルの間をつなぐ橋の両側にため池があり、テラス席のようなものが設置されていました。

このテラス席の内側にはカフェテリアが用意されており、購入したコーヒーや軽食を食べたり、太陽の光を全身に浴びながらリラックスできる施設が用意されていました。

 

国際刑事裁判所の館内に掲げられた国旗

国際刑事裁判所の館内に掲げられた国旗 ※執筆者が撮影(2017年時)

館内に入ると、受付窓口の両側には締結国の国旗が掲げられています。日本も2007年に締結国の仲間入りを果たしているので、日の丸国旗もあるはずですが時間がなかったので探していません。

館内入口向かって左側には簡易博物館のようなブースが設置されており、国際刑事裁判所が行っている業務や、実際のアフリカで起きた国際人道法に反する行いなどを例に挙げて紹介されていました。

 

館内入口付近に設置されている簡易博物館

館内入口付近に設置されている簡易博物館 ※執筆者が撮影(2017年時)

また、受付窓口の裏側には法廷が位置しており、当日には1時間ごとに傍聴席から法廷を見渡しながらレクチャーが行われていました。もちろん、法廷内は写真撮影禁止になっていますので写真はありません。

レクチャーではまず国際刑事裁判所の成り立ち、国際人道法に反する罪を犯した可能性のある容疑者を起訴して、有罪・無罪を確定するまでの一連の流れを紹介する15分ほどの動画を鑑賞しました。

そして、その後一人のスポークスマンが質疑応答コーナーを開き、国際刑事裁判所に関する一般市民の質問に一つ一つ丁寧に答えてくれました。

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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