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東欧の小国セルビアで巻き起こるトランプ米国大統領ブーム?

セルビア極右政党セルビア急進党のトランプ支持運動

昨年末から新年にかけて、かつて私が留学していた国であり、妻の母国でもあるセルビア共和国(以下、セルビア)に帰国していた際に、セルビアである変化を目撃しました。

上記の記事で簡潔に書きましたが、実は東欧の小国であるセルビアでドナルド・トランプ米国大統領ブームが巻き起こっているのです!

今回は、上記の記事で書ききれなかった、セルビアで巻き起こっているトランプ大統領ブームの実態と背景について詳しく書きたいと思います。

 

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セルビアのトランプ大統領ブームの実態

セルビア・タブロイド紙Kurirに付属していたおまけ「トランプポスター」

トランプ氏の大統領選勝利を祝し、セルビア・タブロイド紙Kurirに付属していたポスター「トランプよ、君はセルビア人だ!」 出典:Kurir

2017120日にドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に就任してからというもの、世界各国のマスメディアがトランプ大統領の一挙手一投足を毎日のように報道しているため、彼の名前を聞かない日が全く存在しません。

また、トランプ氏のアメリカ大統領就任に反対するデモであったり、同氏の大統領選挙期間中の度重なる女性蔑視発言に反対して、「女性の行進(Women’s March)」が世界各地で大規模に行われている現状を見る限り、トランプ氏の大統領就任を喜んだり、政策に賛同する人は世界的に見て少数派であると思います。

前出のトランプポスターをフロントガラスに張り付けて運転するトラック運転手

前出のトランプポスターをフロントガラスに張り付けて運転するトラック運転手 出典:Kurir

 

そうした状況の中、セルビアでは世界各地の雰囲気とは異なる様相があります。

 

セルビア人の多くが米国大統領選でトランプ候補を支持していた?

英国の調査会社Ipsos MORIが、大統領選挙前に世界各地で「トランプ候補とヒラリー・クリントン候補、どちらが米国大統領選を勝利すると思いますか。」というアンケートを行いました。

すると、セルビアでは回答者のうち40%が「トランプ候補が勝利する」と回答していたのです。敵対する「ヒラリー・クリントン候補が勝利する」と回答したのは29%のみなります。(下図「アンケート集計結果②」で黒枠に囲まれた部分がセルビアの集計結果)

アンケート集計結果①

アンケート集計結果① 出典:Ipsos MORI

アンケート集計結果②

アンケート集計結果② 出典:Ipsos MORI

このアンケートは上図で見て貰えれば分かる通り、日本も含め世界各国で行われました。そして、セルビアと中国を除く他の国では、ヒラリー・クリントン候補の大統領選勝利を信じていたことが分かります。

またセルビアのみが突出して、「トランプ候補の勝利を信じ」、「ヒラリー・クリントン候補の勝利を願っていない」構図が見受けられます。

 

トランプ候補の勝利を肯定的に捉えるセルビア国民の声

上記の動画(セルビア語のみ)は、政治問題に関して自由主義的傾向が強いセルビア全国放送局B92が、トランプ候補が大統領選に勝利した翌日に、街頭の一般市民に「トランプ候補の勝利をどう思いますか?」というインタビューを行ったものになります。

この動画内で回答している人々は、以下のように答えています。

  • 「彼の勝利に満足している。なぜならば、ヒラリー・クリントンの方がより悪質な人物だと捉えているから。」
  • 「トランプは反既成政治の人物であり、これまでとは異なる政治をしてくれることは明らかだ。この要素があるからこそ、トランプが勝利した。これは一種の革命であり、全世界に大きな影響を与える。」
  • 「トランプが勝利すると思っていたし、彼が勝利したことは最高だ。なぜならば、私は彼の性格が好きだから。」

参考として他国でのインタビュー動画を下記に載せておきます。さて、ロンドン市民と日本国民はトランプ大統領をどのように考えているのでしょうか。

 

セルビア極右政党によるトランプ候補応援キャンペーン

米国大統領選が間近に迫った昨年の夏に、バイデン副大統領(当時)がバルカン地域の和解に向けた会談をセルビア首相と行うためセルビアに来訪しました。その当日に、セルビア極右政党であるセルビア急進党(Srpska Radikalna Strank)が主体となって、バイデン副大統領の来訪に反対するデモと同時に、トランプ候補応援キャンペーンを行いました。

また、同党首ヴォイスラヴ・シェシェリはトランプ候補の共和党候補代表選の勝利を祝し、セルビア国会議事堂にてセルビア民族主義色の強い曲をカバーした”Serbia for Trump“を流しています(笑)。

 

ちなみに、この曲のフルバージョンは以下で視聴できます。すべてセルビア語で歌われていますが、ディスクリプションに英語翻訳も記載されているので聞いてみてください。

私が知る限りでは、本国アメリカを除いてトランプ候補応援キャンペーンを行ったり、パロディーではなく真面目にトランプ候補を応援する曲を作っている国はセルビアくらいだと思います。

最後に、今年4月にはセルビアで大統領選挙が行われる予定であり、もちろんセルビア急進党首シェシェリも立候補しています。そして、先日彼が公式Twitterで発表したスローガンが以下になります。”MAKE SERBIA GREAT AGAIN!“(笑)

セルビア急進党首シェシェリの大統領選挙スローガン

セルビア急進党首シェシェリの大統領選挙スローガン 出典:Twitter

 

オランダのハーグに在住しながら、セルビア(旧ユーゴスラヴィア他諸国)で起きている現状を独自の目線で発信するフリージャーナリスト。オランダの社会文化や現地での海外生活を最前線から追いながら、かつてセルビアに留学した執筆者が、旧ユーゴスラヴィア地域の社会問題を取り上げていく。お問い合わせは、info@kotaro-journal.comまで。


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大学時代に旧ユーゴスラヴィア史を研究し、1年間セルビアに留学。旧ユーゴ史研究者に少し憧れたものの諦める。現在は、オランダ・セルビアに特化した記事を書くフリージャーナリストとして活動。

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