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オランダ国民がクラシックカーを愛する理由はなんで?

オランダのハーグで生活していると、街中でクラシックカーを頻繁に見かけます。

それも、ただのオンボロではなく、新車同様の塗装が施されてピカピカに輝いているクラシックカーが普通乗用車と混じって街中を走っている光景によく遭遇します。

日本では、通常の生活でクラシックカーを街中で見かけることが滅多にありませんよね。そのため、オランダのハーグで毎日のようにクラシックカーを見かけることは新鮮です。特に、私の妻はファッションを中心に「ヴィンテージ」が大好きであるため、街中で走っている・駐車してあるクラシックカーを見ては大興奮しています!

オランダのハーグだけでなく他の都市でも、クラシックカーを頻繁に見かける光景に遭遇するとは思います。しかしながら、私たち夫婦が住む近所の通りで個人所有のクラシックカー展示会が開かれていたり、250台のクラシックカーを展示しているローマン博物館がハーグに位置していることから、オランダの中でもハーグ市民が最もクラシックカーを愛しているのではないかと思ってしまいます。

 

今回の記事では、オランダでクラシックカーを愛用している人が多い背景には何があるのか?を探りつつ、近所の通りで先日開かれた展示会で出展されていたクラシックカーの数々を皆さんにお見せしようと思います。

注記:本記事で指示するクラシックカーの定義は、広義の意味で製造から30年以上が経過している自動車を指します。

 

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オランダ国内のクラシックカー台数はどれくらい?

ローマン博物館に展示されているクラシックカー

ローマン博物館に展示されているクラシックカー

2015年時点において、25年以上経過した普通車はオランダ国内で約30万台とされています。そのうち、40年以上経過した普通車は約12万2千台となっています(こちら参照)。

同年時点でオランダ国内の保有普通車台数は約800万台となっているため、25年以上経過した普通車が占める割合は約4%40年以上経過した普通車が占める割合は約1.5%となっています。

 

反対に日本では、どういった状況なのか見てみましょう。

2016年時点において、25年以上経過した普通車は日本国内で約85万台となっています。そのうち、40年以上経過した普通車の台数を知ることができませんが、30年以上経過した普通車の台数は約25万台となっています(こちら参照)。

同年時点で日本国内の保有普通車台数は約4000万台となっているため、25年以上経過した普通車が占める割合は約2%30年以上経過した普通車が占める割合は約0.6%となっています(40年以上経過した普通車が占める割合は10万台以下、約0.25%以下になっている可能性があります)。

 

人口の影響でオランダよりも日本の方が普通車保有台数が圧倒的に多いため、25年以上経過した普通車の台数も日本の方が2倍以上となっています。しかしながら、全体に占める割合で見てみると、反対に日本よりもオランダの方が2倍以上の数値となっていることが分かります。

とりわけ40年以上経過した普通車が占める割合は仮定であるものの、日本よりもオランダの方が6倍以上になっている可能性があります。

そのことからも、オランダ国民が25年以上経過した普通車(=クラシックカー)を愛用している割合が高いと言えます。

 

オランダ人はアンティーク・ヴィンテージ大好き?

オランダ人はアンティーク・ヴィンテージ大好き?

オランダで生活し初めて、気付いたことがあります。それは、街中にたくさんのアンティークショップがあります。ハーグ市内であれば、Piet Heinstraatには様々なアンティークショップが連なっていたり、オランダ中央に位置するユトレヒトにはたくさんのアンティークショップがあるイメージがあります。

また、ハーグのエッシャー美術館前の通り(上記の画像)では毎週3日ほどアンティーク・マーケットが開かれており、掘り出し物のアンティーク家具や食器類、レコードを見つけようと多くの人が訪れています。

オランダだけでなく、ヨーロッパ各地でこうした蚤の市が開催されており、日本の「使わなくなったら捨てる」のではなく、「使わなくなったら誰かに譲る」ことで「ものを大切にする」文化がヨーロッパに根付いているため、アンティークに対する関心は昔から続いているのでしょう

こうしたアンティークに対する関心がクラシックカーへの関心にも繋がっているのではないかと思います。

 

クラシックカー所有=節税対策?

オランダでは新車購入時にかかる税金(BPM)が高額であることから、BPMが発生しない中古車を購入する人が多く存在し、10年落ちの中古車でも愛用している人が多かったりします。

日本では「10年落ちの中古車は粗大ゴミ」で、「燃費が悪くなるから経済的ではない」と考える人が多かったり、中古車への自動車税が重くなることから、10年ごとに新車へ乗り換える人が多いはずです。そのため、オランダの自動車界は日本のそれと異なる世界となっています。

 

オランダの自動車税に関しては、もう一つ道路税というものがあります。この道路税は自動車の重量がベースとなって支払う税金が決まっているだけでなく、自身が住民登録している地方自治体によっても変動します。

しかしながら、40年以上経過した普通車はこの道路税対象外となるため大きな節税対策となります。そして、クラシックカー所有することが趣味としてだけでなく、節税対策だったことが分かる契機がありました。

この道路税対象外は2014年までは25年以上経過した普通車も対象となっていましたが、道路税に関する規約が厳格化されたことによって道路税対象外は「40年以上経過した普通車」となりました。

そのことで、25年以上経過した普通車を手放すオーナーが続出し、2015年時の25年以上経過したLPG・ディーゼル車の保有台数は前年度に比べて30%も減少しました。その反面、道路税対象外である40年以上経過した普通車の保有台数は前年度に比べて8500台も増加しています(こちら参照)。

そのため、オランダのクラシックカー愛好家の中には趣味としてではなく、節税対策としてクラシックカーを日常生活の足として使用している人も数多くいるということになります。

 

個人所有のクラシックカー展示会

個人所有のクラシックカー展示会

2017年8月26日に、近所の通りFrederikstraatにて個人所有のクラシックカー展示会が行われました。当日はこの通りにたくさんのクラシックカーが出展されていました。

以下で、出展されていたクラシックカーをお見せします。

ロールスロイス

ロールスロイス

購入希望者には審査を通過しないと購入できないため、一部の金持ちしか保有できないとされているロールスロイス。そのロールスロイスがありました。

ロールスロイス

車体だけでなく、内装からも最高級の車だということが分かります。近くにいた所有者から「試しに乗ってもいいよ」と言われましたが、恐れ多くて丁重にお断りしました!(笑)

 

赤のメルセデス・ベンツ

赤のメルセデス・ベンツ

ポルシェ

ポルシェ

小っちゃな黄色のフェラーリ

小っちゃな黄色のフェラーリ

大きなインパクトのあるアメ車

大きなインパクトのあるアメ車

米国星条旗が掲げられたフォード車

米国星条旗が掲げられたフォード車

エメラルドグリーンの日産フィガロ

エメラルドグリーンの日産フィガロ(1991年製)

 

まとめ

花屋さんがデザインしたクラシックカー

花屋さんがデザインしたクラシックカー

オランダ人は節約が大好きで、ケチくさい国民性があるとよく言われていますが、こうしたクラシックカーを愛用する文化からもそうした国民性が垣間見れますね。もちろん、クラシックカーの中でもバカにならないほどの値段がするものもあるはずですが、道路税を払わないでいいことは非常にお得なのでしょう。

 

オランダと言えば、街を流れる運河やチューリップ、美しい街並みが有名ですが、街の中を走るクラシックカーをたくさん眺められる機会も一つの魅力だなと最近感じています。

クラシックカーが好きな人は、オランダ観光中にたくさんのクラシックカーが観れるはずです。また、冒頭で紹介したハーグにあるローマン博物館ではたくさんのクラシックカーが観れます。ハーグ観光の際には是非ローマン博物館に足を運んでみましょう!

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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