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私がセルビア(旧ユーゴ地域)に夢中になり始めた理由

私がセルビア(旧ユーゴ地域)に夢中になり始めた理由

私のブログを日頃から読んでいらっしゃる方には、「なんでセルビアに関する記事を書いているんだろうか?」「なんで東欧の小国セルビアに詳しいのだろうか?」「なんでセルビア語が分かるの?」などと疑問に思っている方も多いと思います。

そもそも、このブログを始めた当初は現在居住するオランダに関することだけを書こうと計画していました。

そのため、私が東ヨーロッパに位置し、旧ユーゴスラヴィア(以下、旧ユーゴ)諸国の一つであるセルビア共和国(以下、セルビア)に夢中になっている理由をこのブログで詳細に語ってきませんでした。

私とセルビアとの関係を書いても、オランダ生活の情報を求めて私のブログに来る方には全く関係のない話ですよね。

 

しかしながら、セルビアへの強い関心と愛情、また妻がセルビア人であることも関係して、オランダに居住していてもセルビアと切り離せない生活となっているために、途中からセルビアまたは旧ユーゴ諸国に関することも少し書き始めてみました。

書き始めた理由は、単なる自己満足です。自分の好きな事・関心のある事を書いてみようと思っただけです。

すると、検索サイトからセルビアまたは旧ユーゴ諸国に関する記事へ直接訪れる人が増加していき、今ではオランダに関する記事よりも読まれているのではないかと思ってしまうほどに至っています。

単なる自己満足で書いている記事が、多くの人に読まれている現状を素直に喜んでいます。ありがとうございます。

 

今後も、オランダ生活で気になった面白い記事を中心にして書いていく予定ですが、同時にセルビアまたは旧ユーゴ諸国に関する記事も引き続き書いていこうと思っています。

今回は自己紹介という意味合いも込めて、どうして私がセルビア(旧ユーゴ地域)に夢中になり始めたのか、その背景を説明したいと思います。

 

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そもそもセルビアってどこ?どんな国?

セルビアの地図

セルビアの地図

セルビアは、東ヨーロッパに位置する人口約700万人の小国であり、首都はベオグラードになります。

人口の規模は私が通っていた埼玉大学が位置する埼玉県(人口約715万人)とほぼ同じくらいになります。

そして、国の周りを他7ヵ国に囲まれており、残念ながら海に面していません。私の生まれ故郷である栃木県と同じ「海なし国」になります。そのため、新鮮な海産物は国内で食べられないこともあり、基本的に魚介類を食べない肉料理が中心の国です。

夏は非常に暑く(最高気温40度以上)、非常に息苦しい。冬は非常に寒く(最低気温-10度以下)、雪もたくさん降ります。春と秋は到来したのか気付かないくらいにあっという間に過ぎてしまいます。

 

セルビアはヨーロッパの中でも経済的に非常に貧しい国になります。しかしながら、セルビア国内やセルビア国民の雰囲気は全く暗くありません。明るく親しみやすい国民性があるために、誰とでも打ち解けてすぐに仲良くなれます。

セルビアのトルコ・コーヒー文化

セルビアのトルコ・コーヒー文化

出会って最初の一言目が「コーヒーを飲みに行こうか?」と多くの人が言うほど、コーヒー文化が生活に欠かせない一部となっており、一日に数杯コーヒーを飲みます。

またコーヒー文化と同様に、お酒を飲む・タバコを吸う習慣も人々の生活に密接に結びついています。

ある研究調査によれば、セルビア人の平均アルコール摂取量はロシア人と同等であり、タバコ消費量もヨーロッパで一番だという集計結果があります。

実際に、ビールはアルコールじゃないと捉えるセルビア人も多くいますし、タバコを吸わないセルビア人を見つけるほうが難しいのではないかと思ってしまうほどです。

 

近現代の歴史を振り返ってみるならば、セルビアはかつての旧ユーゴ構成諸国(西から現在のスロヴェニア、クロアチア、ボスニア、セルビア、モンテネグロ、マケドニアそしてコソヴォ)の一つであり、政治機構の中心国でした。

しかしながら、旧ユーゴ諸国家で民族主義が高揚し、1991年から泥沼の旧ユーゴ紛争が勃発し、結果的に旧ユーゴは崩壊しました。

そして、セルビアはモンテネグロと共同で連邦国家を形成していきますが、モンテネグロが2006年に独立を果たし、2008年にはアルバニア人居住民が大多数である南部のコソヴォ自治州がセルビアからの独立を宣言し*、現在の地図のようなセルビアとなっています。

※コソヴォ共和国はセルビアから独立を宣言しているものの、セルビア国家はその独立を認めていません。そのため、セルビア国家側から見ると「同国内の自治州」という地位にあります。

セルビアに関するより詳細な内容を知りたい方には、以下の書籍がオススメです。

 

この旧ユーゴ近現代史は、私がセルビアに関心を持ち始めた契機となっています。その契機は、以下でお話ししましょう。

 

セルビア(旧ユーゴ)との出会い【高校時代】

セルビアとの出会いは、高校3年生の時に遡ります。

実際には、高校3年生の前から「セルビア」という国の名前を聞いたことがあったと思います。

例えば、サッカー日本代表がキリンカップでセルビア・モンテネグロ代表と親善試合を行った時に、父親から「昔のユーゴスラヴィア代表は強かった」という話を聞いていたり、サッカー日本代表オシム元監督がセルビア隣国のボスニア出身だったことから、「セルビア」という国を名前をニュースで見かけたりしていたはずです。

その当時は、セルビアは「ヨーロッパのどこかに位置する国」くらいの認識でしかなかったと思います。

 

高校3年生になってから本格的に大学受験勉強に着手した私は、センター試験で使う科目「現代社会」の勉強の一環として、新聞を毎日読む習慣をつけていました。「政治」や「経済」といった分野の中で、最も興味を持って読んでいたのが「国際」分野でした。高校時代に好きだった科目「世界史」の影響で、現在の世界情勢を知ることを面白いと思っていたのだと思います。

私が高校3年生時は2008年であり、この年に前述したようにコソヴォがセルビアから独立を宣言しました。

このニュースは当時、数多くの日本メディアで取り上げられており、コソヴォ独立のニュースから派生して1990年代の旧ユーゴ紛争やコソヴォ紛争、NATOによるセルビア空爆に関する大まかな歴史が新聞で取り上げられていました

コソヴォの古都プリズレン

コソヴォの古都プリズレン(2012年訪問時)

こうした記事を読みながら、旧ユーゴはかつて5つの民族〔セルビア人、クロアチア人、スロヴェニア人、モンテネグロ人、マケドニア人(+ムスリム人、アルバニア人)〕が共存しながら平和に暮らしていたのに、民族同士の殺し合いが発生して分裂していってしまった悲劇の歴史を知りました。

この時には、この悲劇の歴史に強い関心を持って、率先して自分で調べていったわけではありませんが、「旧ユーゴはなんて複雑な社会だったんだろうか!」と感じて頭に残りました。

 

旧ユーゴとの出会い【大学時代】

私が入学した埼玉大学教養学部では、2年次から自身の専攻科目を決める仕組みとなっています。専攻科目として、「ヨーロッパ文化」や「アメリカ文化」、「現代社会」、「国際関係論」などがあります

最終的には、「歴史が好き」という単純な理由で歴史学を専攻しました。でも、この単純な理由で歴史学を決めてよかったと今でも思っています。

なぜならば、この選択をしたことによって、セルビアとの本格的な出会いがあり、自分が人生を通して関心を持ち続けるであろうモノに出会たと思うからです。

 

さて、歴史学をいざ専攻して歴史学の講義を中心に履修していると、大学2年次後期から歴史学教授に求められた課題がありました。それは・・・

 

「卒業論文のテーマを決めること」

 

まさか2年次から卒業論文のテーマを決めるとは思っていなかったので、非常に驚きました。なぜならば、卒業論文は4年次から取り組むものだと思っていたからです。

言われたことならしょうがないということで、まずどの国・地域の歴史に興味があるのか考えてみました。当時の歴史学科に在籍する教授の専門である「ドイツ史」や「フランス史」、「イギリス史」・・・どれもあまり魅力的に映りません。

特に、これらの国の歴史では卒業論文で明らかにしたいことを新たに見つけることは難しいと思いました。なぜならば、多くの人が関心を示す国であり、これまでに多くの研究者が様々な研究を行ってきているからです。

 

すると、「旧ユーゴ地域」が頭に浮かんできました

そう、高校時代に大学受験勉強中に新聞を読んでいた際に、コソヴォ独立が契機で知った複雑な旧ユーゴ社会です。そして、高校時代に感じたことを頭の中で思い返してみると、色々と疑問が浮かんできました。

 

「様々な民族同士がどうやって共存して暮らしていたのだろうか?」

「どうして民族同士の殺し合いに発展するまでの民族対立が生まれてしまったのだろうか?」

 

特に、私が生まれ育った日本は基本的に単一民族国家であり、様々な民族が同一国で暮らす状況を当時の私には想像することも、理解することもできませんでした。

そのため、セルビアがかつて構成していた旧ユーゴ社会の多民族性が成り立っていた背景を知りたいことが動機となって、大学の卒業論文テーマとして「旧ユーゴ地域」に絞り、そこから毎日のように旧ユーゴ関連の専門書を読み漁るようになりました。

例えば、以下のような専門書になります。

 

色々な専門書を読んで読んで読んでも、やはり旧ユーゴ社会そして歴史は非常に複雑であることから頭で理解するのにすごい時間がかかりました。反対に、旧ユーゴ史の複雑さゆえに、どんどん引き込まれていったような気がします。

次のページでは、セルビアへの留学から現在にいたるまでの話をします。

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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コメント

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    • 一大学教師
    • 2018年 2月 10日

    はじめまして。地方の国公立大学で教員をしています。

    欧州出張が多く、KLを使うこともあって、よくオランダには行きます。私にとってオランダが欧州のスタンダートだって気がしています。そうしたことからこのブログをときどき拝見しています。
    この記事は非常に面白かったです。私は社会科学を専門にしているのですが、学生への接し方で参考になります。学問というのは自由になる方法だと、よく言われますが、なかなか学生に伝えきれない。日本人は「田舎者」なので寛容さが足りないと思うので、多文化融合は難しいとしても多文化共生を目指して欲しいと私は信じていますが、これまた難しい。
    それ以前の問題として、自分の子どもの育て方にも示唆を与えてくれました。
    どうもありがとうございました。また訪れさせてください。

  1. 一大学教師さま

    コメントを頂きまして、ありがとうございます。

    そのように言って頂きまして、執筆者として非常に嬉しく思います。現状の日本の大学を覆う環境の問題として、多くの学生が「大学は卒業後の就職へのステップ」として捉えてしまっていることから、どの学問に対しても消極的になってしまう部分があります。そのため、どの学問分野に対しても関心を持てずに、そのまま大学を卒業してしまう傾向にあります。しかしながら、こうした状況は非常にもったいないと感じてしまいます。せっかく自由になんでも学べる環境が目の前にあり、そして4年間という期間があるにも関わらず、自分が関心を持てる学問に巡り会えていない学生が多いように見受けられるからです。

    学問や研究の面白さを学生に伝えることは難しいとは思いますが、私もこのサイトを通じてオランダ社会の内面であったり、日本人には馴染みのないセルビアや旧ユーゴ他諸国の社会について触れながら、大学を卒業して研究者という立場ではなくとも、個人で好きな学問や分野に関心を持ち続けながら「生きる」面白さを伝えていけれたらなと思っています。

    稚拙な文章ではありますが、今後とも私の記事をご笑覧いただければ幸いです。

執筆者のプロフィール

Kotaro

フリージャーナリスト&英語・セルビア語通訳者
ブログ運営者のプロフィール

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト

オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。

お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。

大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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