KOTARO JOURNAL

ここがヘンだよ!セルビアの文化!

対外諸国から見て日本に数多くの変わった文化があるように、セルビアにも現地人でないと理解できない変わった文化があります。

国によって異なる文化があることは当たり前だと私は捉えているため、強いカルチャーショックを容易に受ける人物ではないと思います。しかしながら、かつてセルビアの首都ベオグラードで生活していた時には、独特のセルビア文化によるカルチャーショックを強く感じました。

 

今回の記事では、「ヘンじゃない!?」と私が感じてしまったセルビアの文化を2つ紹介したいと思います。

キーワード;変わった食事時間、セルビア人が最も恐れる超自然現象「プロマヤ(Promaja)」

 

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セルビアの食生活と食事時間

セルビアの食生活と食事時間

セルビアの伝統料理チェヴァプチチ

まずは、セルビアの食事時間と食文化に関連するカルチャーショックを紹介します。

仕事や学校時間の影響や家庭内の事情によって変動はあるものの、日本では一般的に規則正しい食生活は1日3食をしっかりと取ることであり、身体の健康に良いとされる食事時間は朝食:7〜9時、昼食;12〜13時、夕食:18〜19時とされています。

私が日本で働いていた時は、朝食なしで昼食は上記の時間、夕食は終業時間が遅かったために20時過ぎに取ることが通常のライフスタイルでした。日本のサラリーマンは私のようなライフスタイルを取っている人も多いのではないかと思います。

 

しかしながら、セルビアでは日本で規則正しいとされている食事時間と食生活と大きく異なります

まず食生活に関して、1日の食生活で最も重要視されているのは夕食ではなく、昼食です。日本では、健康面を考慮して夕食時に高カロリーのものを食べない人もいるとは思うものの、夕食を食生活のメインに捉えている人が多いはずです。私も夕食がメインに捉えている家庭で育ったために、夕食をメインにしてがっつりと食べる生活を続けていました。

反対に、セルビアでは昼食にがっつりと食べて、夕食はほとんど食べません。例えば、妻の家族は昼食に肉を中心としたカロリーが高そうなセルビア伝統料理を食べますが、反対に夕食はサンドイッチや余ったパンなどを利用した軽食で済ませています。セルビア人の友人家族の中には、夕食時にフルーツだけで済ませてしまう場合もあるみたいです。

 

また、セルビアでの一般的な食事時間は、朝食を除いて日本のそれと大きく異なります。朝食はおそらく朝起きて学校や仕事に行く前の7〜9時頃が一般的だと思われます。中には、私のように朝食を取らない人もいるかと思います。

セルビアでは驚くことに昼食は14〜15時、夕食は20〜21時が一般的とされています。昼食時間に限っては、セルビアでの職場における昼食時間が12時〜13時となっていることが多いため、主に家庭内での食事時間となります。

私のセルビア人友人の中には、家族全員で23時に夕食を取る強者もいたりします。もちろん、昼食がメインなので夕食にはフルーツしか食べていないようですけれども、いくらなんでも23時に夕食を取るのは遅すぎると思いますよね?

 

夕食を取る時間がこれほど遅くなっている原因は、昼食を取る時間が遅いことが影響している(空き時間が約6時間)と見当がつきますが、昼食が14〜15時とこれほど遅い理由はなぜでしょうか?

この原因について、義理の両親やFacebook上でバルカン地域出身の人々に聞いてみたところ、昔のセルビア国内はじめ広範囲のバルカン地域人口の大半を占めていた農家の伝統が、現代の生活にも強く残っていることが影響しているのではないかという一つの結論に至りました。

 

義理の父は、以下のように説明してくれました。

かつて農業に従事する国民の多かったセルビアでは、子どもたちは早朝4〜5時に起きて、家族が生計を立てている農業の仕事を手伝っていた。そして、子どもたちが仕事の手伝いを終えて朝食を食べ終わった7時ごろに学校へ行き、昼過ぎの13〜14時ごろに学校を終えて帰宅していた。子どもたちを持つ家庭は、子どもたちが学校から帰ってきてから家族全員で昼食を取る習慣があった。このようにして、昼食を取る時間が14〜15時と遅くなっていたために、夕食も必然的に遅く取る習慣がついていったこの習慣が現在のように文化となってしまったのかもしれない

 

Facebook上で知り合ったコソヴォ在住のアルバニア人は、以下のように説明してくれました。

昼食時間が遅い理由については、君の義理の父が説明したこととほぼ同じ意見を持っている。かつてバルカン地域の人々の大半は農家に従事していて、早朝5時に起床して農業の仕事に行かなければならなかった。そして、彼らは太陽の光が強くなってくる11時ごろまで働き、一度家に帰宅する。そして、子どもたちが学校から帰ってくる13〜14時になってから家族全員で昼食を取る当時のバルカン地域の家族は、たくさんの結婚した男兄弟やその子どもたちが一緒に生活を共にしていた。そして、太陽が沈み始める17時ごろになってからまた仕事をし始める。こうした生活スタイルが長年続いて習慣が現代の文化へとなっていったんだと思う。

 

プロマヤーセルビア人が最も恐れる超自然現象ー

プロマヤー1992年からバルカン地域の人々を悩ますー

よく出回っているネタ画像「プロマヤー1992年からバルカン地域の人々を悩ますー」

セルビアで生活し、セルビア人と交流したことのある人には馴染みのある言葉「プロマヤ(セルビア語:Promaja)」。

実は、この「プロマヤ」と呼ばれる現象は、セルビア人が最も恐れる超自然現象を指します。このプロマヤ現象に遭うと、セルビア人たちは急に顔色が変わり、声を荒げて以下のように言ってきます。

 

「窓を閉めろ!」

 

セルビア人が最も恐れる超自然現象「プロマヤ」に私が初めて遭遇したのは、当時付き合っていたセルビア人女性(現在の妻)の実家にて、家族全員で美味しい昼食を取りながら談笑していた時のことです。

当時は初夏で少し暑い日だったため、部屋内が少し暑くなってきました。部屋内の窓が一枚開いているものの、もう一枚の窓は空いていませんでした。そこで、私は部屋内に籠もった生暖かい空気を換気する意味を込めて、閉まったもう一枚の窓を開けました

窓からは心地よい風が部屋内に流れていく一方で、これまで楽しくご飯を食べていた家族一同の顔が一気に険しくなりました

そして、義理の父が急に声を荒げて、[/keikou]「窓を今すぐに閉めてくれ!」[/keikou]と言ってきました。大声に驚いた私はすぐに窓を閉めたものの、なぜ閉めなきゃいけないのか、理由がまったく分かりませんでした。

すると、義理の祖母が「プロマヤよ。2枚の窓から吹いてくる空気の流れを身体に受けると、のちに風邪を引いたり、最悪の場合には重病にかかると言われているの」と説明してくれました。当時の私はまったく意味が分かりませんでした。科学的な根拠があるのかと尋ねると、「科学的な根拠はないけど、セルビア人はじめバルカン地域の人々はこのプロマヤを信じている」と一同は声を合わせて言いました。

 

義理の祖母や友人たちに色々と説明してもらって、私が理解した限りでは「プロマヤ」とは以下のような現象を指します。

ある密室の部屋に2枚の窓があり、2枚の窓が開いた状態で双方から風が流れる(空気の流れが起きる)部屋の中にいることをプロマヤと言い、このプロマヤ現象が起きるところに身を置くと、のちに風邪を引いたり、頭痛が起きたりと良いことがまったく起きらないセルビア人はじめバルカン地域の人々が最も恐れる超自然現象。

 

言葉だと分かりづらいと思うので、以下の画像で見てみましょう。

①下図は、まさしくプロマヤ現象に陥っています。Aさんは、2枚の窓双方から流れてくる空気の真ん中にいるため、クリーンヒット状態です。

プロマヤ現象を表した図

プロマヤ現象を表した図 ※執筆者が作成

 

②下図は、1枚の窓からしか空気の流れがないためにプロマヤ現象ではありません。そのため、Aさんは快適に過ごすことができます。

プロマヤ現象ではない図

プロマヤ現象ではない図 ※執筆者が作成

 

ちなみに、このプロマヤ現象は上記の文と図面で説明した密室の部屋だけでなく、バスや車、カフェやレストランのような部屋の空間でも発生します。昨年にはセルビア人の友人とカフェへ飲みに行った際に、座った席でプロマヤ現象が発生していると真顔で言う友人の訴えを受けて、違う席に移動したことがあります。

このプロマヤ現象は外では発生しません

プロマヤ現象が起きる上で最も重要な点は、「密室の空間」「2枚以上の窓」があるところで発生します。

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。

お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。

大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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