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オランダ語補習校を提供するオランダ公立中等教育学校を訪れて in ハーグ

オランダ語補習校を提供するオランダ公立中等教育学校を訪れて in ハーグ

先日、通訳業務の一環でハーグ市内の中等教育(Secondary School)公立学校を訪れる機会があり、オランダに移住して初めてオランダの教育制度の概要を調べ、訪問した公立学校の担当教師と会談を持ち様々な情報を共有してきました。

 

オランダの教育現場と言えば、私が現在オランダに住んでいる個人事業主としての滞在ビザを利用して、「オランダの素晴らしい教育システムのもとで子どもを育てたい」という希望からオランダに移住する日本人家族が多いという話は聞いてました。

実際に、子どもの教育やその子の将来的な展望を考慮してオランダに移住してきた日本人家族とはこれまでに縁がなかったですし、私たち夫婦に子どもはいないので、実際にオランダの教育システムが果たして優れているのかどうかを実感したことはありません。

しかしながら、今回の通訳業務の一環でオランダの教育事情を色々と調べたり、実際にオランダの中等教育システムに触れてみると日本の教育システムとはまったく異なる興味深いシステムが存在していることを体感しました。

 

今回の記事では、私が実際に訪れたハーグの中等教育公立学校で共有した情報をもとに、オランダの教育システムの概要を簡単に説明して、ハーグ市内のオランダ語を話せない生徒向けにオランダ語補習校を提供しているオランダ公立中等教育学校の情報をまとめたいと思います。

※本記事ではオランダの初等教育には触れていません。そして、オランダの教育システムが世界的に見て優れているかどうかの議論も行いません。また、今回の記事は、訪れた中等教育学校の担当教師と共有した情報を基にして作成しているため、正確な情報と乖離している部分がある可能性がありますことご了承ください。

 

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オランダ教育システムの概要

オランダ教育システムの概要

そもそも、オランダの教育システムと日本のそれとを実際に比べることは不可能だと思います。

日本の義務教育は「小学校6年」+「中学校3年」+「高校3年」=計12年となっていますが、オランダの義務教育は「初等教育8年」+「中等教育4〜6年」=計12〜14年となっています。

オランダの教育システム

オランダの教育システム 出典:”Education system the Netherlands”, Nuffic: the Dutch organisation for internationalisation in education.

 

まずオランダの初等教育は8年間となっており、5歳から12歳まで通うことが義務とされていますが、多くの子どもたちは4歳から初等教育のグループ1に入学しているとのことです。このグループ1では日本の保育園年長組のようなレベルとなっています。しかしながら、必ずしも4歳から初等教育に入学することは義務付けられていません。

8年間の初等教育を終えた生徒たちは、中等教育へと進学していきます。ここで複雑なのが、中等教育には生徒たちの学力や関心、将来的な展望によって3つの異なるカテゴリーへ分配される仕組みが取られています。

この3つの異なるカテゴリーによって、中等教育を終えてディプロマを取得するのに必要な学年数が異なることから、中等教育に発生する年数が4〜6年と異なることにつながっています。

 

3つの異なるカテゴリーとその内容は以下のようになっています。

VMBO (preparatory secondary vocational education)

12〜16歳まで4年間続くカテゴリーであり、通常の教育だけでなく職業訓練の教育も行われている。卒業後に、MBOmiddle-level applied education:中等職業教育機関)に進学して本格的な職業教育を受けることができる。

HAVO (senior general secondary education)

12〜17歳まで5年間続くカテゴリーであり、授業は大学進学や医師、弁護士などの専門的な教育が行われている。卒業後に、HBOhigher professional education:高等教育職業機関)に進学して専門職の職業教育を受けることができる。

VWO (university preparatory education)

12〜18歳まで6年間続くカテゴリーであり、大学進学に向けての準備をするための教育が行われている。卒業後に、WOscientific education:研究大学)に進学して学士号を取得することができる。

 

※オランダの教育システムが分かりやすく紹介されている動画(音声:英語)

youtube
正しい URL を指定してください。

 

これ以外のオランダ教育システムの概要は、以下のような記事で説明されているのでご参照ください。

Education in the Netherlands: A guide to the Dutch education system」(英語文)

オランダの教育 学校システムについて知っておきたいすべてのこと」(上記の英語サイトの日本語翻訳となっている記事)

Dutch education system」(こちらの組織が作成した「オランダ教育システムの導入」は非常に上手くまとめられており、ページ下部よりダウンロード可能となっています)

 

またオランダ在住の日本家族の方がオランダで子供の教育を実際に体験されたことをまとめた書籍があります。実際の体験を基にして書かれた書籍のため、これからオランダで子供を教育していく方には大きく参考になると思われます。

 

どうやって学校情報を見つけて、学校を探すのか?

どうやって学校情報を見つけて、学校を探すのか?

ハーグ市役所 出典:http://www.lostateminor.com/

今回の通訳業務での依頼は、ハーグ市内の学校情報0の状態で顧客が希望する公立学校を探すところから始まりました。しかしながら、ハーグ市内の全般的な学校情報を見つけることはオランダ語話者ではない私でも容易でした。

その大きな手助けとなったのが、地方自治体の市役所です。

ハーグ市役所に行くと、学校関連に携わる担当者が懇切丁寧にこちら側の要望に合う学校やサポートしてくれる機関を教えてくれたり、ハーグ市内の初等教育と中等教育の情報が載ったブックレットも提供してくれました。

そのため、オランダに移住してお子様の学校探しを行おうと予定している方は、まず地方自治体の役所を訪れて情報提供を求めることをオススメします。もちろん、提供される学校のブックレットの言語はオランダ語のみですが、何かと役に立ちます。

 

今回の学校探しを始めている時に、初めて知ったのがオランダの公立中等教育学校にはオランダ語をまったく話せない外国人移住者や難民向けのオランダ語補習校(ISKが用意されているところがあるということです。

オランダ語をまったく話せない子どもで中等教育学校に通う年齢の生徒は、外国人向けオランダ語専門学校に自費で通い、通常の授業参加に求められるオランダ語習熟度にまで達してから、通常の学校に入学する方法しかないと思っていましたが、そうではなかったのです。

 

今回の通訳業務の一環でハーグ市内の公立中等教育学校でオランダ語補習校が用意されている学校は計3つあることが分かりました。

  1. Edith Stein College
  2. Diamant College
  3. Johan de Witt – Glasblazerslaan

上記の学校は公立なので、授業料はすべて無料です(入学時初年度に多少のお金100€前後が発生することはあります。)。

上記の公立中等教育学校は、事前にアポイントの連絡をいれれば担当者の都合がつく限り、いつでも学校の下見や面談の予定を入れてくれます。

 

今回の通訳業務では、顧客の都合もあり1つ目のEdith Stein Collegeのみの下見となりましたので、Edith Stein Collegeで下見した際に共有した情報は多めに、残り2つの学校は私が調べた情報でのみまとめたいと思います。

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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