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中世オランダで使われていた拷問器具や牢獄が観覧できる監獄博物館【デン・ハーグ観光】

実際に使われた拷問器具が展示されている監獄博物館

政治中心都市であるデン・ハーグの政治機構が集まる集合体ビネンホフには、罪を犯した人が判決を受けるまで一時的に収容されていた監獄が存在し、現在は博物館として監獄の歴史を現在に伝えています。

この監獄博物館はデン・ハーグの中心地に位置しているものの、観光客にあまり人気のスポットではないかもしれません。実は、私も最近までこの博物館の存在を知りませんでした。

先日になってようやくこの監獄博物館を訪れたのですが、実際に使われた多くの拷問器具や警備用武器のコレクションが展示されていたり、ガイドツアーの案内とともに罪人が収容されていた実際の牢獄を観覧できたりと、「非日常」の世界と表に出てこない「歴史」を体感することができました!

今回は、この監獄博物館の魅力をご紹介したいと思います。

 

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牢獄博物館の概要

多くの拷問器具や実際の牢獄が味わえる監獄博物館の正面口建物

監獄博物館の正面口建物

この記事では「監獄博物館」と呼んでいますが、正式名称は「監獄ゲート博物館 Prison Gate Museum」になります。何故「ゲート(門)」という名称が使われているのでしょうか。

1428年から1828年まで約400年間に渡って、判決が下される罪人を一時的に収容する監獄として機能していたこの建物は、10〜16世紀にかけて当地を治めていたホラント伯が所有していた城への「正面口」として機能していました。

こうした歴史的背景があることから、監獄ゲート博物館という名称が付いていますが、本文では便宜上「監獄博物館」と呼びます。

 

この監獄は一時的な罪人の収容所としてだけでなく、罪を告白しようとしない罪人に対して拷問を行う機能や判決を下す裁判所としての機能も有していました。上記の機能を果たしていた部屋は、現在の博物館にも残っています。

かつてのビネンホフの広場の光景

かつてのビネンホフの広場の光景

また、この監獄では死刑は行われていなかったものの、実際に使われていた処刑台がこの博物館内に展示されています。他の中世ヨーロッパ諸国と同様にオランダでも、死刑囚は見せしめとして公衆の面前で処刑が行われていました。

この監獄は1828年に最後の罪人に刑が宣告され施行された後、軍隊の武器庫として使われ始めました。その後すぐに、将来的にこの監獄をどうするのかという議論がなされ始めます。もともと長期にわたって監獄として使われていた負の側面がある恐怖の建物を残しておくことに、やはり否定的な意見もあったのだと思われます。そうした議論の結果、1853年にこの監獄は国定史跡として残されることが決定され、1883年より博物館として一般公開され始めました。

 

展示されているコレクション

以下では、監獄として機能していた当時に実際に使われていた貴重な展示コレクションをご紹介します。

 

拘束用具

拘束器具

拘束器具

こちらは、警備隊(当時の警察組織)が罪人を捕まえた際に拘束したり、法廷で裁判を受ける際に逃げられないように罪人の手首や足首に取り付けられていました。

映画「パイレーツ・カリビアン」にて、警察組織に捕まえられて処刑台に連れていかれる海賊たちがこうした拘束用具を身につけていたシーンを思い出します。

 

手首・腕・足への拷問器具

手首・腕・足への拷問器具

手首・腕・足への拷問器具

こちらは、自ら罪を告白しようとしない罪人に身体的拷問をかけて強制的に告白させようとする簡易的な拷問用具です。

身体にあたる表面部分には、凹凸やギザギザした内装が施されており、見た目は小さいものの相当な苦痛を強いられる拷問器具だと思われます。

刑罰として処された烙印

罪人の肩から腕にかけて押し当てられた烙印

罪人の体(背中や顔)に押し当てられた烙印器具

こちらは、小さな罪を犯した者への刑罰として処される烙印(または焼印)に使われた器具になります。高温に熱した先端部分を罪人の身体、主に背中や顔の額に押し当てて印を刻み込み、罪人としての印を生涯にわたって残す意図があります。

オランダでは、烙印による刑罰は1854年まで残っていました。

ガイドさんによれば、4つ目の烙印を処された罪人は絞首刑による死刑が宣告されていたそうです。

 

罪人が犯した罪を告げる「恥の木版」

死刑や身体的刑罰を受ける犯罪者の罪状を告げる板

死刑や身体的刑罰を受ける犯罪者の罪状を告げる板

罪人に対して公衆の面前で屈辱を味わせることが刑罰の一部として認められていたオランダでは、処刑や身体的刑罰が行われる罪人が犯した罪の内容を木版に書いて、民衆が彼の犯した罪を嘲笑する目的で刑罰が処される罪人の隣に立てかけられていました。

 

裁判官の部屋

裁判官の部屋

裁判官の部屋

こちらは、当時の裁判官のメンバーが使用していた部屋になります。こちらの部屋の窓から公衆に罪人の判決文を発表されていたようです。その窓から見える現在の光景は、下の写真になります。

裁判官の部屋の窓から公衆に判決文を発表されていた。その窓から見える現在の光景は・・・

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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